呪術・魔法マニュアル 呪術の基本
★はじめに:
以下に、『呪法奇伝』に登場する基本的な呪術を解説していきます。
※実際のものとは違う、本作品の独自設定です。
★呪術とは?:
呪術とは、印・呪文・呪物などを用いて行使される異能の総称である。
特に『呪法奇伝』では、外国の『魔法』と区別するために、日本のものを『呪術』と呼び表している。
その行使のためには最低限『霊力』を必要とし、さらに余分に霊力を消費したり、結印や呪文を追加することで効果を増強することも可能である。
今回解説する呪術は、『符術』『五行術』『真言術』『布陣法』『鬼神使役法』の5つである。
★霊力:
『霊力』とは、この世のあらゆる場所に存在する霊的エネルギーの事である。霊力がたくさんある場所はその分活性化し、逆に枯れてしまっている場所はその分衰退化する。霊力は存在する場所の地形によって流れを作ることがある。これを『地脈』あるいは『龍脈』と呼ぶ。
この霊力が何らかの理由で形を成したものが『霊質』である。霊質は主に物質に宿りその存在を支える力となる。すなわち、霊質が多ければ物質は強く・大きくになり、霊質が少なければ脆く・小さくなるのである。物質・霊質はそれが生命体である場合、肉体・霊体と言い変えられる。
霊質は場合によってそれ単独で存在することがある。これを『幽体』と呼ぶ。幽体は原則的に物質に干渉したりされたりすることがない。
霊質はそれ自体霊力を生産する能を持つ。そうして、増えた霊力は霊質のキャパシティを超えると外に放出される。これがいわゆる『オーラ』である。オーラは最終的に外界の霊力に取り込まれてその場所を活性化する糧となる。
霊質が外の世界に対して発する力が『霊威』である。霊威が強いものは他に対して強力な干渉力を発揮する。霊質が他の霊質に干渉した際、抵抗を受けることを『霊圧がかかる』という。正確には誤用であるが、霊威のことを霊圧と称することもある。
これら霊質の総合的能力の高さを表すのが『霊格』である(霊格に関しては後述)。
★符術:
『符術』とは、あらかじめ呪を込めておいた符に、「急々如律令」と起動呪を唱えて発動する遅発型呪術である。
符に込めた呪を発動するための霊力は、作成時でも起動時でも自由に消費しておくことが可能であり、そのための準備さえしておけば霊力無しで連発することも可能である。
ただし、符一つの効果量は、例えば攻撃用の符ならば、大人の男性を四回で死の危険に追い込む程度の効果しか持たない、とても制限されたものである。
これは、符というものが簡易型の術具であり、簡易型ゆえに効果上限が設けられているからである。
符は、それ自体を呪物として扱い、より大きな呪術行使のための触媒にすることも出来る。それのもっとも代表的なのが『大符術』である。
『大符術』の行使には、必要な複数枚の符と、大量の霊力が必要となる。このときの術の効果量は符の枚数倍ではなく、1枚ごとに約8~7割になる。
符は、特別な術式が組まれていない限り、自分の手で投擲して使用する必要がある。ある程度のスピード、命中率で投擲するにはそれなりの技量を必要とする。
<主な符術>
『昏睡符』
主に一般人向けに使用される符。目標となったもの一人を気絶させる。
対策法を持ってることの多い本職の呪術師には基本的に効かないと考えてよい。
『調伏符・五行系』
もっとも代表的な攻撃用符。五行の力をもって目標を攻撃する。
『禁術符』
最も基本的でかつ強力な対抗呪符。目標一人にかけられた呪を一つ破壊する。
ただし、対象となる呪が強力であると、その分破壊確率は低下する。
符を目標に当てる必要はないが、距離が近ければ近いほど成功率は上がる。
『紅爆炎舞陣』
十枚の火呪符を同時に使用する葛城王寺の大符術。
★五行術:
『五行術』とは、『陰陽五行の理』を用いて場の属性を操作する技法の総称である。特に、場の属性の変化によって起こった超常的現象のことを『五行術』と称することも多い。
その行使には、少しの霊力と属性ごとの触媒を必要とする。
『陰陽五行の理』とは、呪術において最も基本となる考え方である。それは大きく『五行相生の理』『五行相克の理』『比和の理』に分けられる。
五行相生の理は『木生火』『火生土』『土生金』『金生水』『水生木』の5つである。それぞれ、前に書かれた属性を消費して、後に書かれた属性が活性化することを表す。このとき、前に書かれた属性は『老気』に転じて弱体化する。
五行相克の理は『木克土』『土克水』『水克火』『火克金』『金克木』の5つである。それぞれ、前に書かれた属性によって、後に書かれた属性が無効化されることを表す。これを『死気に転ずる』という。
比和の理とは、同じ属性を重ねて活性化することである。
五行術は攻撃呪としては比較的攻撃力が低い傾向にある。その代わりとても汎用性が高く、消費霊力も低いのが特徴となっている。
五行術の行使には基本的に呪文を必要としない。しかし、真言を組み合わせることによって、より明確で強力な変化をもたらすことも出来る。
<主な五行術>
『五行相生の理』触媒「さまざま」
相生の理で属性攻撃を防ぐ法。これ自体には霊力消費はない。
防がれた攻撃呪はダメージが約七割削減される。
これで防いだ属性攻撃は速やかに相生に基づいた属性エネルギーに変換される。
『五行相克の理』触媒「さまざま」
相克の理で属性攻撃を防ぐ法。これ自体には霊力消費はない。
防がれた属性攻撃は、その根源となるエネルギーを『死気』に変えられることによって、形を保てなくなって消滅する。
