第33話やばい奴ら

 やごーがアルファの隣に座る。


「ホロ今こちらに向かっています」


 アルファがそう言うと、 やごーは不安そうな表情を浮かべる。


「大丈夫か? あいつ最近機嫌悪いからこの村破壊したりとかないよな?」


 やごーがアルファにそう聞くとアルファは呆れた態度をとる。


「大丈夫でしょ、 最初にコンビを組んだ時は不安でしたが普通にいい子ですよ」


「ならいいが……」


「何の話?」


 やごーとアルファが振り返る。 そこには、 関雷雨の着服の茶髪のロングで変わった青地の布で出来た髪飾りを着けている女が立っていた。 女の髪飾りには六芒星ヘキサグラムが描かれていた。 黒く大きな粒々が彼女の目を覆っているためこちらから彼女の目が見えない。


「あらホロお帰り」


 アルファがそう言うと女は微笑む。


「あらお久しぶりでございます♡」


 関雷雨の服装の黒髪ストレートロングで皮膚が真っ白で白目は赤く、 光彩は黄色で楕円形の黒い瞳孔を持つ高身長で細身の男と、 同じく関雷雨の服装の背と胸が小さく、 ウサギの耳が生えた三つ編みツインテールで耳の毛と髪の色が白色で目の色は橙色の女が会議室に入って来た。


