第5話 銀行強盗

 それからさらに一年後、一般人のオーパーツの所持は法律で禁止されるのだが、その辺から、オーパーツに関わる犯罪が急増した。


『銀行強盗発生! 銀行強盗発生! 至急、赤九町銀行に応援せよ!」


 そこに突如、目覚まし時計のアラームのように騒々しい、緊急司令が入る。


「行くぞ! カケル!」

「はい! はじめさん!」


 すると俺たちは、駆け付ける様にパトカーに乗り、現場へ向かった。


 ――。




 赤九町銀行は、小さな商店街にふさわしい、小さな無人銀行で、人は一人も待機していない。

 そんな赤九町銀行に、銀行強盗が入るのは、今年で、すでに四回目である。

 今は、ちょうど他の銀行が閉まる夕方である。


「遅いわよ! しょうちゃん!」


 そして、やはり俺より先に駆け付けていたのは、俺の先輩にあたる岩島八作(いわじまはっさく)だ。


「状況は?」

「今、犯人は、銀行内に閉じ込められているわ」

「閉じ込められてる? またですか?」

「そうよ。それにしてもかけるちゃんも綺麗になったわね」


 そうそう、分かっていると思うが、八作は、めちゃくちゃ身長の高く、口髭の濃い、おっさんである。

 年齢は、四十を超えるとか。

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