6.美味しいもの食べたいな
リヴィオの
黄金の
アーリーヤの
伸ばした右手が触れて、
黄金の
羽根飾りを広げたような
ザハールの小剣が砕け散った。
その破片よりさらに速く、ザハールが新しい小剣を、
レナートは目で追うこともできなかった。ほんの少し、右手の指を動かせた。
また砕かれた小剣が、直前の小剣と、二本分の破片に空中で混ざり合った。
圧縮時間が、感覚が解放された。音と明るさが戻って、ザハールが大きく飛び
「私の
ザハールが驚きに、目を見開いていた。
同じ顔を、レナートもしていた。伸ばした右手の先、黄金の
「いえ……私の
ザハールは、
レナートはなにか言い返そうとして、口を引き結んだ。今さら、身体の中をごっそり持っていかれたように力が抜けて、少しでも動けば倒れそうだった。
水晶の大剣は、まだ消えていない。ザハールに
ザハールは、そのレナートとアーリーヤと、水晶の大剣を見て、
「すべての
ザハールが立ち上がり、服のほこりをはらって、白金色の髪を整えた。
「どうやら私たちにも、いろいろ、確認し直さなければいけないことができたようです。レナートくん……あなたとは、本当に
恐る恐る、忘れていたような一呼吸をすると、黄金の
ぐらり、と重さを感じて、倒れた。
アーリーヤが気を失っていた。レナートも、アーリーヤにしがみつかれた格好のまま、両手足を投げ出してひっくり返った。
すぐには、苦笑の一つもできなかった。平野のまばらな
しばらくして、地面から見上げる視界の
「よお、レナート。生きてるみたいだな」
「そっちこそ……あれだけ暴れて、よく動けるね」
レナートが、なんとか返事をしぼり出す。リヴィオもリヴィオで、レナートの横に、すぐにへたり込んだ。
「いや、もう限界。あのルカってやつが最後に、引き分けだからな、絶対だからな、って言いながら、
「
「グリゼルダも、大丈夫だって言って消えたよ。ああ、まったく……腹、へったな……」
「そうだね……インパネイラで、
「
「今なら、それもいける気がするよ」
レナートは、やっと苦笑できた。
この状態で、気を失いながらまだしがみついているアーリーヤを見て、レナートはため息をついた。
ザハールの言葉ではないが、確認しなければいけないこと、わからないことが多すぎる。ほんの短い時間で、あふれすぎだった。
そして多分、この、黒い肌に派手な色彩の民族衣装、
「まあ、いいか……守るって大見栄は、なんとか果たしたし」
「そう言えば、ザハールのやつがこっち来てたんだろ? レナート、おまえ、よく追い返したな」
「それもさ、とにかくいろいろ、まとまらなくて……食べて、寝て、それからかな」
「いやもう、ホントそれな」
レナートと一緒に、リヴィオも苦笑した。
港町インパネイラは、沖合いで寒流と暖流の
唯一、丸々と太った昆虫の幼生を油で
それらの印象が一緒くたになって、フラガナ大陸の南の
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます