第14話データファイル

 その頃麒麟はルキナを連れて、 智和達の所に戻った。


「待った!? 」


 麒麟が軽い雰囲気で会議室に入って来た。


「おせーよ!! 」


 智和は怒っていた。


「悪い悪い」


「遅すぎて親父寝てしまったじゃねーか!! 」


 智和がジェスチャーをしながら怒っていた。


「うーん」


 何故かルキナが悩んでいた。


「嬢ちゃんどうした?」


 智和が笑顔で近寄った。


「おじちゃん不審者のホモだ! 」


 ルキナが指を指してそう言うと、 智和はキレる。


「誰が不審者のホモじゃゴラ! どんな教育受けてんだゴラ! それに俺はまだ十一歳だよ! 」


 智和はルキナに頭グリグリをする。


「ごめんなさ~い」


 ルキナは叫びながら謝った。


「反省しなさい! 」


 智和はゆっくりルキナを降ろした。


「お前ほんとに11歳? 」


 麒麟が智和にそう聞いた。


「ああ、 俺も親父もデータファイルだからな、 こうして姿を変えられる」


 智和はそう返答した。


(俺の知り合いデータファイル多すぎだろ)


 麒麟は少し悩んだ。


「へぇーお前もか?」


「もしかしてお前もか!? 」


 智和は自分の趣味が合ったかの様な態度をとった。


「そうみたい、 知らない事が頭の中に入ってるから」


 麒麟はのほほんとした態度をとった。


「俺もそんな感じ」


(ホントか?)


 麒麟はニヤリと笑う。


「麒麟さん! そのデータファイルって何? 」


 ルキナが首を傾げた。


「生物兵器に感染した人間」


「それじゃ私たち子供作れないの? 」


 虚ろな表情で麒麟を見つめた。


「それは流石に無い」


 麒麟はルキナの頭を撫でた。


「嘘だろ! 」


 智和がツッコミを入れる。


「言うて子供にはあまり影響がないらしい」


「なーんだ気にした俺が馬鹿だった」


 智和は虚ろな表情で上を見た。


「と言うかお前慶喜で合ってる? 」


「それ俺の親父だよ! 人の話聞いて無かったのか!? 」


「悪かったな! 」


 麒麟は軽く笑った。


「というかお前本名何て言うの? 」


 智和が麒麟に聞いたと同時に会議室のドアからノック音が聞こえた。


「誰だ?」


 麒麟がドアを開けた。 そこには変わった仮面を被った男が立っていた。 男の特徴は関雷雨の服を着服していて髪の色は黒色、 髪型は麒麟と同じだった。 麒麟はドアを閉めた。


「誰かいたよね? 」


 ルキナが智和にそう聞いた。


「確かにいたよな…」


 智和はルキナにそう返答した。


「いないだろ! 」


 麒麟は再度ドアを開けた、 まだ仮面の男が居たが隣に関雷雨の服を着服しており、 六芒星ヘキサグラムが描かれた魔女の帽子を被って眼鏡をかけた女も居た。女の服装は男と同じだった。 再度麒麟はドアを閉めた。


「君名前は? 」


 智和は小声でルキナにそう言った。


「ルキナ=アンタイル! 9歳です! 」


 ルキナは大声でそう言った。


(次でラストにしよ…)


 麒麟は再度ドアを開けたら仮面の男と眼鏡の女とパストがせんべいを食べていて。 朱雀は青龍の胸ぐらを掴んでいて、 白虎が手でエメラルドの目を塞いでいた。


「情報量多すぎだろ! てかお前らいつ来た! 」


 麒麟はツッコミを入れた。


「さっき」


 青龍が死にそうな声でそう言った。


「嘘つけ! さっきそこの二人しかいなかったぞ! 」


 麒麟はツッコミを入れる。


「気づいてんじゃねーか!!」


 智和はツッコミを入れた。


「よ! 久しぶりだな…麒桜 麟戸…いや黄楡きにれ 竜馬の方がいいかな? 」


 仮面の男がそう言うと、 麒麟は男に近寄った。 すると眼鏡の女とパストが戦闘態勢に入った。


「よせ…アルファ、 パスト…こいつは二度も親殺されてんだ…まあその一人は俺のクソ姉貴なんだけどね~」


 仮面の男がそう言うと二人は元の状態に戻った。 メガネを掛けている女はアルファと言う。


「お前…誰だ…」


 麒麟は殺気を放った。


「あースッキリした! 」


 コットンがそう言いながらこちらに来ると朱雀が左手を横に出し「しーっ」と合図を送った。 するとコットンはその場に立ち止まった。


「水蠆…いや水郷 蠆昭と言えばわかるか? 」


「え? 誰? 」


 麒麟はすっとぼけていた。


「は!? 覚えてないのか俺の事?」


 水蠆は焦った。


「知り合いに居た? 」


 麒麟は首を傾げる。


「俺、 お前の叔父ぞ! 何なら正月お年玉上げたぞ! 」


 水蠆は衝撃の事実を口にした。 するとアルファはクスッと笑い顔を下に向けた。


「何円だっけ?」


「二万円」


「嘘つけ! 俺の叔父貴そんな貧乏じゃ無かったぞ! 」


 麒麟はツッコミを入れた。


「多い方だと思うぞ!」


「というか叔父貴そんな感じだっけ?」


 麒麟がすっとぼける。


「因みにどんな人? 」


 エメラルドが麒麟にそう聞いた。


「アホ」


 麒麟は呆れた態度をとった。


「誰がアホじゃ! 」


 水蠆はツッコミを入れる。


「うーん」


 エメラルドは悩む。


「確かにおっちゃん頭いいけど馬鹿だろ! 」


 青龍は馬鹿にした様な顔で指を指しながらそう言った。


「喧嘩売ってんのか!? 」


「何でもいいけど中入れよ」


 麒麟がそう言うと、 水蠆は普通に入って行った。


「お前ら何でぼーとしてるの? 」


 麒麟が全員にそう聞いた。


「お前のせいだよ! 」


 青龍がツッコミを入れる。


「とりあえず会議室入れよ! 」


 麒麟がそう言うと、 麒麟以外は重い空気で入り椅子に座る。


「おいどうしたお前ら! 」


 水蠆がふざけた態度をとった。


「そうだよ~どうしたお前ら? 」


 麒麟もふざけた態度をとった。


「「「「いやテメェのせいだよ!!! 」」」」


 青龍、 朱雀、 白虎、 アルファがツッコミを入れる。


「竜馬…どうして俺らをここに? 」


 智和が麒麟にそう聞いた。


「集まってた方がいいだろそれに頼みがある」


 麒麟は軽く笑いそう言った。


「頼み? 」


 エメラルドが首を傾げる。


「珍しいな!? 」


 青龍は麒麟にそう聞いた。


「とりあえず俺たちは青い世界を作る! それと敵は徹底的に潰す」


 麒麟は意気込んでいた。


「青い世界か…まぁお前には色々世話になったから手伝うよ」


 青龍は真剣な表情を浮かべた。


「お前作り方知ってんのか?」


 水蠆は険しい態度をとった。


「母親の本で見たから大丈夫だが、 いつまで続くかわからない」


 麒麟は険しい表情を浮かべた。


「まぁ他よりマシだからな~特に共産主義や社会主義の様なデストピアよりは」


 水蠆は面倒くさそうな態度をする。


「まぁうちは基本自由だからね~」


 アルファが気楽そうに話す。


「そのせいで俺と酒井とおろちんがお前らにボコられてるからな~」


 水蠆は上を向く。


「おーい水蠆ースダチと交代して来たよ~」


 リネンが会議室に入って来た。


「お! 麻衣ちゃんおかえりー」


 コットンが椅子から勢い良く立ち上がる。


「白鯨どうだった?」


 水蠆がそう質問するとリネンは嫌そうな顔で激しく首を振る。


「まぁ相性悪かったし仕方ない」


「話脱線しますけど拠点ここに移しません? ついでに組織名の変更も」


 パストが水蠆に話しかける。


「拠点は移すだが名前は変えない」


「ダッセー名前つけやがって! 」


 パストが顔をしかめる。


「ダッセー!」


「ダッセー!」


「ダッセー!」


 アルファ、 リネン、コットンの順に水蠆ー罵倒する。


あおいとかどう?」


 水蠆がアルファとパストに質問する。


「前よりマシ」


 アルファが顔をしかめる。


「前よりマシになった」


 パストも顔をしかめる。


「関雷雨のメンバーは戦力とか大丈夫なの? 」


 智和が水蠆にそう言うと水蠆はクスっと笑った。


「頭脳と戦力面では問題ないが…ほとんど頭おかしい奴しかいない。 そのうえ、 虫取って来て食わせようとするやつがいるが毎回ボコられてる。」


 水蠆が冷や汗をかく。


「ちなみに頭おかしい奴とまともな奴どっちが多い?」


 麒麟が面白げにそう聞く。


「頭のおかしい奴、 何なら最高幹部全員ヤバイし」


 水蠆がそう言うとパストとアルファが無言で圧力をかける。


「まともな人は何人いるの?」


 ルキナが水蠆にそう聞く。


「俺と酒井と大蛇」


「おろちんマシな方なのですか? 虫取ってきますけど」


 アルファが深刻そうな顔をする。


「お前よりマシ」


 水蠆がそう言うとアルファが表所を変え指をポキポキと鳴らす。


「ケモ耳いるの?」


 青龍が水蠆にそう聞くとエメラルドが青龍に圧力をかける。


兎人バニー羊人ゴートンとケンタウロスとかいるけど、 滅多にケモ耳出さない。 なんならそこのコットンは羊人ゴートンでリネンはケンタウロスだからな!」


「どうして」


 朱雀がコットンとリネンにそう聞く。


「今、 使い物にならない」


 リネンがそう返答する。


「ねえ水蠆ーこいつら面識ある?」


 パストは袋を三つ手元に転移させ、 中に入っている生首を水蠆に見せる。


「誰だこいつら知らねー」


 水蠆がそう言うと、 パストはその生首を使ってお手玉をし始めた。


「ねぇねぇ何で胸無いの?」


 エメラルドがそう聞くと、アルファは水色の殺気を放つ。


「Shut up Bricus! 」


 アルファはブちぎれる。

 

「どうしてそうなった! 」


 水蠆はツッコミを入れる。


「what? envy?」


 エメラルドがアルファを挑発すると二人は起立し互いに顔を近づける。


「Shut up! I'll kill you!」


 アルファがそう言った瞬間、 エメラルドがアルファを殴りつける。


「Fuck you! 」


 エメラルドがそう言うと、 アルファがエメラルドを殴り返すと、 二人は喧嘩を始めた。


「後、 マリーナ法皇国には気をつけろよ」


 水蠆は落ち着いた口調でそう言う。


「マリーナ? 」


 麒麟は水蠆にそう聞いた。


「マリーナ法皇国…この島から北西に位置する島だ、 あの島の連中はデータファイルを嫌っているが、 何故かガイドストーンを保有している…それに俺ら関雷雨を敵視している」


「まあどの道マリーナとの衝突は避けられないな! 」


 智和が俯いた。


「どうして? 」


 青龍が智和にそう聞いた。


「俺がマリーナの聖騎士クルセイダーを一人殺した」


「結局どの道避けられないな…でどうする竜馬? 」


 水蠆がため息をついた。


「無論潰すに決まってんだろ、 俺がそんなに脅えて何もしないと思うか? 」


 麒麟がそう言うと水蠆はクスっと笑った。


(母に似だな…)


 水蠆はクスっと笑った。


「マリーナ法皇国の にだけは気をつけろ…あいつはたった一人でデータファイルを殺したからな」


 深刻な表情で忠告する水蠆。


「わかった…」


(葛籠菜…どこかで聞いたような…)


