呪術・魔法マニュアル 護身法
★はじめに
以下に、『呪法奇伝』に登場する護身法を解説していきます。
※実際のものとは違う、本作品の独自設定です。
★護身法とは?:
『護身法』とは、呪術師が妖魔・悪霊・他の呪いに対抗するときに扱われる呪術の総称である。
護身法は防御こそが本意ではあるが、攻撃的使用法を持つ護身法も多い。
さらに、他の符術・真言術・鬼神使役法・陣などの要素を多分に含んでいる呪術であるために、一見それら呪術との区別が難しいと思われがちである。
しかし、護身法はそれら他呪術の要素を基盤にして独自に発展したものであるために、『呪法奇伝』の世界においては明確に他の呪術と区別が行われている。
なお、護身法は蘆屋一族系=陰陽法師=仏教系呪術師と、土御門系=陰陽師=神道系呪術師で、若干の差異が存在している。
★九字護身法:
呪術師において最も基本となる護身法の一つ。
『臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前』という呪文によって格子の結界を立てて害あるあらゆるものから身を護る術。
九字の意味は『臨める兵、闘う者、皆陣をはり列をつくって、前に在り』という。
大規模な術式の行使時、よけいな邪魔が入らないよう前段階として使用する場合も多く、様々な場面で使用できる魔除けの技法である。
九字護身法には、2つの作法が存在する。
それは『切紙九字護身法』と、その略式とされる『早九字護身法』である。それぞれを詳しく説明すると以下のようになる。
<切紙九字護身法>
神仏を表す9種の印を用いて「九字を結ぶ」九字法。主に祭事等で使用される作法であり、いろいろな意味で面倒な代わりに、その効果は極めて高い。
「臨」 普賢三摩耶印 仏格:毘沙門天 神格:天照皇大神
「兵」 大金剛輪印 仏格:十一面観音 神格:八幡神
「闘」 外獅子印 仏格:如意輪観音 神格:春日大明神
「者」 内獅子印 仏格:不動明王 神格:加茂大明神
「皆」 外縛印 仏格:愛染明王 神格:稲荷大明神
「陣」 内縛印 仏格:聖観音 神格:住吉大明神
「裂」 智拳印 仏格:阿弥陀如来 神格:丹生大明神
「在」 日輪印 仏格:弥勒菩薩 神格:日天子
「前」 隠形印 仏格:文殊菩薩 神格:摩利支天
<早九字護身法>
刀を表す刀印を用いて「九字を切る」九字法。四縦五横の格子模様を空に描いて使用する。主に緊急時に使用される作法。かの蘆屋道満が編み出したとされる。
格子の描き方は、「臨」と唱えて横線を、「兵」と唱えて縦線を引いて、その後一文字ずつ「臨の下」「兵の右」「闘の下」「者の右」…と描いていく。
★五芒星護身法:
呪術師において最も基本となる護身法の一つ。
『バンウンタラクキリクアク…』という呪文によって五芒星の結界を立てて害あるあらゆるものから身を護る術。
呪文は虚空蔵菩薩の五つの智恵を5体の分身で表したものです。
基本的な扱いは九字護身法と同じである。
一部の術者は、描く五芒星を反転させた逆五芒星護身法を扱う(基本的な効果は同じ)。
★荘厳行者法(六法十八道):
『荘厳行者法』とは、加持祈祷の作法である『六法十八道』に含まれる護身法である。
『荘厳行者法』は『浄三業』『仏部三昧耶』『蓮華部三昧耶』『金剛部三昧耶』『被甲護身』という5つの呪に分けることが出来る。それぞれの効果は以下のとおりである。
<浄三業>呪文「オンソワハンバシュダサラバタラマソワハンバシュダカン…」
加持祈祷の始まりに行われる心身浄化術。意味合いとしては、水垢離などの心身浄化作法をこの呪一つで行ってしまうというもの。
こののちに行う呪術の、穢れなどによるマイナス補正を削減する。
<仏部三昧耶>呪文「オンタタギャトドハンバハソワカ…」
術者の「身」を加持する呪。
一般人向けのあらゆる肉体系の呪いを無効にし、それ以外に対する抵抗力を与える。すでにかかっている呪いは、この呪の発動時に再び抵抗を行う。
さらに、肉体に関する技術全般にプラスの加護を得る。
<蓮華部三昧耶>呪文「オンハンドボドハンバヤソワカ…」
術者の「口」を加持する呪。
呪文封じによる術無効化を無効にし、呪文詠唱時の詠唱速度を1.3倍にする。
さらに、呪文に関する技術全般にプラスの加護を得る。
<金剛部三昧耶>呪文「オンバゾロドハンバヤソワカ…」
術者の「意」を加持する呪。
一般人向けのあらゆる精神系の呪いを無効にし、それ以外に対する抵抗力を与える。すでにかかっている呪いは、この呪の発動時に再び抵抗を行う。
さらに、精神に関する技術全般にプラスの加護を得る。
<被甲護身>呪文「オンバザラギニハラチハタヤソワカ…」
その身に術式の鎧をまとう、最も基本的な防御術。
諸凶事に対する防護力と回避力を得、被ダメージを0.7倍にする。
★土御門系の護身法:
<陰陽師流九字>
一般陰陽師家・呪文「青龍、白虎、朱雀、玄武、勾陳、帝台、文王、三台、玉女」
土御門流・呪文「白虎、朱雀、玄武、勾陳、帝公、文王、三台、玉女、青龍」
呪文が上記のようになる以外は基本的に普通の九字護身法と同じ。ただし、早九字の場合、縦横縦横…と交互ではなく、縦4つ切ってから横5つ切る。これは、蘆屋一族等の諸勢力と自信を区別する意味もあるのかもしれない。
<セーマン>
土御門系の五芒星護身法は、最後に「ウン」と唱えて中点を打つのが作法である。
<反閇>
舞踊・足捌きのみで結界を展開する技法。
<祓いの祝詞>呪文「高天原に神留座す、神魯伎神魯美の詔以て、皇御祖神伊邪那岐大神、筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に、御禊祓へ給ひし時に生座る祓戸の大神達、諸々の枉事罪穢れを、拂ひ賜へ、清め賜へと申す事の由を、天津神国津神、八百萬の神達共に聞食せと恐み恐み申す」
かの土御門咲夜が対シルヴィア戦で行った祓い呪。これも正確には護身法に分類される。その呪文の長さからもわかる通り、大規模な浄化を行うための祝詞であり、その効果はあらゆる護身法の中でも最大級のものである。
<邪気祓い>呪文「神火晴明、神水晴明、神風晴明」
主に土御門とそれに連なる家系の呪術家で使われる祓い呪。
呪文が短く扱いやすいが、効果はそれなりである。
場の穢れが神の火に焼き尽くされ、神の水に洗い流され、神の風に吹き払われる…という意。
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