第25話関雷雨本部襲撃
ここは関雷雨の本部。 外見は緑化した古城だが中は綺麗で清潔な水が出ていて電気も通っている。 外部の人間は怖がって近づかないが時々古城の調査の依頼を受けた冒険者が消息不明となっている。 その古城に12名の武装した男女の冒険者が訪れた。 男女比は6:6で重装備の鎧を着た者やシスター、 魔法使い、 格闘家、 軽装備の者だった。
「変なのが来たね…」
中から
「カカオさんお客さん?」
関雷雨の服装をしている低身長で白髪ロングの女が後ろから出てきた。
「違うみたい…」
「おーい何してるの?」
後ろから腰の後ろにマチェットを携えたクルミがやってくる。
「どうしようあれ」
カカオはクルミにそう言う。
「殺せばいいんじゃない?」
クルミがそう言うと白髪の女も頷く。
「行ってくる」
カカオが出ていくとクルミは白髪の女に「動けるメンバーを連れて来て」と小声でそう言う。 すると白髪の女は走ってメンバーの元に向かった。
「大丈夫かな?」
クルミは心配そうな表情をする。
「こんな時間になんの用ですか?」
カカオが冒険者達にそう聞くと冒険者達は戦闘態勢に入る。
「きさま…関雷雨だな!」
重装備の鎧を着た冒険者がそう言うとカカオは一瞬で間合いを詰め蹴りでその冒険者の首を撥ね飛ばした。
「めんどくさ…でもチャカとドスを使う必要は無いな…」
カカオはダルそうな表情で別の重装備の冒険者の頭を釵で貫き、 釵を持ったまま思いっきり頭を回して首をへし折りカッコよく着地し釵を抜く。 釵を抜いた瞬間頭からピュルルと血液が出てきて、 冒険者はそのまま横に倒れた。
「おいずるいぞ!」
クルミが勢いよく飛んできて近くに居た冒険者をマチェットで三枚おろしにした。
「あら早かったかしら?」
カカオはとぼけているような表情で首を傾げる。
「おのれ!」
一人の格闘家の女がカカオに殴りかかろうとしたが白髪の女に腕を掴まれてしまい、 そのまま腕を引き千切られてしまった。 千切られた腕は筋肉繊維が剝きだしていて血液がドバドバと出ていた。女はその場に倒れ断末魔を上げた。
「お黙りなさい」
白髪の女はメスの様な黒い薙刀を取り出し、 頭を斜めにカットした。
「もっと殺しゅ」
「あ! ウールずるいオレにもやらせろ!」
クルミは一足先にシスターのお腹を貫き、 腸を取り出してモーニングスターみたいに振り回す。
「クルミさん見て見て!」
ウールは軽装の冒険者の鎖骨の間に指を四本入れ、 膝蹴りを腹に食らわせて風穴を開ける。 それだけでは飽き足らず、 指を抜いて発勁で顎から上を刎ね飛ばす。 刎ね飛ばされた頭はトマトの様に潰れ眼球や頭蓋骨、 脳みそが弾け出た。
「畜生!」
別の軽装の男冒険者が剣を使ってウールに襲い掛かったがウールは死体を投げつけて視界を逸らす。 男はそれを切ってウールを切りつけたが、 クルミが振り回している死体をぶつけられて、 死体と同時に体は飛散した。
「綿花お姉ちゃんに褒めてもらおっと!」
ウールはそう言うと奇声を上げる。
「まだ終わってねー!」
クルミがツッコミをいれる。
「そう言えばクルミさん一人称変えた?」
「いや変えてない」
「へぇー」
「二人とも集中しなさい!」
カカオは背後に回り、 敵の首を釵で掻っ切る。
「逃げるぞ!」
魔法使い二名とシスター一名が逃げ始めたが、 カカオが釵を投げて一人の魔法使いの脳天を貫き絶命させた。
「後はオレに任せろ!」
クルミが猛スピードで追いかけ始めた。
「ここは私が食い止めますだから貴女だけでも逃げてください!」
逃げていた魔法使いが急に止まり杖を構え始めた。 シスターは振り向かず必死に逃げたが足止めしていた魔法使いが魔法を使う暇もなくぶつ切りにされてしまった。
