第13話白鯨奪還戦
― 1月1日 午後 1時30分 天気晴れ 雲ひとつ無い晴天 少しポカポカしている ―
ここはバウム平原と言う少し変わった名前の平原だ、 その平原にフェザーとクラブが転移してきた。 二人が転移した先には、 関雷雨の服装をした女達がいた。
「おーい! どうだった?」
1人の少女がフェザーとクラブに話をかけてきた。 その女の特徴は、 黒髪の丸みショートの髪型で、 目の色は橙色。
「任務続行だそうです、 クルミ先輩そっちはどうですか?」
フェザーは丸みショートの少女にそう言った。 丸みショートの少女はクルミと言う名前だ。
「ターゲットの調べは付いたよ~詳しい事はリネン、 マロン、シルクから聞いてくれ」
クルミは淡々とそう言った。 因みに、 そのターゲットはメルビレイ王国第二王女・ベルーガという女だ。
リネンの特徴は、紫髪のツインテール。 種類はレギュラー、 テールの長さはホーステール、 目の色は黒色、 少し変わった槍を持っている。
マロンの特徴は魔女の帽子をかぶっていて、 髪は銀髪のショートカット、 目の色は金色、 武器は持っていない。
シルクの特徴は髪は桃髪でロングストレートにアホ毛が生えている、 目の色は紫、 右手に銛を持っている。
「私とフェザーとクラブ先輩で行きますのでクルミ先輩、 マロン先輩、 シルクはここで待機でお願いします」
リネンはジェスチャーをしながらそう言った。
「なんで?」
マロンはリネンにそう聞いた。
「あなたまだ
リネンはツッコミを入れた。
「何で
シルクはリネンにそう聞いた。
「人間だとすぐ死ぬし、 貴重な人材を失いたくないもん」
リネンはそう返答した。
「それはしかないのら~」
シルクはため息をつき、 首を横にふる。
「私とシルク以外データファイルだからね……」
マロンがシルクの肩をポンポンと叩く。
「あれだったらいいよ!」
クルミが向こうの方にいる馬車を取り囲んでいる、 30人ほどの盗賊団に指を指した、 するとフェザー、 クラブ、 リネン、 クルミが薬物をキメような表情をし、 マロンは呆れた表情を浮かべた。
「行くぜ!! 」
フェザーが剣を抜く、 その剣はフランベルジュと言う武器である。それと同時に、 マロンが魔法で槍を作りそれを盗賊目掛けて投げつけた。 次の刹那、 投げた槍が盗賊の頭を貫き、スッと消えた。 消えたと同時に盗賊の灰色の脳味噌がジョボッと流れ出てきた。 それを見た盗賊と馬車の中にいた人は、 青ざめた。 その刹那、 フェザーが盗賊の頭を斜めにカットする。 カットされた頭はゆっくりと落ち、 脳みそを露出させる。
「タ”ノ”ジ”イ”イ”イ”イ”!!!」
フェザーは笑いながら盗賊の頭を握り潰し、 別の盗賊の顔の上半分を切り落とした。 リネンは回し蹴りで盗賊の首を捻じ切り、 『黒炎』で盗賊3人を灰にした。
「それは俺の獲物!」
クルミがクラブを止める。 なぜなら、 クラブがカメレオンの様に舌を長く伸ばし鎌の様にして盗賊19人の額を切り裂き、 脳みそを流出させる。 クラブは瞬時に舌を変形させもう1人の心臓を貫き、 喰らう。 最後の二人はクルミに襲い掛かるも、 クルミの周りを見えない何かが守っているため、 一瞬ですりおろされたがクルミの体には一切血液が付着しなかった。
「おーい!」
リネンが盗賊の腕をボリボリと食べながらシルクの方にやって来た。
「お疲れ~あれフェザーちゃんは?」
シルクがリネンにそう聞いた。
「先に食べてるよ」
フェザーが殺害した盗賊の内臓を獣の様に貪り食っていた。
「そういえばクラブ先輩は?」
マロンがそう言うと、 三人は辺りを見渡した。
「おい! あれ!」
リネンは指を指した。
「美味しいー♪」
クラブはカメレオンの様な舌を出し、 死んだ盗賊の額に穴の開け脳漿、 脳みそ溶かし啜っていた。
「フェザー~先輩~早くしてください!」
マロンが2人を大声で呼んだ。
「「はーい」」
クラブは舌を元に戻し、 歩きながら戻った。
「作戦開始!」
フェザーがそう言うと、 3人は【転移】した。 【転移】した場所は街の入り口だった。 その街は、 中世ヨーロッパの様な所で、 先の方に広場がある。
「広場に目標がいるからついて来て~」
リネンがそう言って忍者走りをすると、 2人は忍者走りをしながらリネンについて行った。
「何で広場にいるってわかるの? 」
フェザーがリネンにそう聞いた。
「張り込み込みしてたから」
リネンはそう返答した。
「そこの3人! 止まりなさい!」
緑色のドレス着ていて剣を構えている女が、 三人の前に立ちはだかった。 女の特徴は、 青い瞳に金髪で青緑色のドレスを着服していて黒いハイヒールを穿いている。 黒い鉢巻を頭に巻いている。
「あらまぁ」
フェザーは驚いた。
「いかにも……私が
女はそう言いながら、 自分の胸に手を当てた。 この女がベルーガといい、 今回のターゲットだ。
「おいおい厄介な国を敵に回す事になったぞ! 」
リネンは深刻そうな顔をした。
「とっくの昔に回してるよ!」
フェザーが剣を抜き、 突撃の構えをとる。
「いいでしょう……」
ベルーガは剣を構え、 目を瞑る。
(何か来る!)
クラブはロングナイフを取り出し、 ベルーガに投げつけたが、 剣で弾き返された。
「『渦潮』!」
ベルーガの剣に纏わりつくかの様に巨大な渦潮が発生した。
「させるか!」
フェザーが突撃した瞬間、 ベルーガが剣を薙ぎ払うようにして3人を攻撃した。 リネンがクラブを突き飛ばす。 次の瞬間、 巨大な渦潮が発生、 リネンとフェザーを飲み込んだ。 幸いな事にクラブは飲み込まれなかった。
「相性悪……ガハ」
2人は徐々に意識を失っていった。 渦潮が収まると、クラブは舌を変形する。
「いいねいいね!」
クラブの舌の先端が剣の様になった。
「関雷雨のクラブ……いや貴女の本来の武器は異形な形をした
「あ~? バレたぁ?」
クラブは首を傾げ、 笑顔で2本の大型のサバイバルナイフを手元に【転移】する。
(やはり情報通りですわ……私の予想が当たっているならば……
ベルーガはクラブを睨みつけ剣を強く握った。
「
クラブは目にも止まらぬ速さでベルーガに切りかかったが弾き返されてしまったが体制を崩してしまった。
(これほど早いとは……)
ベルーガがそう思った瞬間、 クラブはベルーガの背後に回り、 得物で薙ぎ払うがベルーガは頭部を下げ、 回避した。
(やるねぇ~)
クラブは楽しそうな笑顔を浮かべた。 ベルーガは余裕の表所でクラブを見つめ、 突きの構えをとった。
(来る!)
