第16話嵐の前の静けさ
会議室での一件が終わり青龍と智和はとある飲食店に行っていた。 その飲食店の中は日本特有の居酒屋のようで、 珍しい事に焼き肉機が置いてあった。
「この居酒屋焼肉もできるし、 注文すれば焼き鳥だって出てくるんだぜ! 」
智和は少し興奮している。
「へぇー」
「蛇之。 お前何食べたい? 」
智和は青龍にメニュー表を見せながらそう聞いた。
「あーコーラと桜ユッケと牛タンお願い」
青龍はボーとしていた。
「ライスは?」
「大で」
「すみません! ライス大と桜ユッケと牛タン二人前お願いします! 」
智和は大声で店員に伝えると、 奥の方から「はーい! 」と言う声が聞こえた。 それと同時に青地にアサガオが描かれていて袖なしのワンピースを着たルキナが思いっきり店のドアを開けた。
「お兄ちゃん! 見っけ! 」
ルキナは青龍に指を指した。
「どうしたエメ達と飯食べてるんじゃあ…」
青龍は首を傾げた。
「お姉ちゃんにお兄ちゃんが浮気してないか見て来いって言われたから」
ルキナは頬を膨らました。
「一緒に食べるか? 」
智和がルキナにそう聞くと、 ルキナは頷いた。
「と言うか寒くないの? 」
青龍はルキナにそう聞いた。
「全然」
ルキナはそう返答して椅子に座った。
「お待たせしました! 桜ユッケと牛タン二人前です! 」
店員は笑顔で料理を持ってきた。
「ねぇねぇビールとソーセージとパンお願い! 」
ルキナが店員に向かってそう言うと店員はせっせと厨房に向かった。
「ルキナ! 酒はダメだろ! 」
青龍がツッコミを入れる。
「えー」
ルキナが嫌そうな表所を浮かべた。 なぜなら、 ルキナの世界線では子供でもお酒が飲める様だ。
「えーじゃねーだろ! 」
智和がルキナにツッコミを入れると同時に、 青龍がユッケを口の中に入れて食べる。
「お兄ちゃんそれ食べさせて! 」
ルキナがユッケの入っている皿に指を指した。 青龍は軽く頷いた。
「これの使い方これで合ってる? 」
ルキナが手に持った箸を動かして智和にそう聞いた。
「合ってるよ…」
智和は少し呆れていた。 ルキナは青龍のユッケを食べた。
「にしては箸の使い方うまいな! 」
青龍が驚く。
「私手先器用だから! 」
ルキナは調子に乗っていた。
「お待たせしましたビールとソーセージです! 」
店員がビールとソーセージを置いた途端、 智和が手前の金網が乗っている焼肉器に牛タンとソーセージを乗せた。
「ねぇねぇ二人のステータス見せて! 」
ルキナはそう言うと、 水晶玉を転移させポンと触りステータス画面を見せた。画面にこう書かれている。
♪♪♪
ルキナ=アンタイル 種類:生物型核兵器
メインスキル:
ファイル名:バハムート 種族:法撃種 属性:火
攻撃力 D
防御力 B
体力 S
速度 S
再生力 S
総合評価 A 単独で国家を滅ぼせる。
♪♪♪
「いや凄いな! 」
驚く智和。
「お前のはどうなの? 」
青龍が智和にそう聞いた。
「俺のはこれだ! 」
智和は水晶玉に触れ、 ステータス画面を見せた。 画面にはこう書かれている。
♪♪♪
徳川智和 種類:生物型核兵器
メインスキル: 祟り火 人魂を自由に扱え、 攻撃もしくはサポートに回せる。 殺した数だけ人魂が増える。 人魂を使用した場合お気に入り以外は天に召される。
ファイル名:空亡 種族:捕食種 品種:ドラゴン 属性:火
攻撃力 S
防御力 D
体力 B
速度 S
再生力 S
総合評価 A 単独で国家を滅ぼせる。
♪♪♪
「意外と強いな! 」
驚く青龍。
「ソーセージいただきます! 」
ルキナがソーセージ口にし、 ビールで流し込んだ。 それを見た二人は微妙な表情になった。 その頃、 エメラルド達はレストランで食事をしていた。 彼女らがいるレストランは綺麗で、 風通しもよく、 ベランダもあった。
「猫さんはお兄ちゃんとどのような関係? 」
エメラルドが白虎にそうたずねた。
「ただの幼馴染よ…」
白虎はそう言うと、 フォークで生ハムを刺し口に入れた。
「エメちゃんは何であいつの事好きなの? 」
朱雀がエメラルドにそう聞く。
「お兄ちゃんが仇討ちをしてくれたの! 」
エメラルドは照れながらそう言う。
「もしかしてあいつの被害者? 」
白虎は驚いた。 白虎が言うあいつとは彼女らが居た世界に居た時の話でエメラルドの家族が日本に遊びに来た時、 エメラルドの両親を車で潰し。
玄武の両親を面白半分でひき殺し白虎の恩人を殴り殺した張本人である。 最悪な事に犯人は政治家の息子だったため無罪となり事件後も反省せず悪行を働く。
例えば、 朱雀と朱雀の友達二名を誘拐してデブでメガネをかけた男に高値で売りさばき、 麒麟の両親を殺害。 その後青龍の家族の葬式に機関銃を持って乱入し、 青龍とスタッフ一名と親戚二名以外の人間を機関銃で殺害した。
何故かすべての事件が無罪判決となる。 その後、 青龍に何度も何度もパイプ椅子で殴られ死亡。 それから青龍は指名手配犯となり苦しい思いをした。
「あいつさえいなければ桜と綿花は死ななかった…この世界に来てたら弱火でじっくり焼き殺してやる…」
朱雀はオレンジ色の殺気を放つ、 朱雀の近くにいた純粋な村人が殺気に耐えれず気絶した。
「スズちゃん落ち着いて! 」
コットン必死に朱雀を慰める。
「まぁ姿は違えど再開はできたんだし、 そう焦る事はないよ」
リネンはサクランボを食べながらそう言う。
「まぁ二人が男に転生してたら手持ち花火で火炙りにしてる…」
朱雀は一瞬だけ虚ろな表情をした。
「落ち着いて! 」
コットンは必死に首を振る。
「やめんか! 」
リネンは必死に止める。
「てかここの料理おいしいね」
コットンが一切れのパンを美味しそうに食べる。
「ね! 」
朱雀はフォークでラムチョップを刺し、 口に運ぶ。
「代金渡すのでお部屋に戻るね~」
エメラルドは白虎に代金を渡し、 その場を去った。
「はーいまたねー」
白虎はエメラルドを見送ると悲しそうな態度を浮かべる。
「どうしたの猫都…」
朱雀が白虎に寄り添う。
「振られた…」
白虎は少し悲しそうな顔をした。
「いいじゃん! あの子
「もうお兄ちゃん! ルキナに何飲ませたの! 」
エメラルドの怒鳴る声が聞こえた。 朱雀と白虎がエメラルドの所に向かった。 そこには酔ったルキナを担いでいる青龍と智和が居た。
「ルキナの奴がビール頼みだすから! 」
青龍は焦りだす。
「何で止めなかったの!? 」
「お姉ちゃん怒らないのドイツでは日常茶飯事だぜ! 」
ルキナはグットサインをした。
「嘘つくな! 」
青龍がツッコミを入れる。
「お前未成年飲酒禁止法って知ってるか!? 」
リネンもツッコミをいれる。
「もう! お部屋戻るよ! 」
エメラルドは青龍とルキナを連れて帰った。
「たくよ…」
智和がそう言いながら朱雀の方を見ると、 朱雀が首でお前も行けと合図をした。
「お部屋戻ったらルキナは寝なさい! 」
エメラルドは少し怒っていた。
「はーい」
ルキナは青龍の肩をバシバシと叩く。
「お兄ちゃん! 」
エメラルドが青龍に寄り添う。
「どうした? 」
「私子供欲しい! 」
エメラルドがそう言うと青龍は吹き出す。
「急にどうした?」
青龍が咳をしながらそう聞く。
「兄さんが浮気できないようにするためにね! 」
