17.以心伝心ですわ!
港町インパネイラから
全員、インパネイラのヴェルナスタ公館で用意してもらった、作業着のような
ニジュカもおそろいで、別に、東フラガナ人民共和国とやらの軍服にこだわるでもなかった。
「ロセリアの、ルカっておっさんは、国の
「へえ、面倒くさい奴だなあ」
「だよな! 普通、そこまで考えて着てないよな、服なんて!」
「フラガナは暑いからな。密林の部族には、
「今時、そんな冗談を信じる外人いないって。あんたも、
「あっはっは!
リヴィオとニジュカが、この場にいない人間の悪口を
エングロッザ王国のアーリーヤ王女、東フラガナ人民共和国陸軍のニジュカ=シンガ、ヴェルナスタ共和国のガレアッツオ=フォスカリ
「わたくしも色々と考えましたが、はっきりしたことはわかりませんし……それに、わかってても、わかってなくても、やることは変わりませんわ」
「言うと思った」
「
レナートは今と同じように、苦笑と無視でごまかした。
レナートが考えた通り、ロセリア
アーリーヤの家族、王族を不穏分子から救出、エングロッザ王国への
極端な話、軍事大国であるロセリア
より重要なのは、
それにも失敗し、
「戦略とは、こういうものだ。おまえの
無理をせず、危なくなったら逃げろ、後からどうにでも
「中間結果が良いほど、後が楽じゃないか。<
「軍になら、状況次第でそうも言おう。だが、まだまだそんな段階ではない。すでに一国、同盟相手も確保できているしな」
「おっと。そういう紹介のされ方は微妙ですが、まあ、難しい話は置いときますよ。東フラガナ人民共和国、ニジュカ=シンガだ。よろしくな、若いのと、若いのと、若いの!」
最初に名乗り合ったはずだが、アーリーヤまで含めて、覚えていなかったようだ。ニジュカの、自分以上の
「そりゃ、まあ、
「共産主義だよ、リヴィオ」
「そう、それ! つまり、連中の仲間だろ。どういう
「難しい話は置いとく、って言ったぞ。正直、俺もちゃんとわかってねえんだけどな。世の中、仲間と敵だけに分けるのも、
ニジュカが、
「フラガナ大陸は、俺たち、黒色人種の住む土地だ。話し合いもケンカもごたごたも、俺たちでどうにかする。ロセリアだろうとヴェルナスタだろうと、あんたら白色人種ばかりに、勝手されたくねえのさ。それをわきまえてくれる相手か、どうか……態度を決めるのは、そこいらへんだな。これでわかってくれるか?」
「よくわからないけど、まあ、わかったかな」
「あっはっは! 仲良くなれそうだよ、若いの!」
誰を指しているのかは、文脈で、それなりにわかる。リヴィオがレナートの横で、同じように肩をすくめて見せた。
会談は最終的に、
ロセリア
アーリーヤをインパネイラに残す
「したがいまして、却下ですの!」
なにより、アーリーヤ本人の鼻息が理屈を吹き飛ばした。
アーリーヤの個人的には、兄のヒューネリク王子が優先の上位らしいが、他の誰であれ王族を確保、救出する。
状況が困難なら、
行動中止、
そして状況が開始した。
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