第28話害虫駆除1
―1月2日 午前 8時00分 晴れ 心地のいいそよ風が吹いていて爽やかな気分になれる。―
パストが3つのトランシーバーを地面に置いてその場に座り込む。
「じゃあみんなお願いね……」
パストはそう囁くと微笑みを浮かべる。
「お待たせ」
シルバーがパストの背中にもたれかかる。
「あら竜ちゃん」
パストは嬉しそうな表情を浮かべながら振り向く。
「もう終わった?」
「まだ」
2人は楽しそうに笑う。 その頃、 関雷雨の討伐に向かった騎士団一行は沢山のテントを張り戦の準備をしていた。
「何!? 国王様と連絡が取れないだと!」
会議に参加した兜を被った男が椅子に座って猫を撫でながら1人の兵士に向かってそう言う。
「くだらない私はもう行きます」
会議に参加した美形の男がその場を歩いて去った。
「おい待て! 話はまだ!」
兜の男は立ち上がり美形の男を止めようとしたが、 話を聞いてもらえなかった。
(さぁ鮮やかに!)
美形の男が剣を抜く。 すると、 剣先から関雷雨の服を着服した女がハルバードで美形の男の首を刎ねる。 女の特徴は目と髪の色は茶色でダブル三つ編みの髪型をしている。 身長は160㎝ぐらいだと思われる。 ハルバードの方は三日月型の刃で槍も剃刀の様に鋭い。
「データファイル……ティンダロスの猟犬だと……」
兜の男がそう呟くと撫でていた猫が急死する。 それと同時に、 男は何者かに後ろから猫手で鎧ごと心臓をえぐり取られる。 えぐり取られた心臓はまだドクドクと動いている。 それを見た兵士は腰を抜かす。
「ねえ終わった!?」
茶髪の少女が大声でそう叫ぶ。
「終わったよ~」
男の死体の後ろから関雷雨の外套を着服していて目と髪が薄紫色でアホ毛が生えていてのショートヘア―の女が出てきた。 指に鉄でできたミニナイフと同じ長さの猫手がはめられていて、 えぐり取った方の手には血液がべっとりとついている。 身長は茶髪の少女と同じくらいだ。
「他のみんなは……」
兵士はガタガタと怯える。 すると薄紫髪の女が兵士の耳元で「みんな死んじゃった」と囁き、首を掻っ切る。
「終わったよ~」
薄紫髪の女が手を振りながら茶髪の女の元に向かう。
「もしもしロゼッタちゃんそっちは終わった?」
茶髪の女のポケットからパストの声が聞こえた。
「うん終わったよ」
「なんて聞こえない!」
「あっそうだった」
ロゼッタはポケットからトランシーバーを出す。
「ごめんごめんでどうしたの?」
「そっちの方はもう終わった? 終わったんだったら頼みがあるの!」
「何々!?」
ロゼッタは興奮する。
「死体を一ヶ所に集めてもらいたいんだけどいいかな?」
「いいよ何ならもう集め終わってる」
ロゼッタはトランシーバーを切る。
「ねえねえロゼさん」
薄紫髪の女が水晶玉をテントの中に投げ込む。 するとテントの中が一瞬だけ光り後は何事もなかったかの様な状態になる。
「リゾット~何してるの?」
ロゼッタは首を傾げる。薄紫髪の女はテントの中に入り豆粒サイズの水晶玉を見つける。 テントの中は錆びた金属みたいな臭いで立ち込めていて辺り一面に赤黒い液体が飛散したかの様なシミができている。
「やっぱ
リゾットは呆れた表情を浮かべる。
「過去ちゃんに報告して本部に戻る?」
ロゼッタはリゾットにそう聞く。
「連絡して帰ろ」
リゾットがそう言うとロゼッタはトランシーバーに電源を入れてパストに連絡してから【転移】で本部に戻った。
「人間の死体でアップデートね~ちょっともったいないことしたかな?」
パストは首の無い死体に腰を掛け退屈そうな表情で赤黒く染まった川を眺める。
「ほっといたらすぐ出るから」
シルバーがパストの隣に腰を下ろす。
「きさま……一体何を……」
後ろから黒いフルプレートの重装備を着服していている高身長で筋骨隆々の男がパストに声をかける。 次の刹那、 パストが蹴りで首を刎ね飛ばす。 男が倒れるとパストは瓦割りをするかの様に素手で鎧を貫き心臓をえぐり取る。 何事も無かった用に死体に腰をかけ、 えぐり取った心臓をリンゴを食べる様に食す。
「お腹すいてきた」
「いい店紹介するから一緒にランチしよ?」
パストがシルバーにそう聞くとシルバーは頷く。 パストが心臓を食べ終えると2人はその場を去る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます