中にいるもの

 ヒカルは数年前に死去した大叔父が所有していた屋敷に住んでいる。その数多ある部屋のクローゼットの中には、モノクロの写真でしか知らない少年時代の大叔父が立てた膝の顔を埋めて蹲っている。現れるのはランダムなので毎回驚かされる。今のところ声を掛けられる事はないし、ヒカルも対応を考えあぐねている。

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