第7話 半分の正論

 ――ガギン!


 だが、俺の弾丸は、えらく犯人から離れた所に飛んだ。


「どこを狙ってる! まぁ、そこからじゃ上手く狙えんか!」


 確かに犯人の言う事は半分正論である。

 俺の位置からじゃ、人質が壁になっているのだ。

 でも、そんなの俺の知った事じゃない。


「やっぱり一発じゃ駄目か……」

「はぁあ? 何を訳の分からない事を――」

「人質! 死にたくなかったら伏せろ!」


 そして、次の瞬間、俺は、再びあらぬ方向に銃弾を発砲した。


 ――ガギュイン!


 そこには、真っ赤な最新式の消火器が置いてあったのだ。

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