第11話 『深淵の湯』
銭湯マスター
著者:ピラフドリア
第11話
『深淵の湯』
オーバーバスの名乗った男は、ハヤオとアツギの前に立つ。
オーバーバスが現れたことでナガオの暴走は止まった。
アツギはナガオを指で指す。
「これはお前の仕業か?」
オーバーバスはニヤリと笑う。
「ああ、そうだ」
ハヤオは心配そうな顔で聞く。
「兄貴は……」
「本物のナガオは無事だよ。少し寝てもらっているがな」
ナガオは眠っている? どういうことだろうか。
オーバーバスはナガオの方を見る。
「こいつは俺の作ったロボットだ。スピード財団の技術力を使い、銭湯に長く浸かれる機械を作った」
「なんだと!?」
銭湯にロボット!?
スピード財団。それは世界を支える三代組織の一つである。
この世界では武力、財力、法力の三世力が世界を支えている。そのうちの財力を操るのがスピード財団である。
しかし、最近ではその勢力は不安定になりつつある。長い歴史の中、お互いがお互いを支えてきたはずだが、その勢力は崩壊つつある。
それぞれの組織は世界の統一しようと、隠れて力をつけてきた。
そのうちの一つがスピード財団が独自に開発している自立ロボットである。
スピード財団の作っているのは、自立思考能力を持ち、索敵能力に特化したロボット。
そのロボットの開発班にいたオーバーバスはその技術を盗んだ。
そしてその技術力を使い、ロボナガオを作ったのだ。
ロボナガオは温度変化に対応可能であり、水に対する防御能力も持っている。
しかもそのロボットの強みは、周囲の温度を変化可能という点である。
周囲の温度を変化させることができる特殊な気泡を放出し、それで温度変化をもたらす。
オーバーバスはその温度変化能力を利用して、今回の銭湯グランプリに参加したのだ。
ロボットでの参加は認められるか怪しい。だから、ナガオと入れ替わって潜入したのだ。
なぜ、そこまでしてオーバーバスが参加したのか?
その理由はオーバーバスはこの大会の主催者を捕らえるためである。
銭湯グランプリには裏の主催者がいた。
その目的は長い間、熱湯に浸かることができる戦士を探すことである。
伝説の洞窟。そこは高温の水で浸かっている洞窟。その洞窟の奥にある神に封印された武器。
それが裏の主催者の目的である。裏の主催者にはその武器を手に入れる。
そうすることで、その武器である力が手に入る。
その武器を手に入れて、裏の主催者は何をしたいのか。その目的はなんなのか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます