第14話データファイル

 その頃麒麟はルキナを連れて智和達の所に戻った。


「待った!?」


 麒麟が軽い雰囲気で会議室に入って来た。


「おせーよ!!」


 智和は怒っていた。


「悪い悪い」


「遅すぎて親父寝てしまったじゃねーか!!」


 智和が慶喜に指を指しながら怒っていた。


「うーん」


 何故かルキナが悩んでいた。


「嬢ちゃんどうしたの?」


 智和が笑顔で近寄った。


「おじちゃん不審者のホモだ!」


 ルキナが指を指してそう言うと、 智和はキレる。


「誰が不審者のホモじゃゴラ! どんな教育受けてんだゴラ! それに俺はまだ11歳だよ! 」


 智和はルキナに頭グリグリをする。


「ごめんなさ~い!」


 ルキナは叫びながら謝った。


「反省しなさい!」


 智和はゆっくりルキナを降ろした。


「お前ほんとに11歳?」


 麒麟が智和にそう聞いた。


「ああ俺も親父も生物型核兵器データファイルだからな、 こうして姿を変えられる」


 智和はそう返答した。


(俺の知り合い生物型核兵器データファイル多すぎだろ)


 麒麟は上を向き、 顎に親指と人差し指を軽く置いた。


「へぇー俺も生物型核兵器データファイル


「もしかしてお前もか!?」


「そうみたい、 や習った事の無い知識が頭の中に入ってるから~」


 麒麟はのほほんとした態度をとった。


「まぁそんな感じか」


「麒麟くん! その生物型核兵器データファイルって何? 」


 ルキナが首を傾げた。


「怪物になれる人間」


「え!それじゃ私たち子供作れないの? 」


 虚ろな表情で麒麟を見つめた。


「大丈夫! 作れるよ」


 麒麟はルキナの頭を撫でた。


「それは本当です?」


「ソカウモナ!」


「クッソ信用できねぇ!」


「子供はできるけど、 生物型核兵器データファイル特有の能力は遺伝しないよ」


「あっ一応子供は作れるのね」


 智和はどうでも良さそうな表情を浮かべた。


「と言うかお前慶喜で合ってる?」


「それ俺の親父だよ! 人の話聞いて無かったのか!?」


「悪かったな」


 麒麟は軽く笑った。


「そういえば、 お前の名前って竜馬って言うんだ!」


「そうだよ」


 麒麟がそう答えたと同時に会議室のドアからノック音が聞こえた。


「誰だ?」


 麒麟がドアを開けた。 そこには変わった仮面を被った男が立っていた。 男の特徴は関雷雨の服を着服していて髪の色は黒色、 髪型は麒麟と同じだった。 麒麟はドアを閉めた。


「誰かいたよね?」


 ルキナが智和にそう聞いた。


「確かにいたよな……」


 智和はルキナにそう返答した。


「いないだろ!」


 麒麟は再度ドアを開けた、 まだ仮面の男が居たが隣に関雷雨の服を着服しており、 六芒星ヘキサグラムが描かれた魔女の帽子を被って眼鏡をかけた女も居た。女の服装は男と同じだった。 再度麒麟はドアを閉めた。


「君名前は? 」


 智和は小声でルキナにそう言った。


「私はルキナ=アンタイル! 9歳です! 」


 ルキナは大声でそう言った。


(次でラストにしよ……)


