第4話 別名

「カケル。コーヒー淹れてくれ」

「はい。はじめさん。砂糖とガムシロ三杯ずつですよね」

「当たりめぇだ。それにしても今朝手に入れたオーパーツも偽物だったな」

「なのに殺しちゃうんだから……。はじめさんは、本当の悪魔ですね」

「ふん! 偽物だろうが、本物だろうが、オーパーツを狙う奴は皆殺しだ」

「それにしてもなぜ、はじめさんは、そんなにオーパーツに関わる奴を目の敵にするんですか?」

「……」

「あっ! そうやって面倒だと思った事はすぐスルーする! アタシも一応、はじめさんのバディなんだから気になる事は教えて下さいよ!」

「二〇二四事件って覚えてるか?」

「アタシ、その時、五歳ですからね? 記憶にないですよ。でも、確か、母親のオーパーツを赤ちゃんが飲み込んでしまい、突然、赤ちゃんが、大暴れした事件ですよね」

「そうだ。家はつぶれ、母親は、紙のようにちぎり殺され、到底人間の仕業だと思えなかった事件だ」

「別名、オーパーツ事件ですか」

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