第24話お休み
「ただいま! エ……メ……」
青龍は吐血した後、
「起きなさい!」
エメラルドは青龍にそう言いながら肩をポンポンと叩く。 すると、 青龍は身体を再生させた。
「おはよう」
青龍が起き上がりエメラルドを抱きしめ、 頭を撫でる。 エメラルドは笑顔で頷く。
「ねぇねぇ一緒にお風呂入ろ!」
エメラルドは青龍に顔を近づけてそう言うと青龍の顔を赤らめ焦り始めた。
「おーい蛇之、一緒に温泉入ろ!」
玄武が青龍を誘う。
「ダメ! お兄ちゃんは私と一緒に……」
「いいよ!」
青龍がそう返答するとエメラルドは虚ろな表情で「あ?」と言い青龍を見つめる。
「んじゃ
玄武は足早に去って行った。 玄武が去った事を確認するとエメラルドは青龍の胸ぐらを掴む。
「おいお前」
エメラルドは青龍に圧力をかけながら首を傾げ質問する。
「さっき入ったばっかりでしょ? 我慢しなさい!」
「やだヤダ‼」
エメラルドは駄々をこね、 泣き始めた。
「また明日ね」
「もー!」
エメラルドは頬を膨らますが、 青龍は気にせず豪邸の入り口に【転移】して、 玄武と合流する。
「お待たせ!」
「遅かったな! 何かあったの?」
玄武がそう聞くとエメラルドは犬の様に「ガルル」と威嚇する。 青龍はエメラルドを優しく下ろす。
「何もないよ早く行こう!」
青龍は足早に豪邸内に入る。
(蛇之……大変そうだな……)
玄武も豪邸の中に入って行った。
「明後日宴会するらしいけど何食べたい?」
青龍は玄武にそう聞く。
「寿司食いたい」
「魚か」
青龍は嬉しそうに軽く笑う。
「そういえばあの2人誰?」
青龍は玄武にそう聞く。
「滅ぼした国の住人」
「へぇー」
「てか温泉ってどこだよ!」
「通りすぎてるよー」
「え?」
青龍は足を止め振り向くと玄武が「ここだよ」と指を指す。 玄武が指を指した場所は木製の引き戸に、 白字で男湯と書かれている青色の暖簾が吊り下げられている。
「女湯は?」
「そこの通路を右に曲がると女湯だよ~蛇之お前行くなよ」
玄武は青龍をじーと見つめる。
「行きたいけど行けねーよ」
青龍はしれーと行こうとしている。
「いや行こうとするなよ!」
玄武がツッコミを入れると青龍はつまんなそうな顔をして玄武の所に向かった。
「じゃあエメまた後で!」
青龍がエメラルドを降ろすと奥の方からドレスの少女が走って来て玄武に抱き着いた。
「亀ちゃん!」
「どうしたの?」
玄武が少女の頭を撫でる。
「一緒にお風呂入ろ!」
少女がそう言うと玄武は険しい表情をする。
「また今度ね……」
玄武は少女を降ろして青龍を連れて行った。 後から、 エメラルドがやってきた。
「カメキチアゲナイ!」
「ヘビユキアゲナイ!」
「「喧嘩するな早く入れ!!」」
エメラルドと少女が言い争っていたので青龍と玄武が注意をする。
「「ハーイ…」」
2人は女湯の方に向かって行った。
「俺も行きたかったな~」
青龍がそう言うと玄武は青龍の頭を軽く叩き男湯に連れ行った。
「やっと休める……」
玄武はため息をついて服を脱ぐ。
「そんなに疲れたのか?」
青龍が服を脱ぎながらそう聞く。
「色々と大変だったよ気候が変わったり、 敵国滅ぼしたり……」
「あーそう」
青龍が下着を脱いで腰にタオルを巻くと玄武が下半身を見つめる。
「なぁお前のアレ見せろよ! 」
「はぁ? バカ!」
青龍と玄武が取っ組み合いをする。
「俺のも見せるから…」
「え?」
「同じくらいだね」
「だな……てか早く入るぞ」
2人は引き戸を開け辺りを見つめる。 公衆浴場は露天風呂の様になっていて濃い湯けむりが立っていて奥の方は見えない、 竹で作られた仕切りがあって女湯は見られない。 端の方にシャワーがいくつかあってそこで青龍と玄武は体を洗う。
「此処サウナある?」
玄武は体を洗いながらそう質問する。
「あるよ~」
青龍は髪の毛を洗いながらそう返答した。
「亀吉、 あの子達の名前何て言うの?」
青龍は玄武にそう聞く。
「アクーラ」
玄武はそう言うと髪を洗いだした。
「へぇーじゃあもう一人は?」
「ラレス」
「変わった名前だな~」
青龍は髪を洗い終え、 湯船に浸かる。 後から、 洗い終えた玄武も湯船に入る。
「ラレス~髪洗ってあげる!」
アクーラがラレスの髪を洗う音が聞こえる。
「自分で洗える!」