 麒麟は再度ドアを開けたら仮面の男と眼鏡の女とパストがせんべいを食べていて。 朱雀は青龍の胸ぐらを掴んでいて、 白虎が手でエメラルドの目を塞いでいた。


「情報量多すぎだろ! てかお前らいつ来た!」


 麒麟はツッコミを入れた。


「さっき」


 青龍が死にそうな声でそう言った。


「嘘つけ! さっきそこの2人しかいなかったぞ!」


 麒麟はツッコミを入れる。


「てぇめ! やっぱ気づいてんじゃねーか!!」


 智和は盛大なツッコミを入れた。


「よ! 久しぶりだな……麒桜 麟戸……いや黄楡きにれ 竜馬の方がいいかな? 」


 仮面の男がそう言うと麒麟は男に近寄った。 すると眼鏡の女とパストが戦闘態勢に入った。


「よせアルファ、 パスト……こいつは二度も親殺されてんだ……まあその1人は俺のクソ姉貴なんだけどね~」


 仮面の男がそう言うと2人は戦闘態勢を解除する。 メガネを掛けている女はアルファと言う。


「お前誰だ?」


 麒麟は首を傾げた。


「あースッキリした!」


 コットンがそう言いながらこちらに来ると朱雀が左手を横に出し「しーっ」と合図を送った。 するとコットンはその場に立ち止まった。


「水郷 蠆昭と言えばわかるか?」


 仮面の男は水郷 蠆昭と言い、 クルミが”やごー”と言っていた人物である。 因みに、 クルミが最初に呼び始め、 それが組織内で広まりそう呼ばれるようになった。 由来は水郷 蠆昭→水蠆→やごーとなっている。


「え? 誰?」


 麒麟はすっとぼけていた。


「は!? 覚えてないのか俺の事?」


 やごーは焦った。


「叔父貴そんな名前だっけ? 確か水桐 蛉みずきり れいじゃあ……」


 麒麟は首を傾げる。 その名前を聞いた瞬間、 やごーは麒麟の耳元で「その名前だけはやめてくれ」と呟いた。 それを聞いた麒麟はグッドサインをする。


「とりあえず中入れよ」


 麒麟がそう言うと、 やごーは普通に入って行った。


「お前ら何でぼーとしてるの?」


 麒麟が全員にそう聞いた。


「お前のせいだよ!」


 青龍がツッコミを入れる。


「時間がもったいないから入れ入れ!」


 麒麟がそう言うと、 麒麟以外は重い空気で入り椅子に座る。


「おいおい! そんな思い空気出すなよ~」


 やごーがふざけた態度をとった。 その様子を見たパストが指の関節を鳴らす。


「そうだよ~どうしたお前ら?」


 麒麟もふざけた態度をとった。


「「「「いやお前のせいだよ!!! 」」」」


 青龍、 朱雀、 白虎、 アルファがツッコミを入れる。


「竜馬本題に入ってくれ」


 智和が麒麟にそう言うと、 麒麟は真面目な態度をとる。


「せっかく叔父貴がいるし関雷雨と同盟を組みたい」


「はぁ!? そんな話聞いてねぇぞ!」


 やごーはアタフタするが、 パストが肘うちでやごーを鎮めた。


「急に叔父貴が現れたからさ~叔父貴、 関雷雨のメンバーだろ? だったら話が早いかな~と思って」


「メンバーと言うよりこの人創設者ですよ」


 アルファがしれっと呟くと麒麟と青龍は啞然とした。


「「え?」」


「え?じゃねぇよ!」


「同盟組んでもいいけど条件があるよ」


 パストが麒麟にそう伝える。


「条件って?」


 麒麟はパストにそう聞いた。


「この近くに関雷雨の拠点を置くのと、 この村全域を関雷雨のシマとする。 今のところはそれくらいかな?」


 パストがそう返答すると、 麒麟は上を向いた。


「いいよ~その代わり、 治安維持と、 戦争の参加を」


 麒麟がそう答えるとやごーは険しい態度をとった。


「治安維持はうちがやろう……だが、 戦争の参加はうちに粉かけて来た連中だけだ」


「はーい! 今のところ条件も飲めそうだし同盟を組みましょうか!」


 麒麟は楽観的な態度を取った。


「正式に組むのは明日からな、 あっそうだ時々この会議室使ってもいいか?」


「いいよ気に入ったの?」


「使い心地が良さそうだ」


 やごーはこの会議室が気に入ったようだ。


「おーい! やごースダチ先輩と交代して来たよ~」


 リネンが会議室に入って来た。


「お! 桜ちゃんおかえりー」


 コットンが椅子から勢い良く立ち上がる。


「白鯨どうだった?」


 やごーがそう質問するとリネンは嫌そうな顔で激しく首を振る。


「まぁウチと相性悪かった……クラブ先輩がなんとか……」


 リネンはガタガタと震えなが青ざめた。


「やごー組織名変えない?」


 パストがそう聞くと、 やごーはポカンとした。


「もう無理、 組織名全国に広まったから」


「ダッセー名前つけやがって!」


 パストが顔をしかめる。


「ダッセー!」


「ダッセー!」


「ダッセー!」


 アルファ、 リネン、コットンの順にやごーを罵倒する。


「そんなこと言うなよ!」


 やごーは泣き声でそう言う。


「関雷雨のメンバーは戦力とか大丈夫なの? 」


 智和がやごーにそう聞くとやごーはクスっと笑った。


「頭脳と戦力面では問題ないが……ほとんど頭おかしい奴しかいない。 そのうえ、 虫捕って来て食わせようとするやつがいる……まぁそいつ虫捕ってくるたびにパストにボコられてるんだけどね~」


 やごーが冷や汗をかく。


「ちなみに頭おかしい奴とまともな奴どっちが多い?」


 麒麟が面白げにそう聞く。


「頭のおかしい奴、 何なら最高幹部全員ヤバイし」


 やごーがそう言うとパストとアルファがクルっと振り向き無言で圧力をかける。


「まともな人は何人いるの?」


 ルキナがやごーにそう聞く。


「俺と酒井と大蛇おろち


「”おろちん”マシな方なのですか? 虫取ってきますけど」


 アルファが深刻そうな顔をする。 因みにおろちんは大蛇の愛称である。


「お前よりマシ」


 やごーがそう言うとアルファが表所を変え指の関節を鳴らす。


「亜人はいるの?」


 青龍がやごーにそう聞く。


兎人バニー羊人ゴートンとケンタウロスとかいるよ。 なんならそこのコットンは羊人ゴートンでリネンはケンタウロスだからな!」


「そうなの?」


 朱雀がコットンとリネンにそう聞く。


「そうだよ! 何か知らんけどケンタウロスに転生してたんだよ!」


 リネンが馬の様な耳と尻尾を生やした。 それを見た朱雀は目を光らせる。


「ねえやごーこいつら面識ある?」


 パストは袋を三つ手元に転移させ、 中に入っている生首をやごーに見せる。


「誰だこいつら知らねー」


 やごーがそう言うと、 パストはその生首を使ってお手玉をし始めた。


「ねぇねぇ何で胸無いの?」


 エメラルドがそう聞くと、アルファは水色の殺気を放つ。


「Shut up Bricus!」


 アルファはブちぎれる。

 

「どうしてそうなった!」


 やごーはツッコミを入れる。


「what? envy?」


 エメラルドがアルファを挑発すると2人は起立し互いに顔を近づける。


「Shut up! I'll kill you!」


 アルファがそう言った瞬間、 エメラルドがアルファを殴りつける。


「Fuck you! 」


 エメラルドがそう言うと、 アルファがエメラルドを殴り返すと、 2人は喧嘩を始めた。


「今のところ俺らにとって危険な国はある?」


 麒麟がやごーにそう質問する。


「今のところはマリーナ法皇国かな?」


 水蠆は落ち着いた口調でそう言う。


「マリーナ? 」


 麒麟はわからない国を説明されたため、 首を傾げる。


「マリーナ法皇国……この島から北西に位置する国だ。 あの国の連中は生物型核兵器データファイルを毛嫌いしているが、 何故かを保有している。 それに関雷雨うちとも仲が悪い……」


「まあどの道マリーナとの衝突は避けられないな……」


 智和が俯いた。


「どうして?」


 青龍が智和にそう聞いた。


「かなり前、 俺がマリーナの聖騎士クルセイダーを殺した」


「何人殺した?」


 やごーは智和にそう聞くと、 頭を抱えた。


「1人」


「なら大丈夫だ! 聖騎士クルセイダー1人ぐらい殺したぐらいであの国は動かない」


「いや俺が殺したのは聖盾エスカランテだ」


 智和のその発言を聞いたヤゴーは驚愕した。 聖盾エスカランテそれはマリーナ法皇国の聖騎士クルセイダーの上位職であり、 と呼ばれる姿を変える強化形態を有している。


「あー聖盾エスカランテはまずいな……下手すりゃ戦争だ! でどうする竜馬?」


 やごーがため息をつき、 頭に手を置く。


「無論戦争になれば潰す……ただそれだけだ」


 麒麟が断言する。


(たく……母に似だな……)


 やごーはクスっと笑った。


「マリーナ法皇国の にだけは気をつけろ……あいつは聖盾エスカランテの中でも一番強い……」


 深刻な表情で忠告するやごー。


「わかったよ……」


(葛籠菜純子……どこかで聞いたような……)


 麒麟は頭を悩ませた。 聞いた事のある名前に。


「話終わった?」


 朱雀がたい焼きが入った袋を持って入って来た。 会議室にいる女の子はたい焼きに群がった。


「お前! いつの間に!」


 麒麟が朱雀にそう聞く。


「あんたらが話しているときにコッソリ」


「えー」


「ついでに蛇之起こしたら?」


 朱雀がスヤスヤと寝ている青龍に指を指す。 すると、 パストが肘打ちで起こす。 青龍は過呼吸をしながら目覚めた。


「起きて」


 パストが青龍に圧力をかける。 その圧を感じ取った青龍は青ざめガタガタと震えた。 その様子を眺めながら白虎は猫の様にたい焼きを食べる。


「は……はい……」


「過去先輩! この人大蛇先輩じゃないですよ!」


 コットンがそう言うと、 パストは満面の笑みで振り返る。 パストの本名は”過去”と言いうが、 苗字はまだ明かされてない。


「ごめ~ん! 雰囲気似てるからつい!」


(おろちんこの場に居なくてよかったな~)


 やごーはホッと一息つき安堵した。


「今は停戦な」


 アルファがたい焼きを食べながらそう言うと、 エメラルドはたい焼きを食べながら頷く。


「てかお前生物型核兵器データファイルって知ってる?」


 やごーは麒麟にそう聞いた。


「知ってるよ~怪物になれる人間」


「ふん、 それだけか」


「悪かったな!」


 やごーが鼻で笑ったため麒麟が不満を零す。


「アルファ例の水晶持ってる……おいアルファ! 」


 水蠆がアルファを呼ぶが、 アルファはエメラルドと喧嘩を再開していた。


「ちょっとエメちゃんやめなさい!」


 青龍がエメラルドを押さえパストがアルファを押さえる。


「エメちゃん謝りなさい!」


「NO!」


「ノーじゃないのよ」


 青龍がエメラルドを叱る。


「アルちゃんやめなさい」


 パストがアルファを説得する。


「ぐぬぬ……」


 アルファは悔しそうな顔を浮かべる。


「「sorry……」」


 二人は互いに謝り和解すると、 青龍とパストは2人を放す。 それから、4人は椅子静かに座る。


「アルちゃん水晶渡しなさい」


 やごーがそう言うとアルファは水晶玉を水蠆に投げつけた。


「危ないな!」


 やごーはそう言うと水晶を机の上に置く。


「おい! これ人殴り殺す鈍器じゃねーか」


 麒麟が呆れた態度をとる。


「ちげーよ! そこまで世紀末になってたのか!」


 やごーが激しくツッコミを入れる。


「ただの水晶?」


 青龍が突っつくと空中ディスプレイの様にステータス画面の様な物が現れた。 そのステータス画面にはこう書かれていた。


 ♪♪♪


 名前:青柳 蛇之 種族:生物型核兵器データファイル


 メインスキル:輪廻転生 特定の条件でしか死ねない。


 サブスキル:憎悪の疫病 特定のエリアに脳機能を阻害する空気感染のウイルスをばら撒く。 そのウイルスに感染した者は言語障害、 知能と社会的認知、 恐怖心の低下、 感情と行動が制御できなくなる。 そのうえ、 感染者は目に映った人間に憎悪、 怒り、 殺意を抱き対象を殺害する。 要するに、 小さい村で村人が訳も分からず殺し合う。 というおぞましい現象を発生させる。 最悪な事にエリア内の感染率は脅威の100%。 感染者がエリア外に出ると、 ウイルスが脳と心臓と肺に集まり、 細胞の壊死を引きを越し宿主を確実に殺す。 幸いな事に、 このウイルスは人から人への感染はしない事とエリア内の感染者が絶滅するとウイルスは全て自動的に死滅する。


 ファイル名:青龍 種類:捕食種 属性:木


 使用遺伝子データベース:キングコブラ・アロサウルス


 攻撃力 S

 防御力 D 

 体力 B

 速度 S

 再生力 S


 総合評価 A 単独で国家を滅ぼせる。


 ♪♪♪


 ステータスはレーダーチャート式になっており、 端に技と説明が書かれていた。 


「ここゲームの世界じゃねーよな?」


 青龍は麒麟にそう聞いた。


「当たり前だろ! でもこの水晶面白いな! 1つ貰っとく」


 麒麟は真顔でそう言うと、 水晶を1つ増やした。


「どうやって増やした!」


 やごーがツッコミを入れる。


「へびゆきで合ってる? 」


 やごーは青龍に声をかける。


「あってるよ~どしたの?」


「黄色のリンク押してみ」


 やごーがそう言うと青龍は黄色で”説明”と書かれたリンクページを開いた。 そのページにはこう書かれていた。


 *+*


 説明


 わからない事があればこのページをご了承ください。


 ステータス:S,A,B,C,Dこの順にランク付けさせてもらいます。 Sが一番高く、 Dが一番低いです。


 総合評価のステータスはこの様にしております。

 S:単独で人類を絶滅に追いやれる。

 A:単独で国家を滅ぼせる。

 B:単独で街を滅ぼせる。

 C:単独で村を滅ぼせる。

 D:一般的。


 データファイルはAが多いので心配することはありません。


 パラメータ:自身の身体に関わる事です。


 攻撃力は高ければ高いほど肉弾戦や武器の扱いが得意になり、 更には物を壊しやすくなります。


 防御力は高ければ高いほど打撃系の攻撃による痛みを感じにくくさせます。


 体力は高ければ高いほど魔素が増え、 魔法の威力も上がります。


 速度は高ければ高いほど移動速度が早くなり最終的には視認出来ないほどの速さになります。


 再生力は高ければ高いほど切断系の攻撃による痛みを感じにくくさせ、 瞬時に再生します。


 魔素:食べ物から摂取できる、 この世界に存在する栄養素。 主に食事と同時に摂取できる。 魔素が尽きるとデータファイルは死に、 人間の場合は意識不明の重体となる。


 魔法:体内の魔素を別の物質に変換して創造、 破壊、 再構築を行うことができる。 魔法の種類は何種類もあり、 そのうえ、 扱うには時間がかかる。


 種族


 この水晶でステータスを見れる種族は生物型核兵器データファイルと人間しかいません。 種族による恩恵もしくは特攻が発動してしまう。


 人間:男は攻撃力が高く女は体力と魔素量が多い。異世界から来たものは強い能力、スキルと膨大な魔素を持っているが生物型核兵器データファイルに狙われやすい。 亜人種も存在しますが、 人間と表記されます。


 生物型核兵器データファイル:人間を兵器化させたもので、 別名怪物人間。 人間とほぼ変わらないが肉体、 知能が異常に発達しており、 学んだこともない知識や前任者の記憶も引き継がれている。 異常プリオンや病気への耐性が高い為食人が可能。 また、 高い放射線にも耐久があるので被曝しない。


 生物型核兵器データファイルには形態変化がある。 相手から攻撃を受けた際、 服も再生する。 しかし、 自身で破いたりした場合は服装は再生しない。


 人間体データ化:人間の姿

 怪物体ファイル化:怪物の姿


 属性


 この世界には属性が存在しており、 人間には生まれ持った属性は無いが、 各国の図書館や魔法学校、 本屋にある特定の魔法書から学べば獲得できます。魔法書の種類は5つであり、 火、水、土、金、木である。この魔法書を全て読破すれば、 5つの属性が扱える。しかし、 魔法にも合う合わないがあり、 自分が極めたい属性魔法を1つ決めて突き進まないと大変な事になる。 他にもオリジナルの技を作成することができる。


 残念ながら、 生物型核兵器データファイル には特定の属性を持っており、 その属性しか扱えない。 だが、 究極種の様な例外はある。


 属性はメイン属性とサブ属性が存在します。 サブ属性は全ての属性に有効であるが会得率が低い。


 相性


 火属性は木属性と金属性に強く土属性と水属性に弱い。


 木属性は水属性と土属性に強く火属性と金属性に弱い。


 水属性は金属性と火属性に強く木属性と土属性に弱い。


 金属性は土属性と木属性に強く水属性と火属性に弱い。


 土属性は火属性と水属性に強く金属性と木属性に弱い。


 サブ属性

 火属性のサブは熱属性

 木属性のサブは毒属性

 水属性のサブは氷属性

 金属性のサブは雷属性

 土属性のサブは風属性


 その他の属性


 竜属性:別名破壊属性と呼ばれており。 この属性は一部の生物型核兵器データファイルもしくは、 高度な魔法を覚えた人間しか使えません。 この属性は破壊特化なので回復魔法は存在しない。


