第五回:田舎の鳩『過ちの王から始める異世界選択 〜落ちぶれ三十路サラリーマンが憑依したのは、史上最悪の暴虐皇帝?!〜』(1)



▼ 作者に聞け  今日はゲストに、田舎の鳩さんをお招きしました。以後、鳩さんと呼ばせていただきます。鳩さん、今日はよろしくお願いします!


● 田舎の鳩(以下、鳩)  はーい、よろしくです! 鳩だよ!


▼ 作  今回、お話を聞かせていただく作品は、現在連載中で初の長編となる『過ちの王から始める異世界選択』です。



―――― 作品とキャラクター紹介 ――――


▼ 作  まずは、あらすじを紹介させてください。


 『過ちの王から始める異世界選択

   〜落ちぶれ三十路サラリーマンが憑依したのは、史上最悪の暴虐皇帝?!〜』

   https://kakuyomu.jp/works/16816927860513533896


--------------------------------------------------------------------------

 事なかれ主義を信条として責任感のない生活を送り、仕事も恋愛もぱっとしない、落ちぶれたお荷物社員と化していた「俺」こと三十路サラリーマン山田やまだ隆志たかし。失業した彼は、自室のソファでビールを呑みながら、急性アルコール中毒で死亡した。


 死んだはずの隆志が目を覚ますと、そこは見たこともない異世界、アーノルド帝国の燃える王城、王座の上だった。


 帝国史上、最凶最悪の革命を起こし、『暴虐皇帝』と呼ばれる男――ルドルフ・アドリューシュ――の身体の中へ、隆志たかしの意識は入ってしまっていたのだ。

--------------------------------------------------------------------------


 隆志=ルドルフが、これから皇帝として何を考え、どのように行動するのかが見どころになる作品ですね。


● 鳩  ご紹介ありがとうございます!! まだ冒頭部分と少ししか公開していませんが、がんばって連載中です。


▼ 作  はい。これから一層面白くなると思うので、注目していきたいです。


 次に、主要キャラクターについて整理しておきます。


--------------------------------------------------------------------------

山田やまだ隆志たかし

【主人公・元サラリーマン無職(男性)・三十歳】

 事なかれ主義で責任感のないサラリーマンだったが、会社をクビになり、無職に。自宅マンションで飲んだくれて死亡。ルドルフ・アドリューシュとして目を覚ます。


□ ルドルフ・アドリューシュ

【主人公(?)・帝国皇帝(男性)・二十二歳】

 アーノルド帝国の第八皇子として生まれる。王族たちを皆殺しにし、王家の血を引く唯一の継承者として、皇帝の座に就く。しかし、叛逆の途中でその中身は、山田隆志となる。


□ エレノア・マリエンジュ

【ヒロイン(?)・元聖女(女性)・十六歳】

 前皇帝派だった父親の公爵は、物語冒頭でルドルフの命令により、斬首される。錯乱した母は牢獄へ入れられている。エレノア自身については、この先の展開で明かされる。


□ ベイル・ローズフェンド

【サブキャラ・宰相(男性)・二十二歳】  

 有能な指揮官で、皇帝の右腕。帝国で最も位の高い臣下。現在は叛逆の後始末のために、働き詰めになっている。皇帝ルドルフ=隆志の様子に不信感を持っているようだが……?


□ リリアナ

【サブキャラ(ヒロイン?)・奴隷・護衛騎士・二十四歳】

 ベッドで目を覚ました隆志(ルドルフ)の前に現れた、褐色肌金髪の巨乳美女。皇帝専属の護衛騎士であり、皇帝唯一の奴隷を名乗る。

--------------------------------------------------------------------------


 以上は、あくまで現時点での登場人物ということですよね?


● 鳩  そうですね。これから、主要メンバーはあと数人加わります。


▼ 作  登場人物のイラストも、ご自分で描かれているそうですが。


● 鳩  描いてますね! もともと自分のテンションを上げるためと、イメージを思い浮かべるために作ってたんですが、読者もイラストがあるとわかりやすいかと思い、割と頻繁に宣伝とかで使ってます。


▼ 作  そのイラスト、カクヨムなどでも見ることはできますか?


● 鳩  あっ、見れます。そのうち「近況ノート」にでも投稿しておきます! 最近、忙しくて触れてないんですけど、よかったら見にきてください!