 麒麟は頭を悩ませた。


「てかお前データファイルって知ってる? 」


 水蠆は麒麟にそう聞いた。


「知ってるよ、 人間をベースに作られた核兵器だろ? 」


 麒麟は首を傾げた。


「大体は合ってる、 じゃあファイル名と使用遺伝子データベースは? 」


「何それ知らない」


「種類は? 」


「知らない」


「竜馬! お前あんまりわかってねーじゃねーか!! 」


 水蠆はツッコミを入れた。


「知るかそんな事! こちとらさっき来たばっかりぞ! 」


 麒麟はツッコミを入れた。


「まぁいい…アルファ例の水晶持ってる…おいアルファ! 」


 水蠆がアルファを呼ぶが、 エメラルドと喧嘩中だ。


「ちょっとエメちゃんやめなさい! 」


 青龍がエメラルドを押さえパストがアルファを押さえる。


「エメちゃん謝りなさい! 」


「NO! 」


「ノーじゃないのよ…」


 青龍がエメラルドを叱る。


「アルちゃんやめなさい」


 パストがアルファを叱る。


「ぐぬぬ…」


 アルファは悔しそうな顔を浮かべる。


「「sorry…」」


 二人は互いに謝り和解すると、 青龍とパストは放すと四人は椅子に座る。


「アルちゃん水晶渡しなさい」


 水蠆がそう言うとアルファは水晶玉を水蠆に投げつけた。


「危ないな!」


 水蠆がそう言うと水晶を机の上に置く。


「何だ人殴り殺す鈍器じゃねーか」


 麒麟が呆れた態度をとる。


「ちげーよ!」


 水蠆がツッコミを入れる。


「ただの水晶?」


 青龍が突っつくとステータス画面の様な物が現れた。 ステータス画面にはこう書かれていた。


 ♪♪♪


 名前:青柳 蛇之 種族:生物型核兵器データファイル


 メインスキル:輪廻転生 特定の条件でしか死ねない。


 サブスキル:憎悪の疫病 特定のエリアに脳の機能を阻害する空気感染のウイルスをばら撒く。 そのウイルスに感染した人間は脳の機能が崩壊し、 言語障害、 知能の低下、 感情と衝動が抑えられなくなる。 そのうえ、 エリア内の目に映った全てに憎悪、 怒り、 殺意を抱き、 対象を殺害する。 エリア内の人間が全滅するとウイルスは全て自動的に死に至る。


 ファイル名:青龍 種類:捕食種 属性:木


 使用遺伝子データベース:キングコブラ アロサウルス


 攻撃力 S

 防御力 D 

 体力 B

 速度 S

 再生力 S


 総合評価 A 単独で国家を滅ぼせる。


 ♪♪♪


 ステータスはレーダーチャート式になっている。


 端に技と説明が書かれていた。 


「ここゲームの世界じゃねーよな? 」


 青龍は麒麟にそう聞いた。


「当たり前だろ、 まぁ1つ貰っとく」


 麒麟は真顔でそう言うと、 水晶を1つ増やした。


「どうやって増やした! 」


 水蠆はツッコミを入れる。


「へびゆきで合ってる? 」


 水蠆は青龍に声をかける。


「あってるよ~どしたの? 」


「黄色のリンク押してみ」


 水蠆がそう言うと青龍は黄色で”説明”と書かれたリンクページを開いた。 そのページにはこう書かれていた。


 *+*


 説明


 わからない事があればこのページをご了承ください。


 ステータス:S,A,B,C,Dこの順にランク付けさせてもらいます。 Sが一番高く、 Dが一番低いです。


 総合評価のステータスはこの様にしております。

 S:単独で人類を絶滅に追いやれる。

 A:単独で国家を滅ぼせる。

 B:単独で街を滅ぼせる。

 C:単独で村を滅ぼせる。

 D:一般的。


 データファイルはAが多いので心配することはありません。


 パラメータ:自身の身体に関わる事です。


 攻撃力は高ければ高いほど肉弾戦や武器の扱いが得意になり、 更には物を壊しやすくなります。


 防御力は高ければ高いほど打撃系の攻撃による痛みを感じにくくさせます。


 体力は高ければ高いほど魔素が増え、 魔法の威力も上がります。


 速度は高ければ高いほど移動速度が早くなり最終的には視認出来ないほどの速さになります。


 再生力は高ければ高いほど切断系の攻撃による痛みを感じにくくさせ、 瞬時に再生します。


 魔素:食べ物から摂取できる、 この世界に存在する栄養素。 主に動物質の物や穀物、 野菜、 菌類から摂取できる。 魔素が尽きるとデータファイルは死に、 人間の場合は意識不明の重体となる。


 魔法:体内の魔素を変換して創造、 破壊、 再構築を行うことができる。 魔法の種類は何種類もあり、 そのうえ、 扱うには時間がかかる。


 転移:生物型核兵器データファイルしか使えない能力で、 自身や仲間が一度でも行った場所に行けるので便利だが、 気配でバレるので戦闘には不向き。


 稀に転移魔法を覚えた人間がいるが、 ほぼ異世界人である。


 種族

 この水晶でステータスを見れる種族は生物型核兵器データファイルと人間しかいません。 種族による恩恵もしくは特攻が発動してしまう。


 人間:男は攻撃力が高く女は体力と魔素量が多い。異世界から来たものは強い能力、スキルと膨大な魔素を持っているが生物型核兵器データファイルに狙われやすい。 亜人種も存在しますが、 人間と表記されます。


 生物型核兵器データファイル:人間を超えた存在。 生殖機能もあり、 肉体、 知能が異常に発達しており、 学んだこともない知識や前任者の記憶も引き継がれている。


 異常プリオンや病気への耐性が高い為食人が可能。 また、 高い放射線にも耐久があるので被曝しない。


 生物型核兵器データファイルには形態変化がある。 相手から攻撃を受けた際、 服も再生する。 しかし、 自身で破いたりした場合は服装は再生しない。


 人間体データ化:人間の姿

 怪物体ファイル化:怪物の姿


 属性: この世界には属性が存在します。人間には生まれ持った属性は無いが、 各国の図書館にある特定の魔法書から学べば獲得できます。魔法書の種類は5つであり、 火、水、土、金、木である。


 この魔法書を全て読破すれば、 5つの属性が扱える。しかし、生物型核兵器データファイル には特定の属性を持っており、 その属性しか扱えない。 だが、 究極種の様な例外はある。


 属性はメイン属性とサブ属性が存在します。 サブ属性は全ての属性に有効であるが会得率が低い。


 相性

 火属性は木属性と金属性に強く土属性と水属性に弱い。


 木属性は水属性と土属性に強く火属性と金属性に弱い。


 水属性は金属性と火属性に強く木属性と土属性に弱い。


 金属性は土属性と木属性に強く水属性と火属性に弱い。


 土属性は火属性と水属性に強く金属性と木属性に弱い。


 サブ属性

 火属性のサブは熱属性

 木属性のサブは毒属性

 水属性のサブは氷属性

 金属性のサブは雷属性

 土属性のサブは風属性


 その他の属性


 竜属性:別名破壊属性と呼ばれており。 この属性は一部のデータファイルもしくは、 高度な魔法を覚えた人間しか使えません。 この属性は破壊特化なので回復魔法はありません。


 光属性:闇属性の対になる属性で回復魔法が多い。


 闇属性:光属性の対になる属性で攻撃魔法が多い。


 無属性:竜属性同様、 破壊特化の属性。 しかし、 病気や怪我を無かった事にできる魔法がある。


 属性無し:通常攻撃(ファイル化した場合属性が着く)


