第16話嵐の前の静けさ
会議室での一件が終わり、 青龍と智和は麒麟から3万円を貰い、 とある飲食店に向かった。 その飲食店の中はチェーン店の焼肉屋みたいだった。
「やっぱ焼肉だな!」
智和は少し興奮している。
「焼肉なんだ……」
「蛇之、 お前何食べたい?」
智和は青龍にメニュー表を見せながらそう聞いた。
「あーコーラと桜ユッケと牛タンお願い」
青龍はボーとしていた。
「ライスは?」
「大で」
「すみません! ライス大と桜ユッケと牛タン二人前お願いします! 」
智和は大声で店員に伝えると、 奥の方から「はーい! 」と言う声が聞こえた。 それと同時に青地にアサガオが描かれていて袖なしのワンピースを着たルキナが思いっきり店のドアを開けた。
「お兄ちゃん! 見っけ!」
ルキナは青龍に指を指した。
「ルキナちゃんお姉ちゃん達と食べるんじゃなかったの?」
青龍は首を傾げた。
「お姉ちゃんにお兄ちゃんが浮気してないか見て来いって言われたから」
ルキナは頬を膨らました。
(浮気しねぇよ……)
青龍は心の中で引いていた。
「一緒に食べるか?」
智和がルキナにそう聞くと、 ルキナは頷いた。
「と言うか寒くないの?」
青龍はルキナにそう聞いた。
「全然」
ルキナはそう返答して椅子に座った。
「お待たせしました! 桜ユッケと牛タン二人前です!」
店員は笑顔で料理を持ってきた。 その際、 店員にルキナの事を伝えた。
「ねぇねぇソーセージとパンお願い! 」
ルキナが店員に向かってそう言うと店員はせっせと厨房に向かった。
「ルキナ、 パンは無いよ」
青龍が優しく伝える。
「えー」
ルキナが嫌そうな表所を浮かべた。
「えーじゃないのよ」
智和がルキナにツッコミを入れると同時に、 青龍がユッケを口の中に入れて食べる。
「お兄ちゃんそれ食べさせて!」
ルキナがユッケの入っている皿に指を指した。 青龍は軽く頷いた。
「これの使い方これで合ってる?」
ルキナが手に持った箸を動かして智和にそう聞いた。
「合ってるよ~」
智和は軽く返事をした。 ルキナは青龍のユッケを食べた。
「外人にしては箸の使い方うまいな」
青龍はそう呟き、 焼けた牛タンを取って食べた。
「私手先器用だから!」
ルキナは調子に乗っていた。
「お待たせしましたソーセージです!」
店員がソーセージを置いた途端、 智和が手前の金網が乗っている焼肉器に牛タンとソーセージを乗せた。
「ねぇねぇ2人のステータス見せて!」
ルキナは水晶玉を【転移】させポンと触りステータス画面を見せた。画面にこう書かれている。
♪♪♪
ルキナ=アンタイル 種類:生物型核兵器
メインスキル:
ファイル名:バハムート 種族:法撃種 属性:火
攻撃力 D
防御力 B
体力 S
速度 S
再生力 S
総合評価 A 単独で国家を滅ぼせる。
♪♪♪
「いや凄いな!」
驚く智和。
「お前のはどうなの?」
青龍が智和にそう聞いた。
「俺のはこれだ! 」
智和は水晶玉に触れ、 ステータス画面を見せた。 画面にはこう書かれている。
♪♪♪
徳川智和 種類:生物型核兵器
メインスキル: 祟り火 人魂と呼ばれる青い熱エネルギーを自由に扱え攻撃もしくはサポートに回せる。 人魂は自身が殺した人間の数だけ獲得できる。 人魂を使用した場合、 その魂は天に召される。
ファイル名:空亡 種族:捕食種 属性:火
攻撃力 S
防御力 D
体力 B
速度 S
再生力 S
総合評価 A 単独で国家を滅ぼせる。
♪♪♪
「思ってた以上に強くて草」
「ソーセージいただきます!」
ルキナがソーセージ口にした。 それを見た二人は微妙な表情になった。 その頃、 エメラルド達はレストランで食事をしていた。 彼女らがいるレストランは綺麗で、 風通しもよく、 オシャレなベランダもあった。
「猫ちゃんはお兄ちゃんとどのような関係?」
エメラルドが白虎にそう尋ねた。
「ただの幼馴染よ……」
白虎はフォークで生ハムを刺し、 口に入れる。
「エメちゃんは何であいつの事好きなの?」
朱雀がエメラルドにそう聞く。
「優しいし頼りになるから~」
エメラルドは照れながらそう言う。
「ええ……」
白虎は動揺していた。
「スズ~あいつどうなったの?」
リネンが朱雀にそう聞いた。
「蛇之が殺した」
朱雀はそう言うと、 水を飲む。
2人が言うあいつとは、 彼女らが居た世界で数々の犯罪を犯した男だ。 例えば、 エメラルドの家族が日本に遊びに来た時、 エメラルドの両親を車で潰し、 玄武と白虎の両親をひき殺した。 最悪な事に犯人は政治家の息子だったため無罪となり事件後も反省せず悪行を働く。その後は朱雀とコットン、リネンを誘拐して富裕層の男に高値で売りさばき、 麒麟の義両親を殺害。 その後、 青龍の家族の葬式に機関銃を手にして乱入し、 青龍とスタッフ1名と親戚2名を除いて、 機関銃で殺害した。
最悪な事に、 これらすべての事件が不起訴となる。 その後、 青龍に何度も何度もパイプ椅子で殴られ死亡。 それから青龍は指名手配犯となり苦しい思いをした。
「あいつさえいなければ桜と綿花は死ななかった……この世界に来てたら弱火でじっくり焼き殺してやる……」
朱雀は橙色の殺気を放つ。 その殺気が強すぎたため、 朱雀の近くにいた純粋な村人が殺気に耐えれず気絶した。
「スズちゃん落ち着いて!」
コットン必死に朱雀を慰める。
「まぁ姿は違えど再開はできたんだし」
リネンはサクランボを口に放り込んだ。
「まぁ2人が男に転生してたらこの炎で火炙りにしてたけど」
朱雀は右手に虹色の炎出現させ、 虚ろな表情で2人を見つめた。
「ストップ!!!」
コットンは必死に首を振る。
「やめんか!!!」
リネンは必死に止める。
「てかここの料理おいしいね」
コットンが一切れのパンを美味しそうに食べる。
「ね!」
朱雀は炎を消し、 右手でフォーク握り、 ラムチョップを強く刺し、 口に運ぶ。
「そんなに怒らないの!」
白虎が朱雀を注意する。
「代金渡すのでお部屋に戻るね~」
エメラルドは白虎に代金を渡し、 その場を去った。
「はーいまたねー」
白虎はエメラルドを見送ると悲しそうな態度を浮かべる。
「どうしたの猫都……」
朱雀が白虎に寄り添う。
「振られた」
白虎は少し悲しそうな顔をした。
「いいじゃん! あの子
「お兄ちゃん!」
エメラルドの歓声が聞こえた。 次の瞬間、 4人はベランダを覗き込んだ。 そこには、 青龍と智和とルキナが居た。
「あらエメちゃんこんなところに」
青龍はエメラルドを抱き抱える。
「臭い」
エメラルドがそう言うと、 青龍は深く落ち組む。
「焼肉行ったからね~」
ルキナが自分の服を嗅ぐ。
「嗅ぐな!」
智和がツッコミを入れる。
「雀、 やれ」
白虎が朱雀に命令する。
「メス!」
朱雀が手の平を上に向けるとリネンがナイフを渡す。 次の刹那、 朱雀が青龍に投げつける。 そのナイフが青龍の頭に命中した。
「オイこらナイフ投げんな」
青龍は刺さったナイフを抜き、 グチュグチュと音を立て、 傷口を塞いだ。
「猫都! エメちゃん抱っこする?」
青龍は白虎にそう言うと、 白虎は下りて、 エメラルドに抱き着いた。
「これ返す」
青龍はナイフを朱雀に投げる。 朱雀は上手く受け取った。
「んじゃお先に、 エメちゃん帰るよ」
青龍がそう言うと、 エメラルドは白虎から離れた。 それから、 青龍、 エメラルド、 ルキナは歩きながら帰って行った。
「たくよ……」
智和がそう言いながら朱雀の方を見ると、 朱雀が首でお前も行けと合図をした。 その頃、 3人は部屋に戻り、 くつろごうとしたが、 青龍の鎌やルキナの銃がベッドの上に置かれていた。
