第8話幼女
2人が巨頭ォに向かってる途中、 ブルーベリーの様な植物が自生していた。 2人はその植物の実を8個採って食べた。 味はブルーベリーと同じだ。 また進みだした。 しばらくすると2人は、 廃村を見つけた。
その廃村の看板には巨頭ォと書かれていた。 二人は気軽に村を見て回った。 その村の建築物は全て江戸時代の屋敷みたいだった。
2人が帰ろうとした瞬間、 1件のボロ屋が白く光った。 それを見た2人は、 そのボロ屋に走って向かった。
「とりあえず中に入るぞ」
青龍はボロ屋の玄関を開けた。 そこには、 ボロい服を着た茶髪のボブの少女が倒れていた。
「ここ何処? お兄ちゃん達誰?」
少女は2人にそう聞いた。
「俺は青龍、 こっちが妹のエメラルドだ」
「よろしく~」
2人はそう返答した。
「お姉ちゃん何でぶかぶかの服着てるの? 」
少女はエメラルドに指を指した。 すると、 エメラルドは嬉しそうに飛び跳ねる。
「とりま服着させるから」
青龍はボロ屋に土足で入って、 服を探した。 ボロ屋の中は、 何故か中は綺麗だった。
「どういう事だ……」
青龍はボロ屋を隅々まで見渡した。
「ねぇねぇ! お姉ちゃんこれ見て!」
少女はエメラルドと一緒にタンスを開けた。 そこには新品の黄地に夾竹桃が描かれた子供用の浴衣と新品の黄緑地で見た事の無い花が描かれていて、 更に八匹の蛇が金箔で描かれている大人用の着物が入っていた。 近くにメモ用紙が置いてあった。 メモ用紙には着物の着方などが書かれていた。
「どうした?」
青龍は2人に近づいた。 すると青龍は青ざめた。
「とりま2人ともその服着てみて」
青龍はそう言うと、 少女の服を脱がした。 幸い下着をつけていたので目のやり場にも困らなかった。
「こっちは大人用か……」
青龍がそう呟くと、 エメラルドは後ろを向き青龍が渡した服を脱いで、 体形を変えてスタイル抜群の20代前半の女性の姿へと変貌した。
「お兄ちゃん~」
エメラルドは青龍の肩を右指でつついて振り向かせた。 振り向いた青龍は鼻血を出し、 目に見えぬスピードでエメラルドを着替えさせた。 幸い鼻血は付着しなかった。
「お前ら! ここを出るぞ! 」
青龍はそう言うと、 二人を連れて小屋から出た。
「君名前は? 」
エメラルドは少女にそう聞いた。
「私? 私はルキナ=アンタイル!9歳で〜す! 」
少女はハイテンションでそう言った。
「変わった名前だな! 」
青龍は驚いた。
「え!? 私の国だったら普通だけど? 」
ルキナは首を傾げる。
「いやどんな国だよ…」
青龍は不安そうな顔をした。
「ドイチュラント!」
ルキナはドヤ顔でそう言った。
「「いやどこだよ!」」
二人はツッコミを入れる。
「知らないの? お兄ちゃん達どこ出身?」
ルキナは二人にそう聞いた。
「日本」
「イングランド」
「どこそれ!」
ルキナは驚いた。
「てか、 お前の世界の国っていくつあるの?」
青龍はルキナの頭を優しく撫でた。 それを見ていたエメラルドは青龍に噛みつく。
「ちょっとエメちゃん! ストップ!」
青龍はエメラルドを必死に慰める。
「ガルル!」
青龍の顔に自身の顔を近づけるエメラルド。
「何でお姉ちゃん、 お兄ちゃん叱ってるの?」
ルキナはエメラルドにそう聞いた。
「お前のせいだよ!」
エメラルドはルキナを怒鳴った。
「お姉ちゃんひどい!」
ルキナは泣きだした。
「喧嘩するな! 」
青龍は二人を怒鳴った。 すると二人は泣きながら謝った。
「仲良くしなさい……」
青龍はため息をつき、 二人の頭を撫でた。
「お兄ちゃん何あれ?」
ルキナは井戸に指を指した、 その井戸の近くに賽銭箱らしき物、 その賽銭箱らしき物の上にはガイドストーンがあった。
「おいおい嘘だろ……研究所の……」
少し動揺する青龍。
「お兄ちゃんどうしたの?」
青龍にそう質問するルキナ。
「ガイドストーン……」
エメラルドはそう呟いた。
「お姉ちゃん、 どんな石なの? 」
ルキナはエメラルドにそう聞いた。
「人間をデータファイルに変える恐ろしい物よ」
エメラルドはぼーっとしている。
「データファイルって何?」
ルキナはエメラルドにそう聞いた。
「データファイル、 別名 生物型核兵器、 自身の身体能力、 知能、 生命力が異常に上がり更には自身の体を変形させたりできる。 データファイルを保持した場合覚えた事の無い言語や技、 何故か前任者の記憶が頭に入っている」
エメラルドは虚ろな表情で淡々と説明した。
(だからか……)
青龍は少し険しい表情でそう思うと、 黄色いひし形の石を歩いて取りに行った。
「さてと、すぐ終わらせるか!」
青龍は黄色いひし形の石を普通に取って右ポケットの中にしまった。 青龍が取った黄色いひし形の石には蜥蜴の様な刻印が刻まれていた。
「ん? なんだこれ?」
青龍は黄色いひし形の石が置いてあった場所の近くに埃をかぶった未開封の透明な袋が落ちていた。 その袋には、 未使用の注射針の付いた注射器と説明書と謎の紙が入っていた。
青龍はその紙を取り出して見てみる、 その紙には大きな蜥蜴の上に金髪の少女が乗っており、 青色の肉食恐竜がその二人を守るかのように白く大きな狼が喧嘩している絵がクレヨンで書かれていた。
「なんだよこれ……」
青龍は固唾を飲んだ。
「お兄ちゃん! こっち来て!」
エメラルドが青龍を呼ぶ。
「なんかあったか? 」
二人の所に走って向かう青龍。
「あれ見て! 」
ルキナは変わり果てたボロ屋に指を指す。 そのボロ屋から、 頭がやたらと大きい人間らしきものがゾンビのような呻き声を上げながら地面を這っている。
「どうなってんだよ……この村は……」
青龍は空間を叩き割って、 すぐさまバレットm82を取り出した。
(あいつまさか!)