 データファイルの種類と品種と殺害条件


 捕食種 速度・攻撃力・再生力が高いが防御力が低い。 殺害条件は心臓を貫く。


 好戦種 攻撃力・速度・体力が高いが再生力が低い。 殺害条件は首を撥ねる。


 法撃種 体力・速度・再生力もしくは防御力が高いが攻撃力が低い。殺害条件は心臓を貫くもしくは首を撥ねる。


 城壁種 再生力・防御力・体力が高いが速度が低い。 殺害条件は心臓を貫くもしくは首を撥ねる。


 究極種 全てが高く全ての属性攻撃が使えるがファイルによっては使えない事もある。 殺害条件はファイルによって変わる。


 *+*


「人間もこれなの? 」


 青龍は振り向いて水蠆にそう聞いた。


「人間も同じだ、 次はそこの青いリンクを押してみろ」


 水蠆がそう言うと青龍は青字で技と書かれているリンクページを押した。 そこにはこう書かれていた。


 *―*


 首狩り一閃 物理


 属性:竜 敵の首を撥ねた場合、 相手が所持していた魔素を摂取できる。


 腐食の茨 物理


 属性:木・毒 手の指を茨の生えた蔦に変え、 敵に刺す。 刺された敵の体内に強力な腐食性毒物を流し込み、 内側から細胞を壊死させ栄養を吸いつくす。 吸いつくされた敵は湿り気のある土の様な物になり、 堆肥にも使える。