いわゆる防御壁を作って防ぐ防御呪ではないため、基本的に防ぐことのできるダメージに上限はない。
『土行土龍顎』触媒「砂の小瓶」
真名が王寺の炎術の気を逆利用して使用した呪。自動車一台をペシャンコにできる威力をもつ。
『土行土顎陣』触媒「砂の小瓶」
真名が王寺の炎術の気を逆利用して使用した呪。持続ダメージ系攻性縛呪。
基本的に維持のために印を結んでおく必要はない。
★真言術:
『真言術』とは、印を結び真言を唱えて神仏の霊威を呼び込んで、超常現象を引き起こす呪術のことである。
真言術は、他の呪術の補助として使用されることも多く、あらゆる呪術の基盤となっている重要な術である。
本格的な真言術は効果が高い呪が多く、それに比例して消費霊力も高い傾向がある。
基本的に真言術は無詠唱で使用することはできない。必ず結印か呪文が必要となってくる。
ただ、呪文を心の中で唱えることによって、無音で術を行使することはできる。
そういった、簡易起動法で術を行使するには、使用する術ごとに相当の訓練を必要とする。
<主な真言術>
『不動縛呪』呪文「オンキリキリ、オンキリキリ、オンキリウンキャクウン」
『不動明王』の霊威を借り受けて起動する呪。
最も基本的な縛呪。目標を霊質根本から縛して動きを止める。
幽体である目標にも効果を持つ。潤は印を結んだ状態でないと目標を縛しておくことが出来ない
『天狗法』呪文「オンアロマヤテングスマンキソワカ」
呪術師が肉弾戦するときに行使する代表的な肉体強化呪。
妖怪である天狗の霊威を呼び込んでその力を得る。得る能力のバランスによって、さまざまなバリエーションが存在する。
★布陣法:
『布陣法』とは、霊的機能を持つ呪物を地面に並べて、その土地に『特殊地形効果』を発生させる『結界』を生み出す技術のことである。
きわめて特殊な効果のものが多く、要するにその土地に小さな異界を生み出す術だと言い変えることも出来る。
土地の霊的組成を組み替えて結界を生み出すために、特別な場合を除いて術者自身が霊力を消費することはない。
並べる呪物そのものが術式として機能するために、呪文や印を行使する必要も基本的にはない。ただし、生み出された結界の特殊効果を発動するために、呪文や印をトリガーとして用いることもあり、そう言った複合的結界はより強力な効果を発揮する。
<主な布陣法>
『人払いの結界』
一般人が近づくことが出来ない領域を作る。当然、異能を持つ者には効果がない。
『火壁陣』
火壁符を呪物として行使する陣。一定範囲に炎の壁を立てる。
『禁術陣』
羽村誠が潤の能力を封じるために敷いた陣。特定の能力の発動を阻害する領域を作る。
『無限回廊の結界』
葛城王寺が潤たちを閉じ込めるため敷いた結界。どこまで行っても同じ所へ戻ってきてしまう領域を作る。
『絶対防御の個人結界』
葛城王寺が使用した防御結界。あらゆる属性攻撃を威力に関係なく無効化する領域を作る。
この結界はダメージを受けると、その大きさに合わせて土地からエネルギーを得て起動する。
『結界刃』
葛城王寺が使用した攻性結界。小型・薄型の結界を空中に生み出して、そこにあるモノを結界の隔絶の力を用いて両断する。
発生した結界は、発生場所から動くことはない。
『旺陣』
土地の霊力を特定の属性に傾けるための陣。
『対怨霊封陣』
大量の呪物と、長い準備時間、維持のための印が必要な特殊な陣。
真名が乾重延公の怨霊を弱体化するために使用した。
『水天霊縛陣』呪文「ナウマクサンマンダボダナンバルナヤソワカ…」
対象の霊圧の大きさにかかわらず、30秒間その場に呪縛する陣。
呪縛時間が固定である代わりに、精神集中での維持をする必要がない。
そのため、使用した術者は、その間他のことが出来る。
その名の通り水行の縛陣なので、五行相生・相克の影響を少なからず受けてしまう。
★使鬼について:
『使鬼』とは、呪的接続によって術者と結ばれ、霊的共生状態になった者のことである。呪術流派によっては『式神』等と呼ばれる。
原則的に使鬼とその術者は同一人物とみなされ、あらゆる感覚・能力・知識の共有が行われる。
なお、蘆屋一族においては使鬼を使役するための呪のことを、『鬼神使役法』と呼ぶ。
鬼神使役法は、術者に更なる強大な力を与える。それが、使鬼と術者の『合体呪』である。
合体呪は使鬼と術者が同時に呪(もしくは異能)を行使することでその効果を重ねる技術である。
この合体呪はたいていの場合強力であり、より高位の霊格の者にも影響を与えることが可能である。
このため、一般に呪術師は、使鬼を持っていれば持っているほど強い術者であると言われる。
<主な鬼神使役法>
『鬼神召喚』呪文「カラリンチョウカラリンソワカ」
待機状態の使鬼を呼び出すための呪。待機状態の使鬼は基本的に戦闘に参加できない。
『妖縛糸不動羂索』呪文「ノウマクサマンダバザラダンカン…」
真名が使用する縛呪。土行の属性を帯びた不動縛呪で目標を呪縛する。
主に水行&火行の属性をもつ者に有効な縛呪。逆に木行&金行には弱い性質を持つ。
基本的に維持のために印を結んでおく必要はない。
『五芒護壁』呪文「バンウンタラクキリクアク」
潤が使用する防御呪。あらゆる攻撃を防ぐ五芒星の盾を生み出す。
ただし、使用するには、シロウが待機状態でなく、かつ、ある程度近くにいないといけない。
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