クラブは受けの構えを取る。 その刹那、 ベルーガが物凄い速さで突撃して来た。 クラブは即座にナイフで受け流し、 腹を蹴り遠くまで飛ばした。 その際、 ベルーガはグハッと声を漏らし吐血をした。
「恨みっこ無ですわ!」
ベルーガは真剣な表情を浮かべる。 次の瞬間、 2人とも同時に突撃、 刃物を交わえる。 交わる際、 激しい火花を散らした。 2人は激しい斬り合いを繰り返し、 何度も何度傷ついては再生を繰り返した。 だが、 2人とも楽しそうな表情を浮かべていた。
「これで終わりだああああああ!! 」
クラブがベルーガの突きをかわし、 懐に入って剣を持っている腕を根元から切り落とし、 舌で止めを刺そうとした。 しかし、 ベルーガの切り落とされた腕が瞬時に灰となり、 剣が捕れる状態となる。 すぐさま口で剣を捕りクラブの舌を突きで切り落とした。 切り落とされた舌は灰と化した。
「後少し……」
ベルーガの腕とクラブの舌が同時にグチュグチュと音を立てながら再生した。
「動け……体……」
クラブはその場で崩れ落ちた。 それを見たベルーガは剣を杖の様にしてクラブの方に近寄った。
「私の勝ち……ですわ……」
ベルーガが剣の形状を変形させたが急に動きを止めた。
「残念ながら……ここまでですわ……」
ベルーガはクラブに止めを刺そうとした。 次の刹那、 後ろからフェザーのフランベルジュを持ったシルクに首を撥ねられた。
「楽しかったですわ……クラブ……貴女に出会えて光栄でした……」
ベルーガは涙を流しながら死んだ。 ベルーガの遺体はゆっくりと灰となる。 シルクはベルーガの鉢巻をとり、 頭に巻く。 ベルーガの遺体があった場合にはガイドストーンと注射針の付いた注射器が落ちていた。 ガイドストーンにはザトウクジラの様な刻印が刻まれていた。
「おやすみなさい……哀れな王女様……」
シルクはそう呟くと武器を置きガイドストーンと注射器を手に取り、 ガイドストーンから液体を採取、 自分の体に打ち込んだ。 すると、 シルクは溺れる様に苦しい表情を浮かべる。 数分後、 何事もなかったかのように立ち上がった。
「みんなどうしたの?」
シルクは辺り一面を見渡す。 そこにはボロボロの仲間が倒れていた。 後から待っていた2人がやって来てマロンがクラブを抱えて、 クルミがリネンとフェザーを抱え運ぶ。
「シルク! 帰るぞ!」
クルミがそう呼びかけるが、 シルクの足元に黒色の魔方陣が発生した。
「マジかよ……クルミ逃げるよ!」
マロンは先に転移して、 クルミは悔しい表情をして転移した。
「先輩……すいません……フェーズワン……」
シルクがそう言うと、 足元の魔法陣から大量の赤い液体が噴出、 シルクはその液体を浴びて変身する。 空が赤くなり、 パソコンのメッセージボードのような物が空から出現した。 その出現したメッセージボードようなものにはこう書かれていた「ここは沈むよ永遠に」と。
そのメッセージボードが出てきた後、 空は元の色となり、 シルクは全身真っ白の巨大なザトウクジラとなり、 宙に浮いていた。 そのザトウクジラの鰭はモンシロチョウの様な形をしていた。 全長約20m。
『絶望の雨』
シルクは鯨の様な大きな鳴き声を上げた。 すると、 辺り一帯に爆弾低気圧を発生させ巨大な雨粒をゲリラ豪雨並みに降らせた。 雨粒が大きい為、 建築物も壊れ徐々に街が沈んでいき、 更には大人、 子供の水死体が浮き始めた。 元々立地が低いこの町は一瞬で水没した。その光景を遠くで見ていた黒髪ショートボブでセンター分けの女が悔しそうに強く拳を握っていた。
「クソ……もう少し早ければ……」
女は悔やんだ。 自分の無力さに。 この女が青龍達の最初の障壁となるのはまだ先の話。
思いっ切り暴れたシルクは元の姿に戻り水面にプカプカと浮いていた。 彼女の周りには黒い灰が浮いていた。
「おい暴れすぎだ! 後で
クルミは肩甲骨辺りからワタリガラスの様な羽を出して羽ばたいていた。 シルクはクルミを見て、 ゆっくりと目を閉じた。
「おい起きろ!」
クルミはため息をつきシルクを回収して、 バウム平原に戻った。
「おかえり!」
マロンが迎えに来た。
「とりあえず本部戻ろう」
クルミが疲れた表所を浮かべる。
「ハイハイ……」
マロンがリネンとクラブを抱えて本部に転移し、 クルミがフェザーとシルクを抱え本部に戻った。
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