 竜尾鉄槌 物理


 属性:木・竜 破壊特化の技で敵の小さい部位を破壊する際にオススメ


 狩りをする竜ハンティングドラゴン 物理


 属性:木・竜


 自身の肉体を特定の食虫植物にする事が可能で大型の対象も捕食が可能となる。 因みに、 使用者によって植物の形状が変わる。


 意思疎通 特殊


 属性:無し 自分が使用している武器を変幻自在に操れる。


 *-*


「なぁこのredlistレッドリストって書いてる場所って何? 」


 青龍は振り向いて水蠆にそう聞いた。


「ファイル化の時使用できる技」


「へー」


「叔父貴、 複製作りすぎた」


 麒麟が割り込んだ。


「オメー何しとんねん! まぁいい全員に渡してやれ」


 水蠆がツッコミを入れる。


「悪い、 手伝って」


「は!? 」


 再度水蠆がツッコミを入れた後、 麒麟と水蠆は全員に水晶を配った。


「てかお前は水晶いじらなくてもいいのか? 」


「水晶の能力取得したから大丈夫! それに…全員の属性とファイル名とベース個体を把握した」


 麒麟は生意気な態度をとった。


「お前言ってる事とやってる事が無茶苦茶だ! 」


 水蠆は麒麟に指を指しながらそう言った。


「ちなみに俺の言ってみ」


 水蠆は興味津々に聞いた。


「口で説明するのめんどいからこれでいい? 」


  麒麟は水蠆のステータス画面を表示し水蠆に見せた。


  ♪♪♪


  名前:水郷 蠆昭 種族:生物型核兵器データファイル


  メインスキル:幻龍眼 幻影や先読みが使える。 取り外しが可能。


  ファイル名:クトゥルフ 種類:究極種 属性:水


  使用遺伝子データベース:ミズダコ ヒト グリーンイグアナ インドオオコウモリ オニヤンマ


  攻撃力 S

  防御力 S

  体力 S

  速度 S

  再生力 S


  総合評価 S 単独で人間を絶滅に追いやれる


  ♪♪♪


「意外と強いな」


 麒麟が水蠆に向かってそう言う。


「喧嘩売ってんのか!」


 水蠆はツッコミを入れる。


「なあオッサン、 必殺技って消せるの?」


 青龍が水晶を触りながらそう言った。 それを聞いたアルファは失笑した。


「普通に変えれるぞ」


「ホイホイ」


「アルファお前さっき笑ったろ」


 水蠆がアルファに近づいた。 するとアルファがヘッドロックを行い、 無言で五回頭を殴った。


「次やったら呼びますよ」


 アルファは圧力をかける。


「やめてくれアルファその発言は俺に効く」


 水蠆は焦った。 それと同時にコットンが叫びだした。


「妹にお土産買ってくるの忘れた」


「まだ時間あるからいいだろ!」


 リネンがツッコミを入れる。


「転移で妹連れて来い」


 水蠆はグッドサインを出した。


「叔父貴~この水晶情報足りねーか?」


 麒麟がボソッと呟いた。


「お前もそう思うか? 何か情報が足りないんだよなー」


「アップデートできるらしいですが…まだ方法が見つかって無くて」


 アルファが退屈そうな表情を浮かべる。


「人間の死体でアプデできたりして」


 パストがサラッとそう言う。


「まさかな~」


 水蠆が退屈そうな表情する。 それと同時に慶喜が目を覚ます。


「お久しぶりですな、 蠆昭殿…」


 慶喜は眠たそうにそう言った。


「お久しぶりだな、 爺さん…元気そうで何よりだ…って何で寝てたんだよ! 」


「そちらの方は順調ですか? 」


「ええ。 食糧と資金は何とかなりましたが、 データファイルがまだ…」


 水蠆は自分の頭を擦る。


「そうですか…わかりました」


「爺さんはこれからどうするんだ? 」


「私はここに残ろうと思います…」


「どうして?」


 麒麟が割り込んだ。


「ここならゆっくりできそうですから」


 慶喜が上をゆっくりと見上げる。


「親父あんた…まだ20代前半だろ…」


 智和が呆れた表情を浮かべる。


「この姿が一番落ち着くので…」


「何かあったパターンだな」


 水蠆がボソッと呟く。


「叔父貴、 ここ案内しようか? 」


 竜馬が水蠆にそう言う。


「どうした急に?」


「案内した方が後々楽になりそうだから」


「お前未来予知使っただろ! 」


 水蠆は調子に乗る。


「初日から発動させてる。 何ならこの世界に来なかったら青龍が闇墜ちしてた」


 麒麟がそう言うと青龍が振り向く。


「案内よろしく」


 水蠆と麒麟が会議室から出た。


「あっごめんこれ渡すの忘れてた」


 麒麟が再び会議室に入ってきてエメラルドにハーフフィンガーを渡した。


「なんですかコレ? 」


 エメラルドがハーフフィンガーを装着して、 青龍に見せた。


「ねぇねぇ似合ってる? 」


「似合ってる似合ってる…」


  青龍が面倒くさそうにそう言うと白虎が青龍に圧をかけた。


「ちなみにそれワイヤー出せるよ~後、 使い方次第では自由自在に操れる」


 麒麟がそう言うと、 エメラルドは首を傾げる。


「どこから?」


 エメラルドがそう言うと麒麟はフィンガーについているある小さく黒いでっぱりに指を指す。 よく見るとそのでっぱりは鋭く尖っており、 アンカーの様な形になっている。


「後これも」


 麒麟はエメラルドに黒いガウチョパンツと黒色のベルスリーブブラウスと黒いレディースのシューズを渡した。


「ありがとう! お兄ちゃん着替えさせて」


 エメラルドが青龍に近づくと白虎と朱雀がエメラルドを連れて行った。


「お前…妹いたのかよ! 」


 智和がツッコミを入れる。


「いるよ…ヤバいのが二人」


 青龍がぐったりとした。


「さっきの子ともう一人は?」


「そこ」


 青龍がルキナに指を指した。 するとルキナが振り返った。


「チンチン! 」


 ルキナは無表情でそう言う。


「やかましいわ! 」


 智和はツッコミを入れる。


「まぁクセの強い奴らばかりだからよろしく〜」


 青龍がそう言っている間に、 エメラルドが忍び足でやって来て後ろから自分の血液が入った注射器を青龍の心臓に突き刺し注入した。 すると、 青龍は痙攣を発症し口から泡を吐き出した。 エメラルドはその隙に青龍の血管に注射器を突き刺し採取して自身の心臓に突き刺し注入した。


(こいつが一番怖え〜)


