第29話害虫駆除2

 少し前ロゼッタ達がテントを襲撃する前、 美しい森の中にある清らかな湖のほとりで二人の女がキャンプをしていてハンモックでスヤスヤと寝ている。 ハンモックの近くに葡萄酒の様な匂いがする樽が五つピラミッドの様に並べられていた。 一人目の女の特徴は金髪ロングでアホ毛が生えている。 服装は関雷雨の服装をしていている。左手にはハートのQクイーンのカードを持っている。 二人目は茶髪のロングでこちらもアホ毛が生えている。 服装はこちらも同じく関雷雨の服装をしていている。 右手に黒いヘアゴムとスペードのKキングを持っている。 二人が寝ている間二十人の兵士が彼女らのテリトリーに入り火を放つ。 当たり所が悪かったのか樽に当たってしまい辺り一面炎に包まれ何もかも燃えてしまった。


「やった!やったぞ!」


 兵士たちが歓声を上げた途端、 二人の女が同時に跳びだし兵士二名の頭を捻り、 首を捻じ切る。


「はぁ…眠っ」


 茶髪の女がそう言うと金髪の女は武器を自身の手元に転移させた。 その武器は両刀の様な形になっているが刃がチェーンソーでありトリガーの様な物がついている。


「じゃあ私が殺ろっか?」


 金髪の女がそう言うとトリガーを引く、 すると刃が動き出しそのままスキップをしながら兵士に近づき「ランラランララーン」と言いながら兵士を次々と斬殺する。 辺り一面に血液と肉片が飛び散る。 それと同時に金髪の女の後ろで赤色の巨大な時計の様な魔法陣が出現し勢いよく赤い液体が噴出する。


「この…」


 金髪の女に一人の兵士が正面から襲い掛かり、 女の後ろからも別の兵士が飛び切りをするが女はわざと前の兵士に薙ぎ払う様に切りかかるもキックバックを起こしてしまい後ろの兵士が横に真っ二つにされ前の兵士は斜めに真っ二つにされた。 キックバックの反動が大きかったのか両腕が根元から持っていかれた。 武器は別の兵士の頭に当たり、 頭が切り裂かれ脳みそが丸見えになる。


「あーあ腕持っていかれちゃった!」


 金髪の女は腕を再生させる。 それと同時に持っていかれた腕が一瞬で灰の様なものとなる。 女が再生させたと同時に上半身だけの兵士が小腸を露出させ、 ひらひらと波打ちながら木にぶつかる。 木にぶつかった際、 死体はトマトの様にぐしゃっと潰れた。 後ろ側では肩甲骨の上の部分からデイノケイルスの腕が生えたディロフォサウルスが兵士達を切り裂き、 貪り喰らう。 全長は約23mで翼開長は約10m。


「先輩~見てくださ~い」


 関雷雨の服装をした二人組が手持ちの望遠鏡を使って遠くから二人の戦いを見ていた。 二人ともツインテールで一人目の方が薄紫色の髪と紫色の目を持っていて、 釣竿を持っている。 恐らくこの女がアサシンを殺したのだと思われる。 二人目は髪と目の色が白で一人目より少し背が高い。


「あいつら何者なんです!? 」


 薄紫髪の女がしれっとして言う。


「お前の先輩だよ、 4 4 5スライム」


 白髪の女が無表情でそう言う。


「はあ?! 」


 薄紫髪の女の髪と目が赤色に変色した。


「おいマキ…もういっぺん言ってみろ! 」


 白髪の女はマキと言う。


「って後ろの奴らが言ってました~」


 マキがそう言うと後ろから五人の兵士が忍び足でこちら側に近寄って来た。


「フェーズワン!」


 薄紫髪の女の足元に青色の巨大な時計の様な魔法陣が出現し勢いよく赤い液体が噴出、 薄紫髪の女の姿を変えた。 変身した姿はアルゼンチンテグーの様な体に背中から巨大な腕が二本生えている。 身体の構造はベトベトしたスライムの様な形になっているため骨や内臓があるのかないのかわからない。 全長約18m


「ライム先輩頑張れ~」


  薄紫髪の女はライムと言う名前で体重は44.5㎏とのこと。 ライムは兵士に食べるように飛び掛かり順番に五人全員を完食、 ライムの体内が徐々に黒くなっていき食道が見える様になった。 ライムは姿を元に戻す。 元に戻す際、 彼女からも灰のようなものが出てきた。 髪と目の色も元に戻っていた。


「おつかれ…って」


 マキが振り返るとライムが口を大きく開け、 口の中から顔の皮膚が黒く変色しドロドロに溶けた兵士の顔を出してきた。 溶けた兵士の顔からきつい刺激臭を放っているためマキは自身の鼻をつまむ。 それと同時に兵士の眼球がドロッと地面に落ちる。


「汚いからしまってください」


 マキが嫌そうな顔をするとライムがポン! と兵士の顔を口から吐き出す。 兵士の顔はマキの顔面に直撃して地面に落ちる。 マキの顔面に黒く変色した皮膚がべっとりとついてしまった。


「あ! ごめんつい…」


「この44.5!」


 マキが中指を立てながらそう言うとライムの髪と目が再度赤くなり、 大声で発狂する。 それと同時に金髪の女と茶髪の女が二人の元に転移してきた。


「お疲れ~」


 茶髪の女がそう言った瞬間にダイヤとクロコ、 クラブが転移してきた。


「スペード例の樽は?」


 ダイヤがそう言うと茶髪の女は残念そうな表情を浮かべる。


「燃やされた」


 茶髪の女はそう言うとため息をつく。


「私とスペードスぺちゃんが寝てる間にね! 」


 金髪の女がそう言うと、 スペードは呆れた表情を浮かべる。


「まぁ酒ぐらいいつでも造れますからね~」


 クロコはそう言うと未使用の水筒とタオルを手元に転移させレオナの元に近づく。


「お体に触りますよ…」


 クロコは水筒の蓋を開けタオルを湿らせレオナの顔を拭く。


「わーセクハラだ」


 マキが真顔でそう言う。


「私、 女ですよ」


 クロコは真顔でそう言う。


「ハート報告書は?」


 クラブが金髪の女にそう聞く。 金髪の女はハートと言う。


「あるよ!」


 ハートはポケットから文字が書かれた紙を出す。


「帰る?」


 スペードは首を傾げる。


「私とクラブとマキでパストちゃんリーダーに報告してから帰ります。 ですから他のメンバーは先に本部に戻って報告してください。」


 クロコがそう言うとクラブ、 マキ、 クロコ以外は転移で本部に戻った。

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