 光属性:主に聖職者や聖騎士、 一部の生物型核兵器データファイルが扱える属性で闇属性の対。


 闇属性:一部の魔法使いや生物型核兵器データファイルが扱える属性で光属性の対。


 無属性:竜属性同様、 破壊特化の属性。 しかし、 病気や怪我を無かった事にできる魔法がある。 この属性は一部の生物型核兵器データファイルしか扱えない。


 属性無し:通常攻撃(ファイル化した場合属性が着く)


 データファイルの種類と品種と殺害条件


 捕食種 速度・攻撃力・再生力が高いが防御力が低い。 殺害条件は心臓を貫く。


 好戦種 攻撃力・速度・体力が高いが再生力が低い。 殺害条件は首を撥ねる。


 法撃種 体力・速度・再生力もしくは防御力が高いが攻撃力が低い。殺害条件は心臓を貫くもしくは首を撥ねる。


 城壁種 再生力・防御力・体力が高いが速度が低い。 殺害条件は心臓を貫くもしくは首を撥ねる。


 究極種 全てが高く、 全ての属性攻撃が使えるがファイルによっては使えない事もある。 殺害条件はファイルによって変わる。


 *+*


「人間もこれなの?」


 青龍は振り向いてやごーにそう聞いた。


「人間も同じだ、 次はそこの青いリンクを押してみろ」


 水蠆がそう言うと青龍は青字で技と書かれているリンクページを押した。 そこには、 こう書かれていた。


 *―*


 首狩り一閃 物理攻撃


 属性:竜 敵の首を撥ねた場合、 相手が所持していた魔素を摂取できる。


 腐食の茨 物理攻撃


 属性:木・毒 手の指を茨の生えた蔦に変え、 敵に刺す。 刺された敵の体内に強力な腐食性毒物を流し込み、 内側から細胞を壊死させ栄養を吸いつくす。 吸いつくされた敵は湿り気のある土の様な物になり、 堆肥にも使える。