エメラルドは笑顔だったが内心怒っていた。
「まだ早いからもうちょい先に話そ!」
青龍はかなり焦っていた。
そうこうしているうちに三人は部屋に戻ると、 そこには青龍の鎌がベッドの上に置かれていた。
「片付けるから先風呂入っといて…」
青龍はめんどくさそうに鎌を安全な場所に置いた。
「三人で風呂入ろう!」
ルキナが青龍にそう提案する。 エメラルドは涙もろそうに青龍を眺めた。
「仕方ないな…」
青龍はめんどくさそうにそう言う。
青龍達が浴室で体を洗っている中、 麒麟はある準備をしていた。
「こいつらをどう配置しようか…」
麒麟は朱雀、 白虎、 青龍、 エメラルドのステータス画面を見ていた。 朱雀、白虎、エメラルドのステータス画面にはこう書かれていた。
♪♪♪
赤藤 雀 種類:生物型核兵器
メインスキル:輪廻転生 特定の条件でしか死ねない。
サブスキル:快楽の火災 このスキルを発生させた時、 特定のエリアから四十度ぐらいの熱が発生しエリア外に出た生物全てに快楽を感じさせ自然発火させる。 この炎は伝染するが炎は一日で消滅する。
ファイル名:朱雀 種目:法撃種 属性:火
攻撃力 D
防御力 S
体力 S
速度 S
再生力 B
総合評価 A 単独で国家を滅ぼせる。
♪♪♪
♪♪♪
白樺 猫都 種類:生物型核兵器
メインスキル:輪廻転生 特定の条件でしか死ねない。
サブスキル:悲嘆の雷害 特定のエリアに電波を発生させ、 悲嘆させる。 悲嘆した者の脳に強力な電流が流れ、 脳の機能を永遠に停止させる。
ファイル名:白虎 種目:好戦種 属性:金
攻撃力 S
防御力 S
体力 B
速度 S
再生力 D
総合評価 A 単独で国家を滅ぼせる。
♪♪♪
♪♪♪
エメラルド・メイデンヘアー・ツリー・ボア 種類:生物型核兵器
メインスキル:輪廻転生 特定の条件でしか死ねない。
サブスキル:現在不明
ファイル名:姦姦蛇螺 種目:究極種 属性:金
攻撃力 S
防御力 S
体力 S
速度 S
再生力 S
総合評価 S 単独で人間を絶滅に追いやれる。
♪♪♪
「朱雀は俺の近くに置こう…白虎と青龍とエメラルドは敵本陣を潰して…ルキナに…」
麒麟は笑いながら何かを着々と進めていた。
その頃エメラルド達は浴室から出て寝る準備をしていた。 青龍はベッドでスヤスヤと寝ている。
「ねぇねぇお姉ちゃん…」
ルキナがエメラルドに髪を乾かされながらそう聞く。
「どうしたの? 」
「何でお兄ちゃんの事好きなの? 」
「うーん恥ずかしいから教えない! 」
エメラルドは恥ずかしそうにそう言う。
「私、 男より女の子の方が好きだから…お兄ちゃんお姉ちゃんにあげる! 」
ルキナがそう言うと、 エメラルドはクスっと笑う。
「お兄ちゃんはとっくの前から私のものだよ~」
エメラルドは少し嬉しそうだった。
「はいできた! 」
エメラルドがそう言うとルキナは洗面所から出てベッドにダイブした。
「こら~」
エメラルドは洗面所の扉を開けて、 頬を膨らませながらルキナを怒るが少しすると微笑む。
「眠たい…」
エメラルドがそう言って洗面所に戻るととある異変に気づいた。
「何これ…」
エメラルドの目から黒いコンタクトの様な膜が剥がれ落ちた、 目玉は真っ黒な色から美しい青色に変わっていた。 そのうえ、 白目もある。 その目を見たエメラルドは泣き出した。
「やっと呪いから解放された…」
エメラルドは泣き崩れた。
(明日お兄ちゃんを驚かせよ! )
エメラルドはすぐさま歯磨きを終わらせ眠りについた。
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