―――― 異世界転生ジャンルと「前世」の描写 ――――


▼ 作  さて、主人公の皇帝ルドルフですが、隆志としての前世は、決して誉められたものではなかった。現代社会のサラリーマンとして急死するまでの、凄惨で孤独な姿が、二話にわたり描かれています。


 異世界転生モノのオードソックスな流れとして、前世には少し触れるだけで、あまり詳しく描かない傾向があると思いますが、鳩さんは、逆を行きましたね。何かこだわりがあったのでしょうか?


● 鳩  特に「孤独で凄惨にしたろ!」というつもりはなく、隆志という人間をわかりやすく紹介するような気持ちで書きました。


 「クビになった男の噂」(第一話/一)では、会社の後輩たちが、ああだこうだと隆志の悪口を言ってるんですが、そういう第三者視点があった方が、社会の中での隆志の評価がわかりやすくなるかな、という気持ちで入れています。自分で「俺はクズだ」と言うよりも、「ああ、ちゃんとクズっぽいな」と納得してもらえるかと思って。


 次の「ヤマダタカシ30歳」(第一話/二)は、いよいよ隆志が死ぬまでの、ある意味で彼の「人生最後の日」なので、ちゃんと丁寧に書いてあげたいな、という気持ちがありました。彼が人生をどんな風に感じていて、死に直面した時に、どんな感情が浮かび上がってくるのか。この点をしっかり描くことで、読者に「隆志はこんな人間なんですよ」という紹介ができると思いました。


 たしかに、異世界転生モノの場合、生前についてあんまり触れない作品も多いですよね。でも、異世界転生モノの醍醐味は、「死んで、人生の後悔をやり直せる」という部分にあると個人的に感じていたので、「死ぬ前の状態」はすごく大事なんじゃないかと、この話のアイデアが浮かんだときに思っていました。自分が触れた転生モノの作品でも、ちゃんと描いてる方が面白いと感じたので。


▼ 作  なるほど。転生前の描写があるからこそ、現在の主人公が活きてくるわけですね。


 隆志が憑依する前のルドルフの台詞も、意味ありげですね。


● 鳩  ありがとうございます! そこは、今のところ大分雰囲気だけで書いてますが、この先ちゃんと意味が明らかにできるようにがんばります。


▼ 作  ルドルフも非常に魅力的な人物でした。ますます今後が期待されますね。


● 鳩  嬉しい言葉です。彼がいたからこそのこの物語なので、大事にしてあげたいなと思います。



――――「選択」のテーマとギャグ要素 ――――


▼ 作  タイトル含め、「選択」が度々登場しますが、物語のキーとなる言葉ですか?


● 鳩  そうですね。「責任を取る」ことは、「選択の結果を受け入れる」ことだと思っています。この辺は、あまり掘り下げるとネタバレになるので、物語の中で描いていきたいと思います。


▼ 作  責任を取ること、その結果を受け入れること――物語の大事な部分を垣間見ることができました。


 ところで、作品紹介のタグに「ギャグあり」とありますが、シリアスに偏り過ぎないよう、バランスを取っている?


● 鳩  そう、バランスが難しいですね!! まだまだ試行錯誤中です。


 実は、大学の演劇部に所属して、脚本を書いていました。その時の経験なんですが、シリアスなシーンって、静かで真剣に見る場面じゃないですか。それがあんまり長いと、観客も舞台も静かなので、大概寝ちゃうんですよ(笑)。


 それで、観終わってから「難しくてよくわからんかった」とか言われる。なので、「おい、今重要なことやってんぞ!! ダレてんじゃねーぞ!!」と、定期的にインパクトのあるシーンや、クスッと笑えるシーンを入れたいなと思っています。


 でも、今やりながら、塩梅が難しいなあと思っています。


▼ 作  読者を楽しませるための工夫の一つなのですね。確かに、作品冒頭は比較的シリアスですが、ギャグを交えることで作品全体の流れもよくなり、キャラの魅力にも繋がっていると感じます。


● 鳩  実は、最新話は、身近な人に「おっぱい多すぎ!」と言われて、若干落ち込んだりしてました(笑)。


▼ 作  それも一つの魅力なのだと思います(笑)。



(2)に続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る