第13話 屋敷の外へ

 翌朝、家族で朝食を囲んだ後、父ヨーゼフが王宮へ出仕したのを確認してから、ヒルデガルトはこっそりと出掛ける準備を始めた。


 聖フリューゲルの祝祭の日はあまりにも女性らしい格好のために酔っ払いに絡まれたのだろうと想像したヒルデガルトは、今回は身体の線が隠れるようにぞろりと長くブカブカのローブを着込むことにした。

 白を基調にして、ごく簡素な縁取りがあるローブを着れば、巡礼者や修行中の聖職者に見えなくもない。フードをかぶれば顔を隠すこともできるし、この前よりもずっと良いだろう。

 巡礼者なら街道の情報を聞いたり、道中の護衛を頼むために冒険者組合に赴くことも自然だろうし、護身用の武器や防具を調達することもあるかもしれない。

 以前に読んだ物語や英雄譚などを思い出し、ヒルデガルトは我ながら良い考えだと自然と笑みがこぼれた。


(さてと。問題はどうやってお母様やオットーに見つからずにお屋敷を抜け出すかですわね。)もしこんな格好をして外出しようとしているのが見つかったら、母はきちんとしたドレスに着替えさせ、さらに執事のオットーがお守りかお目付けとして外出先までついてくるだろう。それでは、とても冒険者組合や武具などを扱う職人組合には入れない。


 窓辺に近寄って外を見てみると、窓枠から手を伸ばしてぶら下がれば何とか下りられそうだ。あとはどうやって庭を通り抜けようか・・・以前読んだ物語では離れた所で大きな音を出して見張りの注意をそらした隙に通り抜ける場面があったはず・・・。


「エオストレ、近くにいらっしゃるんでしょう?」ヒルデガルトは囁くように呼び掛けた。

「ヒルデガルト、呼んだ?」ヒルデガルトの影からエオストレがにゅっと首を出した。

「ええ。エオストレ、あなたなら大きな音を出してお屋敷の使用人たちの注意をそらすことはできますわよね?」

「それくらいならお安いご用だけど。」

「では、私が庭を通り抜ける際に、庭の反対側で大きな音を鳴らしてくださるかしら。それでお屋敷のみんながそちらに気を取られている隙に抜け出そうと思うの。」

「ふーん。それくらいならいつでもできるわよ。」いかにも簡単だと言わんばかりにエオストレは応えた。


(そんなことをしなくても、ヒルデガルトの姿を隠してしまえば済むことなんだけど。)とは口に出さず、エオストレはこの状況を楽しんでいる様子のヒルデガルトの好きにさせることにした。

 これから先、ヒルデガルト自身で乗り越えなければならないことも多く出てくるだろうし、いちいち細かく手助けをしていては彼女の成長を妨げることにもなりかねない。自分に依存するだけの小娘は相棒ではなく単なる足手まといだ。


「でも、それだと今日は外に出られても、次からは出づらくなるんじゃない?」

「・・・確かにそうですわね。」エオストレの指摘を受けて、ヒルデガルトはシュンとしてしまった。確かに物語でも一度きりの脱出劇で見張りの注意を引き付けていただけだった。


「そうだわ、侍女のハンナに化けてお使いに出れば良いのではないかしら?」他人に化けて、見張りの目を欺く冒険者の話も読んだことがある。それに侍女ならお使いに出てもおかしくないはずだ。ヒルデガルトは我ながら良案だと思い、エオストレの顔を見た。


