第2話 あくまのディアボロス

「カケル! ちゃんと取り押さえておけ!」


 俺は、白馬翔(はくばかける)にそう叫ぶと、雑居ビルの非常階段から下に飛び降りた。

 そして、バイクで逃げようとしていた犯人の一人に飛び蹴りをお見舞いする。


「観念しろ!」

「ちくしょっ! まさか! あくまのディアボロスに目を付けられていたなんて!」


 あくまのディアボロスとは、赤九町(あかくまち)交番の俺のあだ名だ。


「さぁ! ブツを出せ!」

「頼む見逃してくれ! ここで捕まったらオレはおしまいだ!」

「馬鹿か? お前は? 俺に見つかった時点で、お前はもうとっくに終わってんだよ?」


 ――ズドーン!


 そこで俺は、その犯人の懐から宝石の様な石を取り上げると、迷わず拳銃を発砲した。

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