「片付けるから先風呂入っといて……」
青龍はめんどくさそうに鎌と銃を安全な場所に置いた。
「3人で風呂入ろう!」
ルキナが青龍にそう提案する。 エメラルドは涙もろそうに青龍を眺めた。
「仕方ないな……」
青龍はめんどくさそうにそう言う。
「エメちゃん元の姿に戻りなさい」
青龍がそう言うと、 エメラルドは子供の姿に戻った。 それを確認した青龍も子供の姿に戻る。
「よーし入るぞ!」
青龍が楽しそうに先に入り、 後から2人も入る。 そのころ、 麒麟はある準備をしていた。
「こいつらをどう配置しようかな~」
麒麟は朱雀、 白虎、 青龍、 エメラルドのステータス画面を見ていた。 朱雀、白虎、エメラルドのステータス画面はこう書かれていた。
♪♪♪
赤藤 雀 種類:生物型核兵器
メインスキル:輪廻転生 特定の条件でしか死ねない。
サブスキル:快楽の火災 このスキルを発生させた時、 特定のエリアから四十度ぐらいの熱が発生しエリア外に出た生物全てに快楽を感じさせ、 自然発火する。 この炎は伝染するが炎は1日で消滅する。
ファイル名:朱雀 種目:法撃種 属性:火
攻撃力 D
防御力 S
体力 S
速度 S
再生力 B
総合評価 A 単独で国家を滅ぼせる。
♪♪♪
♪♪♪
白樺 猫都 種類:生物型核兵器
メインスキル:輪廻転生 特定の条件でしか死ねない。
サブスキル:悲嘆の雷害 特定のエリアに電波を発生させ、 悲嘆させる。 悲嘆した者の脳に強力な電流が流れ、 脳の機能を永遠に停止させる。
ファイル名:白虎 種目:好戦種 属性:金
攻撃力 S
防御力 S
体力 B
速度 S
再生力 D
総合評価 A 単独で国家を滅ぼせる。
♪♪♪
♪♪♪
エメラルド・メイデンヘアー・ツリー・ボア 種類:生物型核兵器
メインスキル:輪廻転生 特定の条件でしか死ねない。
サブスキル:現在不明
ファイル名:姦姦蛇螺 種目:究極種 属性:金
攻撃力 S
防御力 S
体力 S
速度 S
再生力 S
総合評価 S 単独で人間を絶滅に追いやれる。
♪♪♪
「朱雀は俺の近くに置こう…白虎と青龍とエメラルドは敵本陣を潰して…ルキナに…」
麒麟は笑いながら何かを着々と進めていた。
その頃エメラルド達は浴室から出て寝る準備をしていた。 青龍はベッドでスヤスヤと寝ている。
「ねぇねぇお姉ちゃん」
ルキナがエメラルドに髪を乾かされながらそう聞く。
「どうしたの?」
「何でお兄ちゃんの事好きなの?」
「優しいし、 面倒見がいいからかな?」
エメラルドは恥ずかしそうにそう言う。
「私、 男より女の子の方が好きだから……お兄ちゃんお姉ちゃんにあげる!」
ルキナがそう言うと、 エメラルドはクスっと笑う。
「はいは~い!」
エメラルドは少し嬉しそうだった。
「はいできた!」
エメラルドがそう言うとルキナは洗面所から出てベッドにダイブした。
「こら~もう!」
エメラルドは洗面所の扉を開けて、 頬を膨らませながらルキナを怒るが少しすると微笑む。
「眠たい…」
エメラルドがそう言って洗面所に戻るととある異変に気づいた。
「何これ」
エメラルドの目から黒いコンタクトの様な膜が剥がれ落ちた。 その膜はまるで、 蛇の脱け殻の様だった。 目玉は白目の無い真っ黒な色から白目のある美しい青色へと変わった。 その目を見たエメラルドは泣き出した。
「I'm finally free ...... from that curse.」
エメラルドは泣き崩れた。
(明日お兄ちゃんを驚かせよ! )
エメラルドは歯磨きを終わらせ幸せそうに眠りについた。
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