「まあ、良いんじゃない。ところで、そのハンナはあなたと背格好は似ているの?」

「ハンナは私より少し大柄ですけれど、少し服を着込んだ上にハンナの服を着ればきっと誰にも気付かれませんわ。」

 そう言うとヒルデガルトは呼び鈴を鳴らして侍女のハンナを呼んだ。


「お呼びでしょうか、お嬢様。」扉の向こうからハンナが声を掛けると、ヒルデガルトはそっと扉を開けて、ハンナを招き入れた。


「ハンナ、お願いがあるのですけれど。」

「何でございましょうか?」

「お屋敷の外に出たいのですけれど、その間、私の代わりにこの部屋にいて、お母様やオットーの目を誤魔化しておいてくれませんか?」

「お、お屋敷の外にですか?」驚いて声を上げたハンナに向かって、ヒルデガルトは形の良い鼻の前に人差し指を立てて、しーっと静かにするように仕草を見せた。

「ええ、それで私があなたの格好をして外に出たいの。駄目かしら?」ちょっと上目遣いで甘えるようにハンナにお願いするヒルデガルト。昔からハンナは色々な頼みごとを引き受けてきてくれたから、今度も叶えてくれるはず。


「わ、私の格好で?」

「別に危ないことをするわけではないのよ。ちょっとだけ一人で外に出てみたいの。」

「で、でも・・・」これまでのささやかなお願いごととはちょっと異なるお嬢様の頼みに困惑を隠せないハンナ。

「お嬢様をお一人で外に行かせてしまったとなると、旦那様からどんなお叱りを受けるか・・・」

「ハンナには迷惑はかけないようにしますから。お願い。」

「本当に危ない所に行かれたりしませんか?」

「大丈夫。本当にほんの少しだけお屋敷の外の空気を吸いに行くだけですわ。」

「本当にほんとに少しだけですからね。すぐにお戻りになってくださいね。」仕えているヒルデガルトの頼みを無下にするわけにもいかず、根負けしたハンナは自ら着ている服とヒルデガルトの服を取り換えた。


**********


 ローブをたたんで布に包み、掃除の時に埃が髪につかないようにするための白い布帽子で白金の髪を隠して、ヒルデガルトは部屋を出た。


(今の時間、お母様は居間でお茶を嗜まれていて、レオンハルトは剣の稽古、オットーは帳簿の整理をしているはずですわ。)関門になりそうな家人の顔を思い浮かべながら、ヒルデガルトは目立たないように、いかにもお使いに出るという面持ちで布包みを大事に持って屋敷の廊下を進んだ。


(あらあら。あんなにこそこそと歩いていたら、怪しいでしょうに。)エオストレはヒルデガルトを見守りながら、半ば呆れていた。


 幸い誰にも会わずに屋敷の扉までたどり着き、何とか庭に出ることができたヒルデガルトは周りを見回してから、まっすぐ門の方に向かう。早く屋敷から離れようと少し速足なのがいかにも不自然で、もし誰かに会っていたら不審に思われたかもしれない。


 最後の関門は門番だ。屋敷の出入りを確認しており、主人の家族はもちろん、使用人の全員を覚えているので、このまま進めば間違いなくばれるだろう。

(仕方がないわね。これまでの努力に免じて、少しだけ手伝ってあげるわ。)温かくヒルデガルトを見守っていたエオストレはヒルデガルトが侍女のハンナに見えるよう、声もハンナの声に聞こえるように幻影をかぶせてやった。


「おはよう、コール。お嬢様のお使いなの。門を開けてくださいな。」できるだけハンナを口調を真似ながら、ヒルデガルトは少しうつむき加減で門番に話しかけた。

「ん?おはよう、ハンナ。こんな早くから出掛けるのかい?大変だね。」そう挨拶しながら、コールと呼ばれた門番は門を開けてくれる。

 (良かったですわ。ハンナだと勘違いしてくれたみたい。)ハンナの服を着て、ハンナの声音を真似たのが良かったのだと大いなる勘違いをしながら、ヒルデガルトは門をくぐった。