 智和はガタガタと震えた。


「何があったの? 」


 青龍は智和にそう聞いた。


「お前の妹が…」


 智和が立った今、 何が起きたのか話そうとしたが、 エメラルドが智和に赤黒い殺気を放つ。


「何もしてない! 」


 智和が冷や汗をかきながらそう言うと、 青龍は首を傾げた。


「誤魔化せてないよ」


 アルファはひっそりと呟く。


「ドンマイ」


 パストはクスクスと笑いながら呟く。


「蛇之! 飯食いに行くぞ、 着いてこい! 」


 智和が少し大きな声をあげる


「良いよ〜 」


 青龍は緩い感じでそう言う。


「私も行きたい! 」


 エメラルドが便乗した。


「今回は我慢してくれ…」


 青龍はエメラルドを止めた。 すると青龍は苦しそうな表情で心臓を抑え始めた。


「お前は私の所有物なんだから私の言う事だけ聞いてればいいの」


 エメラルドは笑顔で青龍の顔に近づいた。


「お兄ちゃん! ロリコン変態狂なんだから夜道歩いちゃダメでしょ! 」


 ルキナが追い打ちをかける。


「どうしてそうなった! 」


 青龍がツッコミを入れる。


「安心しろ俺がついているから! 」


 智和が青龍の肩を抑えた。


「智和さんゲイでしょ? 」


 さらにルキナが追い打ちをかける。


「ちげーよ! れっきとした女好きだよ! 」


 智和はツッコミを入れる。


「智和…俺も亀吉も竜馬も女好きだから…」


 青龍と智和は握手をした。


「そうはならんやろ!」


 パストが小声でツッコミを入れる。


「お兄ちゃんどいて! そいつ殺せない! 」


 エメラルドが怒りのあまり智和を殺害しよとしている。


「エメ落ち着け! 」


  必死に止める青龍。


「エメちゃん私たちと一緒に行こうね! 」


  白虎も止め始めた。


「はぁ…また今度な! 」


  青龍はエメラルドの額にキスをした。 するとエメラルドが怒りを抑えたが、 白虎が虚ろな表情で青龍を見つめる。


「綿花、 一緒にご飯食べない? 」


  朱雀がコットンを誘う。


「麻衣ちゃんも誘っていいなら行くよ! 」


  コットンは笑顔でそう言う。


「二人はどうするの? 」


  青龍がパストとアルファにそう聞く。


「仕事も終わったし過去と二人で食べに行きます~」


 アルファは緩い感じにそう言う。


「金銭面大丈夫? 」


 智和がアルファにそう聞く。


「結構あるから大丈夫! 本部にはいいのがね…」


 アルファは冷や汗をかく。


「虫しかないからホロちゃん、 ブチギレておろちんボコボコにして家出しちゃったからね~」


 パストは呆れた態度をとる。


「一応連絡は取ってるから大丈夫」


 アルファはグットサインをする。


「おろちんの事一番ボコってんのパスト先輩なんですけどね~」


 コットンがしれっと呟く。


((怖いなぁ…))


  青龍と智和はそう思った。


「じゃあお先に~」


  青龍がそう言って会議室から出ようとした瞬間、 白虎が素手で青龍の首をへし折った。


「おい大丈夫か!? 」


  智和が焦った。


「へーき」


  青龍は自分の首を元に戻した。


「相変わらずだな~」


  青龍は少し呆れていた。


「はよ行け」


  白虎は笑顔でそう返答した。


「行こうぜ智和」


  青龍が手招きして智和と一緒に会議室から出た。


「今更だけど麻衣、 久しぶり! 」


「いや今更かよ! 」


 リネンは朱雀にツッコミを入れる。


「麻衣、 胸無いね男?」


「んなわけあるか! 」


「スズちゃんおっぱいでかいからね~」


 コットンが煽る様にそう言うと、 リネンが頭を叩く。


「胸大きいと肩こるからね~」


 朱雀がそう言うと、 リネンは朱雀を睨み付ける。


「あーむかつく」


 アルファがそう言うとエメラルドがアルファの帽子を取り、 頭を撫でる。 ちなみにアルファは青髪のお団子ヘアーであり、ヘアゴムの飾りが六芒星である 。


「時間無いから早く行こう! 」


 パストがそう言うとその場に居た全員は会議室を退出した。


 彼女らはまだ知らないこの先、 多くの人々を殺す事を。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る