第15話自身の首を絞める者
その頃トラウト王国は戦争の準備をしていた。 麒麟達はまだその事に気づいていない。
王は王宮の広間の椅子に座り数人の兵士達と作戦を練っていた。
「伝令! デュース隊長とフェンリル隊長が戦死しました」
1人の兵士が王に跪き、 そう言った。
「そうか……下がれ」
王はため息をついたと同時に報告に来た兵士はどこかに行った。
「最悪だ……我が国が保有するデータファイルを1つ失ってしまった……」
王は頭を下げ、 額に手を当て嘆いた。
「いかがなさいますか?」
近くにいた黒い装甲を纏った兵士が王にそう質問する。
「出陣する……今すぐ行くぞ……」
王は立ち上がり数人の兵士達と共に部屋を出た。
「私の近くに
「全兵士を戦場に持っていけばよろしいのでしょうか? 」
1人の兵士が王にそう問う。
「いや……何人か残していく……」
「陛下……関雷雨の討伐軍の方は準備が整いました」
アサシン服を着た男が突然現れて王の耳元で囁く。
「わかった……明日の朝からそちのほうは出陣じゃ、 そう伝えよ……」
王がそう言うとアサシン服の男は突然消えた。
「陛下こちらです」
奥の方から大臣らしき男が王を案内した。
「うむご苦労」
男が案内した場所には大きな扉があった、 王はその扉を開けた。
「いつ見てもこの光景は素晴らしい」
王が見た物は、 広場で多くの兵士が何列にも並んでいる様子だった。
「諸君! 今宵は戦争だ!」
王が演説すると、 兵士達は雄叫びを上げ始めた。
(見てろよ他国のクズども……俺がこの世界を支配する様を……)
王は悪そうな笑みを浮かべた。
その頃アサシンの男は討伐軍と連絡を取った後、 関雷雨の調査をし始めた。
「ラックス隊長と連絡が取れない……何か嫌な予感が……」
アサシンの男は小声でそう言った瞬間、 何かの気配に気づく。
(しまった油断した!)
男は後ろを振り向く、 すると釣りのルアーが勢いよく男の心臓を貫きその心臓を抉り取り持って行った。 光の反射でシルエットしか見えなかったが男を殺したのはツインテールの女だった。 その女は抉り取った心臓を針から外し、 丸呑みにした。 彼女も関雷雨のメンバーなのだろうか。
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