「ありがとう、コール。ごきげんよう。」

「ん?ああ、気を付けて。」


(ごきげんよう、だなんてハンナらしくない挨拶だな。お嬢様とはそんな挨拶を交わしているのかな?)少し戸惑いながらコールはヒルデガルトの後ろ姿を見送った。


**********


「ふふっ。うまくいきましたわ!」侍女の格好でまんまと屋敷を抜け出したヒルデガルトは、まだ心臓をドキドキさせながら自分の屋敷を振り返った。供の者がついている中でしか屋敷の外に出たことがほとんどなく、先の聖フリューゲルの祝祭の日に城壁の外に出た時も友人のミュールハイム侯爵令嬢と一緒だったので、独りでの街歩きはほぼ初めてだ。


 供を付けず、独りで街を歩くのは少し不安であるが、それよりも以前読んだ物語のように変装して外に出た高揚感の方が大きく、ヒルデガルトはキョロキョロと周りを見ながら商店などが建ち並ぶ街区を目指した。

 途中、小路に入ってローブを着込み、フードをかぶると、自分が宝物を探索する物語の主人公になった気分で胸がさらに高鳴る。


 街中には、深窓の貴族の令嬢でしかもお披露目も済ませていないヒルデガルトを知っている者はほぼ皆無で、何もフードで顔を隠さなくても良いのだが、先日、酔っ払いに絡まれた時のことを考えれば、巡礼者や聖職者に見えるよう顔を隠した方が良いだろうという彼女なりの判断もある。


(まずは無難にお守りや魔術に使う道具を売っているお店に行くのが良いかしら。)そんなことを考えながらヒルデガルトは歩を進める。


 まだ貴族が住む街区でもあり、時折、貴族を乗せた馬車とすれ違うが、ヒルデガルトの正体に気付く者はいない。ただ、冬が終わり、明るい光が降り注ぐ中で陽光の恵みを避けるようにフードをかぶっているヒルデガルトに胡散臭げな視線を投げ掛ける御者が少しいるくらいだ。


 貴族の住む街区を抜け、裕福な領民が住む街区に入った辺りから人通りも少し増えてきた。自然に、自然に、街の風景に溶け込むように、と自分に言い聞かせながら、ヒルデガルトは歩いているが、商店の店員が荷車を引きながら得意先を回る姿や道端で遊ぶ子どもたちの姿がヒルデガルトにとって物珍しく、ついつい立ち止まって見てしまう。


 その時、道端で遊んでいた子どもたちの方からヒルデガルトの足許に小さな毬が転がってきた。足許の毬を拾おうとヒルデガルトはしゃがみ込んだが、フードで視界が狭くてよく見えない。

「あらあら。」そう言いながら、ヒルデガルトがフードを脱ぐと白金の髪がこぼれ落ち、陽光を反射して輝いた。


 毬は布袋に綿を詰めて作った小さなもので、丁寧な作りに親の愛情が感じられる。

「はい、どうぞ。」にっこりと微笑みながらヒルデガルトが毬を拾いに来た男の子に両手で毬を差し出すと、男の子は顔を赤らめながら、ありがとう、と言って毬を受け取って、友だちの所へ駆けていった。

「お友だちと元気に遊ぶ子どもたちは微笑ましいものですわね。」自分よりも7、8歳年下に見える子どもたちを眺めながら、ヒルデガルトはちょっとお姉さんぶった感想を呟くと、フードをかぶり直して商店が建ち並ぶ街区を目指して歩き出した。


**********


商店が建ち並ぶ街区にたどり着いたヒルデガルトはさっそくお守りや魔術に使う道具などを取り扱っている店を探し始めた。

 店はそれぞれ取り扱っている商品をかたどった看板を軒先に掲げていて、たとえば肉屋は牛や猪の姿を彫った看板だったり、薬屋は薬瓶の絵を板に書いていたり、薬瓶そのものをぶら下げている店もある。


 そうした店の中で、ヒルデガルトは曲がりくねった杖の模様を彫り込んだ看板を掲げている店の中を覗き込んだ。店内の壁には人の背丈ほどもある先の曲がりくねった木の杖が何本ま立て掛けられており、棚の中には黒檀や紫檀のような高級な木をきれいに削って作られた短い杖が並べられている。どうやら魔術師が使う杖を扱っている店のようだ。


