第10話 『暗黒の湯』

銭湯マスター




著者:ピラフドリア




第10話

『暗黒の湯』





 目の前が真っ暗だ。何も見えない。




 今俺は何をしていたんだっけ……。





 ナガオは周りを見渡す。しかし、そこは湯気の立っている黒い空間。




 ナガオは空間をは走り、出口を探すが一向に出口らしきものは見つからない。それどころか壁すらない。




 ナガオは何もない空間で倒れるように座った。




「ここは……どこなんだ?」






 大会は続く。残った3名の選手が入ってから、約3分が経過した頃、異変が起きた。




 その異変に最初に気づいたのは、その近くにいたハヤオだった。




「ん、兄貴? なんか、お尻のあたりから今泡が出なかった?」




 ハヤオはナガオの近くのお湯から、空気の塊が出てくるのを見た気がした。




 しかし、それは一回では終わらない。




「え、ちょ!? 兄貴!?」




 ナガオの身体から次々と空気が出始めたのだ。




 異変に気づいた実況のシタベーも状況を解説する。




「おーっと、突如、フロ・ナガオの身体から泡が出始めたー!!」




 その様子を見ていたアツギも衝撃の表情を浮かべる。




「な、なんだ、これ……」




 理解の追いつかない事態。




 しかし、すでに湯船には異変が起こっていた。




「ん、温度が……」




 そう、ナガオが泡を発し始めてから、風呂の温度が上がり始めたのだ。




「どうなってるんだ! フロ・ハヤオ!!」




「俺に聞かれても分からない! 兄貴はこんな能力を持っていなかったはず…………」




 温度が上がっていく。




 45度、48度、そして50度。




「このままではまずいぞ。俺がこいつをどうにかする。お前は先に出ろ!」




 アツギはハヤオに向かってそんなことを言う。




「これは俺の兄貴だ。見捨てるなんてできない!!」




 ハヤオは首を振る。




 しかし、次の瞬間、ナガオの口が開きそこから機関銃が飛び出した。




 それはハヤオの方を向くと……




 風呂に銃声が響く。




 しかし、風呂には血は一滴入っていなかった。




「あ、危ねぇ」




「アツギ!?」




「これが本当にお前の兄貴か? 兄貴がお前に向けて、口から鉄砲撃ってくるか?」




「…………」




 その時、観客席にいる一人の男が観客席から銭湯に飛び降りてきた。




 その男はスーツ姿にサングラスをかけており、オールバックの男だ。




「お前……何者だ」




「俺の名はオーバーバス。銭湯マスターになる者だ」





 男はそう名乗った。





 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 なんかボスっぽいキャラが出てきました!!こいつの正体はなんなのか?次回をお楽しみに!!




 てか、このよくわからない作品にボスキャラって必要なのか!?


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