「お前らなんでここ知ってるの?」


 水蠆が3人にそう聞く。


「アルちゃんに教えてもらった」


 ホロが首を傾げながらそう言う。


「そこ胸無し眼鏡に教えてもらった」


 細身の男がそう言った瞬間、


「おい殺すぞ!!」


 アルファが怒声を上げる。


大蛇おろち、 ココア、 他の同期は?」


 やごーが心配そうに聞く。 細身の男が大蛇と言うコードネームで背の低い女がココアと言う名前だ。


「皆ゲジ食ってる」


 大蛇がめんどくさそうにそう言う。


「ンなわけあるか!」


 ココアがツッコミを入れる。


「連れて来い!」


「金くれたら行ってやるペコ!」


 ココアがドヤ顔見せるとやごーがしょんぼりした様子で2千円札を渡すと2人は子供の様に会議室から出て行った。


「あれ? 過去ちゃんは?」


 ブロンがやごーにそう聞く。


「医務室で休んでる」


「へぇー」


「ちょっと呼んでみる」


 やごーがポケットからトランシーバーを取り出したが、 壊れていたため使えなかった。


「そうだった忘れてた……」


 やごーが落ち込んだ態度を見せるとホロがそっとやごーの頭を撫でる。


「こら! エメちゃん廊下を走らないの!」


 会議室の外から青龍の声が聞こえた。


「お菓子食べてくる」


 ノワールが会議室を出ると同時にエメラルドが走って会議室入って来た。


「ちょっとエメちゃん何してんの!? 」


 青龍が冷や汗をかきながら会議室に入るとエメラルドが会議室を走り回る。


「わーい待って待って!」


 ブロンが椅子から立ち上がり、 エメラルドを追いかける。


「お前も走んな!」


 青龍がツッコミを入れるとエメラルドが青龍に抱き着く。


「ハイハイどうしたんですか?」


「高い高いして!」


 エメラルドがそう言うと青龍が思い切り高い高いをして天井にエメラルドをぶっ刺す。 エメラルドは中指を立てる。


「お前サイテーだな!」


 ブロンが青龍に指を指す。


「悪かったな!」


 青龍がそう言うとエメラルドを天井から引っこ抜く。


「おいやごー連れてきたわよ」


 大蛇とココアが4人の男女を連れて来た。 4人とも関雷雨の外套を着服しており、 1人目は赤髪のツインテールで目の色は赤、 胸は大きい方で名前はレモンと言う女。


 2人目は額当てを付けており、 黒髪のミディアムで背丈は大蛇と同じぐらいの細マッチョの男性、 目の色は黒、 名前は酒井と言う男。


 3人目は褐色の肌を持つエルフで、 灰髪のポニーテールであり目の色は赤で胸の大きさは普通、 名前はルフナと言う女。


 4人目は銀髪のショートヘアーで目の色は銀色で胸はかなり大きい、 名前はガラナと言う女。


「どうもレモンの甥っ子、 酒井よ~!」


「ちょっと待って酒井君? 何で甥っ子なの?」


「だって年齢関係なくおばさんって言えるんだもん」


「おいガキ殺すぞ」


 レモンは指の関節を鳴らす。


「ちょっとあなた、 DQNみたいよ」


 大蛇が苦笑いをするとレモンは拳を握りしめる。


「てか酒井、 あんた謝りなさいよ」


 ココアがそう言うと酒井は「ごめんなさい」と言いレモンに頭を下げる。


「わかればいいんだよわかれば!!」


 レモンは偉そうな態度をとるとココアが呆れた表情を浮かべる。


「てか他のメンバーは?」


 ルフナが大蛇にそう聞くと、 大蛇は首を振る。


「てか誰も来ないんだから別の機会にしない?」


 大蛇がめんどくさそうな表情でやごーに問いかける。


「おっそうだな」


 水蠆がそう答えた瞬間、 ホロが思い切り後頭部を殴り、 陥没させた。 それと同時に、 大蛇とココアは驚嘆する。


「あーあ」


 ガラナが啞然とした表情でそう言ういい、 ルフナと酒井とレモンは驚いた表情を浮かべ、 ココアと大蛇が啞然とした表情で「おいおいおい」と口パクで言っている。


「悪い邪魔した」


 青龍が唖然とした表情でそう言い、 エメラルドを担いでその場から去る。


「何しとんねん!!」


 大蛇がホロに指を指す。


「ごめんごめんつい……」


 ホロは軽く謝る。


「てかなんで乳無し眼鏡はホロ先……」