「いらっしゃい。巡礼の方ですかな。長い距離を歩くならこういう長い杖があると楽ですよ。先に魔石を嵌め込めば、魔法を使う際に魔力を高めてくれますし。」白いローブ姿のヒルデガルトが店の中を覗き込んでいるのを見つけた店主が声を掛けてきた。


「こちらでは杖だけを扱っていらっしゃるのでしょうか?」フードの奥から聞こえてきたのが若い女性の声だったので、店主は一瞬意外そうな顔をしたが、すぐに笑顔になった。

「ええ、ええ。手前どもでは杖を専門に取り扱ってございますが、杖だけではなくて、杖に嵌め込む魔石も色々と取り揃えてございますよ。」四十過ぎに見える、白髪混じりの髪の毛が少し後退した店主は揉み手をしながら答える。


(ずいぶんと若そうな娘さんだが、ローブの布は高級品だ。どこかの貴族のご令嬢か何かかもしれないな。)そんなことを考えながら店主は壁に立て掛けてあった杖の一本を手に取った。


「点灯」店主が杖の先に意識を集中させて、そう呟くと杖の先に明るい白い光が灯る

「こんな風に使えば夜道も安全に歩くことができますよ。」店主は光を放つ杖を掲げて、ヒルデガルトの方に差し出した。


「まあ、ご店主様は魔法もお使いになられるのですね。」ヒルデガルトが感心したように声を掛けると、満面の笑みを浮かべて店主が喋り出した。

「はい。手前どももこうした商品を取り扱ってございますので、魔術の知識は必要でございまして。杖の品質はもちろん、そこに嵌め込む魔石についても目利きができないと商売になりませんよ。はっはっはっ。」


「素晴らしいですわ。やはり専門家の方がお店にいらっしゃるとお買い物をするのにも心強いですわ。」ヒルデガルトは自身が大した魔法を使えないこともあり、素直に感心した。


(ふむ。こちらのお嬢さんはあまり魔法の知識は無さそうだ。金回りは良さそうだし、カモになってくれそうだ。)店主はそんなことを考えながら、さらに商品を紹介していく。


「こちらの棚には短めの杖もご用意してございます。職人が魔力を籠めながら霊木から削り出した逸品でして、魔石を嵌めると冒険者の方にもお使いいただける本格的なお品物でございます。」黒檀の短い杖を両手で捧げ持ちながらヒルデガルトの方に見せる。


 店の中に引き込まれるように入ってきたヒルデガルトは、自身の屋敷の壁に飾っている杖よりもきれいに磨かれて、滑らかな艶がある杖を見て、立派なものだと感心した。実際には屋敷にある杖は遥か昔に名のある職人が削り出し、強力な水の魔力を帯びた水宝玉が嵌め込まれた、魔術師垂涎の逸品なのだが、知識の無いヒルデガルトは艶々と磨き込まれた杖も素晴らしいものに見える。


「こらこら、ヒルデガルト。あなたは杖を買いに来た訳ではないでしょう?」杖を見て感心しているヒルデガルトの耳許に、呆れた声でエオストレが囁いた。その声にはっとしてヒルデガルトは当初の目的を思い出した。


「ご店主様。私、実は杖に嵌め込む魔石や素材を探しておりますの。」鈴を転がすような澄んだ声でヒルデガルトは自身が店を訪れた目的を説明し始めた。

「良い魔石や素材があれば、杖に嵌め込んで魔法を使うときの助けにしたいと考えておりますの。」

「そうでございましたか。どのような魔法をお使いになるんでございますか?」

「旅の道中、獣などに襲われないようにしたり、襲われても身を守るような魔法ですわ。そうした魔法を強めてくれる物があると良いのですけれど。」少し自信なさげにヒルデガルトが答えると、店主は少しお待ちを、と言って店の奥に下がり、いくつかの石を持ってきた。