 竜尾鉄槌 物理攻撃


 属性:木・竜 破壊特化の技で敵の小さい部位を破壊する際にオススメ


 狩りをする竜ハンティングドラゴン 物理攻撃


 属性:木・竜


 自身の肉体を特定の食虫植物にする事が可能で大型の対象も捕食が可能となる。 因みに、 使用者によって植物の形状が変わる。


 意思疎通 伝達魔法


 属性:無し 自分が使用している武器を変幻自在に操れる。


 *-*


「なぁこのredlistレッドリストって書いてる場所って何?」


 青龍は振り向いてやごーにそう質問する。


怪物化ファイル化の時使用できる技」


「へー」


「叔父貴、 複製作りすぎた」


 麒麟が大量の水晶玉を持って割り込んだ。


「オメー何しとんねん! まぁいい全員に渡してやれ」


 やごーがツッコミを入れる。


「悪い手伝って」


「は!?」


 再度やごーがツッコミを入れた後、 麒麟とやごーは全員に水晶を配った。


「てかお前は水晶いじらなくてもいいのか?」


「水晶の能力取得したから大丈夫! それに……全員の属性とファイル名とベース個体を把握した」


 麒麟は生意気な態度をとった。


「お前言ってる事とやってる事が無茶苦茶だ!!」


 やごーは麒麟に指を指しながらそう言った。


「ちなみに俺の言ってみ」


 水蠆は興味津々に聞いた。


「口で説明するのめんどいからこれでいい? 」


麒麟はやごーのステータス画面を表示しやごーに見せた。


♪♪♪


名前:水郷 蠆昭 種族:生物型核兵器データファイル


メインスキル:旧支配者 水、氷、竜、 闇属性を使えるが他の属性は使えない。


ファイル名:クトゥルフ 種類:究極種 属性:水


使用遺伝子データベース:ミズダコ ヒト サルコスクス インドオオコウモリ オニヤンマ


 攻撃力 S

 防御力 D 

 体力 B

 速度 S

 再生力 S


総合評価 S 単独で人間を絶滅に追いやれる


♪♪♪


「意外と強いな」


 麒麟がやごーに向かってそう言う。


「喧嘩売ってんのか!!」


「なあオッサン、 必殺技って消せるの?」


 青龍が水晶を触りながらそう言った。 それを聞いたアルファは失笑した。


「普通に変えれるぞ~」


「ホ~イ」


「アルファお前さっき笑ったろ」


 やごーがアルファに近づいた。 するとアルファがヘッドロックを行い、 無言で数回頭を殴った。


「次やったら呼びますよ」


 アルファは圧力をかける。


「それだけはやめてくれ!」


 やごーは焦った。 それと同時にコットンが叫びだした。


「妹にお土産買ってくるの忘れた」


「まだ時間あるからいいだろ!」


 リネンがツッコミを入れる。


「【転移】で妹連れて来い」


 やごーはグッドサインを出した。


「叔父貴~この水晶情報足りねーか?」


 麒麟がボソッと呟いた。


「お前もそう思うか? 何か情報が足りないんだよなー」


「アップデートできるらしいですが、 まだ方法が見つかって無くて」


 アルファが退屈そうな表情を浮かべる。


「人間の死体でアプデできたりして」


 パストが軽々しくとんでもない事を発言した。


「まさかな~」


 やごーが退屈そうな表情する。 それと同時に慶喜が目を覚ます。


「お久しぶりですな、 蠆昭殿」


 慶喜は眠たそうにそう言った。


「お久しぶりです……」


「お久しぶりです、 あれから進展はありましたか?」


「ええ、 食糧と資金は何とかなりましたが、 データファイルがまだ……」


 やごーは自分の頭を擦る。


「そうですか、 わかりました」


「爺さんはこれからどうするんだ? 」


「私はここで暮らそうと考えてます」


「どうして?」


 麒麟が割り込んだ。


「ここならゆっくりできそうですから」


 慶喜が上をゆっくりと見上げる。


「親父……あんたまだ20代前半だろ」


 智和が呆れた表情を浮かべる。


「この姿が一番落ち着くのでな」


「若い頃に何かあったパターンだな」


 やごーがボソッと呟く。


「叔父貴、 この村の案内しようか」


 竜馬がやごーにそう提案する。


「どうした急に?」


「案内した方が後々楽になりそうだから」


「お前使っただろ!」


「初日から発動させてる。 何ならこの世界来てなかったら、 エメラルドが死んで、 青龍が闇墜ちしてた」


 麒麟がそう言うと青龍が振り向く。


「案内よろしく」


 やごーと麒麟が会議室から出た。


「あっごめんこれ渡すの忘れてた」


 麒麟が再び会議室に入ってきてエメラルドにハーフフィンガーを渡した。


「なにこれ~」


 エメラルドがハーフフィンガーを装着して、 青龍に見せた。


「ねぇねぇ似合ってる? 」


「似合ってるよー」


 青龍が面倒くさそうにそう言うと白虎が青龍に圧をかけた。


「ちなみにそれワイヤー出せるよ~使い方次第では自由自在に操れる」


 麒麟がそう言うと、 エメラルドは首を傾げる。