 酒井がそう言った瞬間、 アルファが目にも止まらぬ速度で酒井の背後を取り、 ヘッドロックをかける。


「すいませんでした」


 酒井が苦しそうな表情を浮かべながら謝罪をすると、 アルファは酒井を離す。


「おいやごー起きろ」


 ブロンが水蠆を叩いて起こすが反応が無い。


「暇だからお菓子食ってくる~」


 ブロンが会議室から出ていく。


「パイセン~会議中止にしましょ」


 大蛇がそう言うとアルファが首を傾げる。


「なんで?」


「だって人来ないし~」


 ルフナがめんどくさそうな表情を浮かべながらそう言う。


「観光したい! 牛丼食べたい!」


 ガラナがしれっと会議室から出ようとする。


「牛丼は流石にねぇぺこ」


 ココアが呆れた表情を浮かべる。


「ここにもゲジ洞窟あるかさがしてくるわ」


 大蛇がそう言うとココアと酒井とレモンが必死に大蛇を押さえる。


「お前ゲジはやめろ!」


 レモンが怒鳴る。


「コオロギと蜘蛛はいいかしら?」


 大蛇がそう言うと、 ココアと酒井が「ダメ!」と言う。


「何で虫ばっかなの!?」


 ココアが不満そうな表情を浮かべる。


「いいじゃないだって美味しいんだもん」


「いいわけねぇだろ」


「まぁあたしあなたが口開けて寝ている時に素揚げにしたゲジを放り込んだ事あるわ」


 大蛇がそう言った瞬間、 ココアが大蛇の胸ぐらを掴み激しく揺らす。


「何してんのよ! あなた!」


 大蛇がココアの頬をつねる。


「アイドルにこんな事するのか?」


「アイドルだろうが関係ないわ」


「テメェ!! マジでふざけんじゃねぇ!」


 ココアが派手に頭を振り上げ大蛇の額に激突させる。


「おい止めろ!」


 酒井とレモンが二人を離す。


「お前ら喧嘩するな!」


 ルフナが2人を叱りつける。


「あれガラナは?」


 レモンが辺りをキョロキョロと見渡すがガラナは見つからない。


「ちょっと酒井君探してきなさい」


 レモンが酒井にそう言うと、 酒井はとんでもない発言をする。


「ルフナ寝とるぞ! ブンブンブンブン!!!」


 酒井がそう言った瞬間、 後ろの方からバキッという音が聞こえた。


「酒井! あんた後ろ!」


 ココアが驚いた表情を浮かべたと同時に、 ガラナがいつの間にか会議室の左扉をくり抜いておりそれで酒井、 ココア、 大蛇を一度に叩く。 3人の頭部から血液がダラダラと流れ出る。


「やめろおおおお!!! 」


 ガラナが叫びながら木の板を振り回し、 酒井の首をへし折る。 何かを察したのか大蛇がココアに覆い被さる。


「おいルフナ! そいつ押さえろ!」


 大蛇はそう言い残すとその場で気絶。 ルフナはガラナを押さえる。


「お前ら! 何人様の扉ぶっ壊してんだよ!」


 クルミがそう言いながらみたらし団子を食べ、 隣でスダチがおはぎを食べている。


「やごーが弁償するから大丈夫だと思います」


 酒井が折れ曲がった首を手で戻しながら2人に伝えると体内でグチュグチュと音を立てながら再生させる。


「治った?」


 レモンが酒井にそう聞くと酒井は頷く。


「お前そろそろ離れろ! おらっ!」


 ココアが大蛇の腹を蹴り飛ばし起き上がる。


「お前大丈夫か!?」


 クルミが青ざめる。 なぜなら、 ココアの頭から大量の血液がダラダラと流れ出ているからだ。


「なわけねーぺこ!」


「ちょっとあなた座りなさい!」


 大蛇が起き上がりココアを座らせる。 その隣にしれっと座る。


「ココア! プレゼント!」


 スダチが回収したガイドストーンと注射器を投げ渡すとココアは片手で受け取る。


「わぁ! ありがとぺこな!」


 ココアは嬉しそうな表情を浮かべる。


「よかったわね、 ぽこーあ」


「やかましいペコ」


「あなたそんなこと言ってて大丈夫なの? 」


「大丈夫じゃね……視界が悪……」


 ココアがその場でバタンと倒れると大蛇が呆れた表情を浮かべ、 ココアからガイドストーンと注射器を奪い取り、 ガイドストーンの液体を注射器で吸い取りココアの喉にぶっ刺し注入する。 すると、 ココアは溺れた様にもがき苦しみ始める。