「こちらの石は火の魔力を帯びておりまして、お持ちになると火の気配を恐れた獣たちが寄ってこなくなる物でございます。」店主はそう言いながら、赤い石をヒルデガルトの前の卓に乗せた。


「こちらは体の周りに結界を張って、飛んでくる矢や飛びかかってくる獣を逸らしてくれる優れ物でございます。」次に卓上に置いたのは青い石。どちらも宝石の類いではなく魔力を帯びた貴石のようだ。


「まあ、そんな便利な石がありますのね。」素直に驚くヒルデガルトに、店主は旅慣れない世間知らずのお嬢様のお使いで値切りもせずに買ってくれそうだとほくそ笑む。今、出してきた石のどちらとも大した効力のない石で城近くの森に出掛ける時にお守りとして持っていく程度の物だ。


「つかぬことをお伺いしてもよろしいかしら?」ヒルデガルトは本題を切り出した。


「杖やお守りに魔物や聖獣の角や牙を嵌め込むとその力を宿らせることができると耳にしたことがあるのですけれど。」

「ええ、ええ、よくご存じですね。手前どもではそうした素材も取り扱ってございますよ。少しお待ちくださいね。」そう言って店主は再び店の奥に下がり、すぐにいくつかの品物を持ってきた。


「こちらは岩蜥蜴の鱗でございます。普通は革鎧などに貼り付けて使うことが多いのですが、稀に魔力を帯びた物がございまして、お守りに嵌め込んで身に着けますと身体を守護してくれる物でございます。また、こちらは首長亀の甲羅を加工した物でして、岩蜥蜴の鱗と同じように攻撃を受けた際に物理的な衝撃や被害を和らげてくれる力がある物でございます。」店主はこれまたどこにでもあるような安物の素材を出してきた。


「そうなのですね。どこにでもいそうな生き物ですのに、そのような力を秘めているなんて、全く存じませんでしたわ。」ヒルデガルトは鱗や甲羅の加工品を珍しそうに見つめている。


「あの、先日読みました書物に龍の鱗や牙の欠片を嵌め込むと素晴らしい力が得られると書いてあったのですけれど、そうした物はご店主様のお店には置いていらっしゃらないのでしょうか?」


無邪気としか言いようがない口調で『龍の鱗』だの『龍の牙』の話を持ち出してくるヒルデガルトを見て、店主は呆れた目になった。

龍から得られる素材の価値を知らないのか?どれだけ高価な物なのか知らないのか?若い娘のようだが、一体、どんな世間知らずなのか。


「お客様、あいにくでございますが、龍の鱗や牙などは大変希少価値が高うございまして、この王都の中でもなかなか見かける物ではございません。しかも大層値が張る物でして、おいそれと買えるお品ではございませんで、手前どもでも今は取り扱ってございません。」あまりの物知らずに、声に少し馬鹿にしたような調子が混じりつつ、店主はヒルデガルトの望みの品が無いことを告げた。


「そうなのですね。とても残念ですわ。ご店主様は龍の鱗などを取り扱っていらっしゃる方をご存知ないでしょうか?」少し落胆した声でヒルデガルトは店主に質問した。

 「さあ、先ほども申し上げましたとおり、大変貴重なお品ですから、皆、持っていてもお得意様にしかお見せしないのではないでしょうか。それよりも今お見せした岩蜥蜴や首長亀の素材がお手頃かと。」


「そうですか。では、残念ですけれど他のお店で探してみますわ。色々と教えてくださってありがとうございました。」

「岩蜥蜴や首長亀、あちらの赤い石や青い石はご入り用ではございませんか?お安くしておきますよ。」店主は一つでも売り付けようと水を向けるが、ヒルデガルトは申し訳なさそうに頭を下げた。

「申し訳ありませんけれど、他のお店を見てまいりますわ。それでは、ごきげんよう。」

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