「サウナはいる~」
エメラルドがサウナに入る音が聞こえた。
「俺らもそろそろ入るか!」
青龍がそう提案すると、 2人は湯から出てサウナに入る。
「あれ……ここ水風呂ある?」
玄武が青龍にそう聞く。
「あっ……ないかも」
青龍がそう答えると、 2人は焦りだす。
「とりま2分ぐらい待つか!」
青龍は楽観的だった。 2分ぐらいすると2人はサウナから出てを水風呂を探す。 まさかの水風呂はサウナの隣にあった。 しかも、 水風呂の隣には和風な立て看板が立っていた。 看板には「サウナから出た後は必ず体を洗ってから入れ。 洗わず入った奴はこの温泉出禁」と書かれていた。 それを見た2人はシャワーで汗を流し、 水風呂に飛び込んだ。
「めっちゃ気持ちいい~」
青龍がプカプカと浮かんでいた。
「よし! 次は外気浴だ!」
玄武は水風呂から上がる。 水風呂の奥にサマーベッドが5つあり、 涼しい風が吹いていた。2人はそこで寝転ぶ。
「あ~整った」
「時間があったらもう1セット行きたかったな~」
玄武は少し残念そうだった。
「明日早いかも……」
「大丈夫だろ?」
2人はくつろいで温泉から出た。 その後、 玄武は浴衣に着替えるが、 青龍は持って来ていなかった。
「あっやべ、 浴衣持ってねぇ」
「蛇之~替えの下着と浴衣渡すの忘れてた」
後ろから浴衣を持ったが麒麟が青龍に話しかけ、 下着と浴衣を渡す。 すぐさま、 下着を穿いて、 浴衣を着る。
「ありがとな!」
「ついでにこれ」
麒麟は青龍に20万円を渡す。 そのお金で近くにあったコーヒー牛乳を購入、 それを開けて飲む。
「俺もさっそく……」
玄武もコーヒー牛乳を購入してその場で飲み始める。 その間に麒麟は風呂に入る。
「風呂上がりのコーヒー牛乳うますぎだろ!」
「そうだね~」
「そろそろ出るか」
2人はコーヒー牛乳を飲み終え、 自分の部屋に戻った。
「あ~疲れた」
青龍は床に就こうとしたが、 浴衣を着たエメラルドがダイブして来た。
「ちょっとエメちゃん!」
「う~ん大好き」
エメラルドが青龍を抱きしめる。
「はいはいありがとう……」
「
「はーい大好きですよ」
青龍はエメラルドを優しく抱きしめた。
「蛇之~」
玄武が青龍の部屋を訪れた。
「どうした?」
青龍はドアを開ける。
「飲み物買いに行こうぜ!」
「いいぜ!エメちゃんも行こう!」
青龍がグットサインをすると、 3人は飲み物を買いに行く。
「おーいお前ら~」
麒麟が3人に話しかける。
「竜馬じゃん! どうした?」
「蛇之~飲み物奢って~」
「仕方ないな~」
青龍はお金を取り出す。
「てか、 ここ売店あるの?」
青龍が麒麟にそう聞く。
「あるよ~大浴場の隣に」
「あったんだ……」
青龍は少し落ち込む。 それから4人は話しながら売店へと向かった。
「竜馬、 ここに飲食店ある? 」
玄武が麒麟にそう聞く。
「エントランスを曲がった先にあるよ、今は閉まっているけど」
麒麟は真顔でそう言う。
「お兄ちゃん!」
浴衣を着たルキナがそう言いながら青龍に近づいた。
「はいはいどうしたんですか? 」
青龍は首を傾げる。
「あれ買って」
ルキナは売店にあるお酒に指を指す。
「ダメです」
「おい蛇之!」
大浴場から浴衣を着た智和が出てきた。
「蛇之! ビール奢ってくれ!」
「何でお前まで酒を?」
「焼肉奢ってあげたのに?」
「いやそうじゃなくて、 お前いくつだよ?」
「11歳!」
「はいダメです! ジュースにしなさい!」
「ねぇ」
浴衣を着た白虎と朱雀が青龍に近寄る。
「飲み物奢って」
白虎が真顔でそう言う。
「ヤダ!」
「昼飯を奢った」
「はい……わかりました」
「おい、 私にも奢れ」
朱雀が青龍にそう言う。
「病院代ですか?」
「そうです」
「終わった」
青龍は絶望した表情で顔を上に向ける。
「わかったよ! 今日は俺の奢りだ! その代わり酒は奢らんぞ!」
青龍は大声でそう言うと、 その場に居た全員、 歓喜を上げる。 売店で水を購入。 もちろん代金は青龍が払った。購入した後、 全員自分の部屋に戻る。 ルキナとルナが青龍の部屋に入り床に就き、 アクーラとラレスが玄武の部屋に入り床に就く。
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