「どこから?」


 エメラルドがそう言うと麒麟はフィンガーについているある小さく黒いでっぱりに指を指す。 よく見るとそのでっぱりは鋭く尖っており、 アンカーの様な形になっている。


「後これも」


 麒麟はエメラルドに黒いガウチョパンツと黒色のベルスリーブブラウスと黒いレディースのシューズを渡した。


「ありがとう! お兄ちゃん着替えさせて」


 エメラルドが青龍に近づくと白虎と朱雀がエメラルドを連れて行った。


「お前……妹いたのかよ!」


 智和がツッコミを入れる。


「いるよ~大変な子」


 青龍がぐったりとした。


「ちょっと! 私も忘れないで!」


 ルキナが立ち上がり、 そう主張する。


「お前もかよ……」


 青龍が頭を抱えた。


「ねえ! いいでしょ!」


「いいですよ」


 青龍に新しい義妹ができました。


「という事で新しい妹ができました」


「ええ……」


 智和は動揺していた。


「お兄ちゃん!」


 着替えたエメラルドが青龍に抱き着いた。


「あらあらエメちゃんは甘えん坊さんだね~」


 青龍はエメラルドを抱きかかえ、 頬ずりをする。


「シスコンかよ……」


 リネンが困惑している。


「シスコン変態卿?」


 ルキナがそう発言すると、 智和とエメラルド、青龍以外はドン引きする。


「あの、 変なあだ名作るのやめてもらってもいいですか?」


「イヤです」


「”イヤです”じゃないのよ……」


「ドンマイ」


 パストはクスクスと笑いながら呟く。


「蛇之! 飯食いに行くぞ!」


 智和が少し大きな声をあげる


「良いよ〜」


 青龍は緩い感じでそう言う。


「私も行きたい!」


 エメラルドが便乗した。


「エメちゃんは猫都ちゃんと一緒に晩御飯を食べてね」


 青龍はエメラルドにそう言うと、 エメラルドは頬を膨らませ、 青龍を睨む。


「なんで!」


「今日はお友達と食べに行くからまた今度ね!」


 青龍はエメラルドの頬を優しく揉んだ。


「お兄ちゃん! ロリコン変態狂なんだから夜道歩いちゃダメでしょ!」


 ルキナが訳の分からない事を言ったため、 青龍は動揺した。


「だから変なあだ名付けるな!」


 青龍がツッコミを入れる。


「安心しろ俺がついているから!」


 智和が青龍の肩を抑えた。


「智和さんゲイでしょ?」


 ルキナが白い目で見る。


「なわけあるか!」


 智和はツッコミを入れる。


「念のため、 お前去勢な」


 エメラルドが怒りのあまり智和を陰部を引きちぎろうとしたが、 青龍に止められる。


「エメ落ち着け!」


「エメちゃん!私たちと一緒に行こうね!」


 白虎がエメラルドを抱きかかえた。


「また明日な!」


 青龍はエメラルドの頬をぷにぷにと人差し指でつつく。


「綿花、 一緒にご飯食べない? 」


 朱雀がコットンを誘う。


「桜ちゃんも誘っていいなら行くよ!」


 コットンは笑顔でそう言う。


「二人はどうするの?」


 青龍がパストとアルファにそう聞く。


「仕事も終わったし過去と2人で食べに行きます~」


 アルファは緩い感じにそう言う。


「金銭面大丈夫? 」


 智和がアルファにそう聞く。


「結構あるから大丈夫!」


 アルファは冷や汗をかく。


「虫しかないからホロちゃん、 ブチギレておろちんの事ボコボコにして家出しちゃったからね~」


 パストは呆れた態度をとる。


「ホロと一応連絡は取ってるから大丈夫」


 アルファはグットサインをする。


「おろちんの事一番ボコってんのパスト先輩なんですけどね~」


 コットンがしれっと呟く。


((あっだからか……))


 青龍と智和はそう思った。


「という事で行こうぜ智和!」


 青龍が手招きして智和と一緒に会議室から出た。


「お前金あるの?」


 智和が青龍にそう聞く。


「あっあいつから金貰うの忘れてた」


「何しとんじゃお前!」


 智和がそう言うと、 2人は麒麟の元に【転移】した。


「今更だけど桜、 久しぶり!」


「いや今更かよ! 」


 リネンは朱雀にツッコミを入れる。


「桜~胸無いね男?」


「んなわけあるか!」


「スズちゃんおっぱいでかいからね~」


 コットンが煽る様にそう言うと、 リネンが頭を叩く。


「胸大きいと肩こるからね~」


 朱雀がそう言うと、 リネンは朱雀を睨み付ける。


「あーむかつく」


 アルファがそう言うとエメラルドがアルファの帽子を取り、 頭を撫でる。 ちなみにアルファは青髪のお団子ヘアーであり、ヘアゴムの飾りが六芒星である 。


「アルちゃん時間無いから早く行こう!」


 パストがそう言うとその場に居た全員は会議室を退出した。


 彼女らはまだ知らないこの先、 多くの人々を殺す事を。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る