「これ大丈夫かしら?」


 大蛇が心配した表情を浮かべる。


「ぺーこぺこぺこ!」


 ココアが勢いよく起き上がり、 頭部の傷がグチュグチュを音を立てながら再生する。


「ぽーこぽこぽこ! 」


 大蛇が煽るとココアが嫌そうな顔をする。


「馬鹿にしてんのか?」


「もちろん」


「死んどけクソが」


「遅れてすみま……あれ?」


 コットンが勢いよく入って来たがまだ全員集まってない。


「てかなんでやごーこうなってるの? 」


 コットンが酒井にそう聞く。


「ホロ先輩がね」


 酒井がそう返答するとコットンは何かを察したのか青ざめる。


「そうだったホロ先輩、 再生遅らせるんだった……」


「ちょっと酒井君ガラナに謝って!」


 ルフナがそう言うと酒井はガラナに土下座をする。


「すいませんでした」


「《二度と言わない?》 ねぇ!?」


 ガラナが白色の殺気を放つ。


「言いません」


「よし! 会議今日は中止だ!」


 やごーがグチュグチュと音を立てながらへこんだ部分を再生させ急に起き上がるがメンバーの何人かがゴミを見るような目で見る。


「おいやごー過去ちゃんと竜ちゃん連れて来たじぇついでに百合も」


 ブロンがパスト、 シルバー、 ノワールを連れてくる。


「ついでって……」


 ノワールがブロンの頬をつねる。


「あー色々とめちゃくちゃだな~」


 レモンがめんどくさそうな表所を浮かべながら辺りを見渡す。


「おい、 おろちんいい加減にしろよ!」


 ココアが大蛇の頬をつねっていたり、 アルファがホロと遊んでいたり、 酒井がガラナに許してもらい一見落着となった。


「綿花おねーちゃん!」


 ウールがオセロを手に持ちながら会議室に入ると同時にリネン、 フェザー、 シルクが扉を開けて入ってくる。


「やごー気持ちはわかるけど中止は諦めなさい……」


 大蛇がココアにつねられながらそう言うとやごーはしょぼんとした表所を浮かべる。


「おーい誰か将棋やらない?」


 ロゼッタが将棋盤を持って来て、 リゾットが将棋の駒が入った木箱を持って入室する。


「はーい! 余がやるぞ! 」


 ライムがロゼッタの手伝いをしている。 他のメンバーも各所で会話をしたり、 ボードゲームしたりしながらメンバーを待っているが話題色々すぎるが、 愚痴は聞こえなかった。


「おーいやごー起きてるかー」


 クロムが入室して頭をポンポンと叩く。


「起きている」


「今日全員来るの?」


「戦争組はどうかわからんけど、 は無理だ」


「もう終わったって」


 クロムがそう言うと水蠆は「早っ!」と言い驚いた表所を浮かべる。


「やごー連れて来たよ!」


 ハートが勢いよく入って来た。


「お前走るな!」


 スペードがゼーゼーと息を荒げながらハートにそう言う。


「まぁまぁそう怒らないの」


 ジョーカーがスペードの頭を撫でる。


「ジョーカーもどう?」


 クラブがトランプをシャッフルしながらジョーカーに話しかける。


「てかトランプどこから?」


「受付に聞いたら貸してもらったよ!」


 ダイヤが割り込んだ。


「ボードゲームが山の様にあるから使ってほしいとの事です」


 カカオがチェスを持ってきながら入室する。


「無法地帯確定だな」


 マロンがタピオカミルクティーを飲みながらカカオにそう言う。


「いつも事よ」


「おい元ヤン!」


 酒井が急にカカオに喧嘩を売るとカカオが右ポケットからチャカを取り出し発砲、 脳天を貫く。最悪な事にレモンにも被弾。


「おいごぁ酒井、 お前の背中に北斗七星作るぞ!」


 カカオが酒井の胸ぐらを掴み持ち上げる。


「ごめんなさい!!」


 酒井は土下座して謝るもカカオが酒井の頭を踏む。


「おーいトランプやろ!」


 ライムがトランプの入った箱を2つ持って来て机に置く。


「ちょっとライム先輩助けて!」


 レモンがグチュグチュと音を立てながら傷口を再生させると手を伸ばす。


「もう仕方ないな~」


 ライムがレモンを起こし椅子に座らせる。


「レモン、おろちん、大富豪しよ」


 何とか許してもらった酒井が机に置いてあったトランプを持って来た。


「いいわよ」


 大蛇がそう言った瞬間、 ノワールが天井に2発発砲する。


「おいやごー」


 ノワールがやごーにそう言う。


「えー今回会議をしようと思ったのですが、 中止にしてもいいですか? 」


 やごーがそう言った瞬間、 全員が「ダメです」と返答し、 ホロ、 ジョーカー、 カカオ、 大蛇、 シルク、 クロムがやごーに近寄り圧をかける 。


「わかったわかった! 因みに12時からでいい?」


「いいわよ」


 大蛇がそう言うと五人とも圧をかけるのを止め元の位置に戻りメンバーとゲームや会話をする。


(人手が多いのはいいが……こいつら、 頭いかれてる……)


 やごーは色々な事を考えながら上を見上げた。

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