「面白くなってきた!」
クルミは笑み表情を浮かべながら追いかける。
「早く逃げないと…」
シスターは全速力で森を抜けて、 フルプレートの騎士が集まっているテントに向かう。
「誰か助け…」
シスターが大声で叫んだ瞬間、 クルミが宙に舞い、 一回転してシスターの首を刎ね飛ばす。
「どうした!?」
テントの方から槍と松明を持った6人の騎士がシスターの方に向かう。 騎士たちはシスターの死体を見ると震え始めた。
「お! こんなところに活きのいいのがいるっすね!」
暗闇から返り血を浴びたクルミが現れ、 シスターの頭をボリボリと食べながら騎士たちに迫りくる。
「この…化け物め!」
騎士たちは槍をクルミに襲い掛かったが、 槍が一瞬ですりおろされた。 クルミは一瞬で騎士たちの体をバラバラにした。 調子に乗ったクルミはテントに向かい他の騎士たちを掻っ捌いていった。 その際、 騎士たちは喉がつぶれる程の断末魔を上げながら死んでいった。
「面白いのが出てきたな…」
太刀を持ち大礼服を着服していて眼帯をしているが後ろから現れる。
「お前誰だよ!」
クルミが男にマチェットを向けると男は牙突をしてきた。 クルミは飛んでかわしかかとで男の頭を蹴ろうとしたが難なくかわされてしまった。
「なかなかやるではないか…小娘」
「うるせぇな!」
クルミと男が目にも止まらぬ速さで何度も剣を交える。 その際火花を散らし少し辺りを明るくした。 男は隙を見て横一文字を行い、 クルミの腹を裂くが、 傷口がグチュグチュといいながら再生していっている。
「ほう…」
男は手を止める。
「めんどくせえ!」
クルミは男に渾身の一撃をくらわそうとしたが急に打刀を携帯したスダチが現れクルミを止める。
「おいどういう事だ!」
クルミがスダチにキレる。
「もらった!」
男がクルミに切りかかろうとするもスダチが自身の打刀で攻撃を軽くいなす。
「帰れ…殺すぞ」
スダチが水色の殺気を放つ。
「ハイハイ…」
男は剣を納刀し瞬間移動をして帰って行った。
「何で逃がした!」
「水蠆ーからの伝言。 明日早いから早く寝ろって」
「でもあいつは!」
「襲撃犯たちは特定しているから先輩が何とかするって」
「納得いかねぇ!」
「今回は我慢しろ、 今度強そうなやつに出くわしたら連絡するから!」
「お前言ったからな!」
クルミはスダチに顔を近づける。
「さっきの奴普通に余でも倒せたからな」
「お前剣術だったらオレより強いだろ!」
二人は歩きながら本部に戻る。
その頃水蠆とアルファは円卓のある部屋で蝋燭一本立てて会話をしていた。
「そろそろここを離れた方がいいのでは?」
アルファが水蠆にそう提案する。
「あの国が亡んだら本部を甥っ子の村に移す予定だ…」
水蠆は疲れた様な態度をとる。
「ホロにもそう伝えときますね」
アルファは立ち上がり部屋から出ようとした。
「ところでアルファ…あの三人はもう向かったんだな」
水蠆がそう言うとアルファは止まり後ろを振り向く。
「とっくの前に潜伏させていますよ…」
「そうか…アルファあの三人に連絡を…」
「わかりました」
アルファは部屋を出ていくとトランシーバーをポケットから出した。
「黒百合、 白ユリ、
アルファは虚ろな表情でそう呟く。
「「「了解」」」
トランシーバーからそう聞こえるとアルファはトランシーバーをしまう。
「さて…寝るとしますか…」
アルファは眠たそうな表情を浮かべ自分の部屋に戻る。
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