青龍は何かを察したような表情を浮かべ、 ルキナにバレットを渡す。
「ルキナ! これであいつを撃ち抜け!」
青龍は真顔でそう言った。
「え!? 無理に決まってるよ! 」
ルキナは大量の汗をかきながら首を横に振った。 そうしてる間にも人らしきものは徐々に増えていった。 ルキナは貰った銃を青龍に返した、 青龍は銃を空間を割ってしまう。
「お兄ちゃん見てて!」
エメラルドは右手に赤黒い電気が集中する。
「『メデューサ』! 」
エメラルドは右手を地面に叩きつける。 叩きつけたところから亀裂が入りそこから全身が
「マズイ……伏せろ!」
青龍が言った瞬間、 人らしきものは爆発し始めた。 爆発と同時に赤黒い竜は消えた。
「ヴェアアアア!」
大声でそう叫ぶルキナ。
「大丈夫か? ルキナ! 」
青龍はルキナに近づき、 傷がないか確認する。
「お兄ちゃん……痛いよ……」
ルキナの顔に軽い火傷傷ができていた。 急いで治療に取り掛かる青龍とエメラルド、 だが医療道具を持っていないため、 治療できない。
(クソ…どうしよう…)
必死に考える青龍。
「お兄ちゃん…それ…」
ルキナは青龍の右ポケットに指を指した 。青龍は右ポケットに右手を突っ込みガイドストーンと未使用の注射器を取り出した。 それを見たエメラルドは頷き、 青龍はエメラルドにガイドストーンと注射器渡し、 エメラルドに打たせた。 するとルキナの体は急に赤くなった。
「おはよう! 」
さっきまで倒れていたルキナが起き上がった。
「とりあえずここから逃げるぞ! 」
青龍がそう言った瞬間、 村の至る場所から人らしき物が現れた。
「エメ! ルキナ! 逃げるぞ! 」
青龍は2人を咄嗟に抱えて、 視認出来ないほどの速さで逃げ出した。
二人が逃げた後、 急に空の色が赤くなり、 パソコンのメッセージボードの様なものが浮かび上がった、 そのメッセージボードには、 「誇り高き白狼が牙を剥く! 」と書かれていた。 そのメッセージが浮き上がったその直後、 大量の赤い液体が巨頭ォの奥の方から噴き上がった。
その後、 メッセージボードは消え、 空も元に戻ったが、 奥の方から巨大な狼が勢いよく現れた。 その狼の姿はまるで北極狼みたいだった。 その狼が人らしきもの嚙み殺した瞬間、 大爆発が起きた。 その狼の全長は約12m
「しっかり捕まってろ! 」
青龍は森を抜けようとしたが、 森の構造が複雑な為、 なかなか抜け出せなかった。
「お兄ちゃん! 後ろ! 狼が追っかけてくる! 」
ルキナがそう言うと、 狼が追いかけてきた。 狼は何故か無傷だった。
「でっか! 」
青龍は狼の大きさに驚く。 青龍は深呼吸をして、 全速力で走って、 この森を抜け出した。
「いいこと思いついた! 」
ルキナは急にそう言った。
「よし言ってみろ! 」
青龍はルキナにそう聞いた。
「私の背中に乗って! 」
急にわけのわからない事を言い出すルキナ。
「ちょっと待って…どういう事!? 」
エメラルドはルキナにそう聞いた。
「私もあの狼みたいに大きくなれるかも! 」
「なれるか! バカ! 」
ツッコミを入れる青龍。
「やってみないとわかんないでしょ! 」
ルキナは涙目で青龍を見る。
「わかった……やってみろ!」
青龍は目を瞑った。
「うん!」
ルキナがそう言って青龍達から少し離れて手を合わせる、 するとルキナの足元に赤色の巨大な時計の様な魔法陣が出現し、 空の色が赤くなり、 パソコンのメッセージボードの様なものが浮かび上がった、 そのパソコンのメッセージボードには、 「地を這う竜が今ここに」と書かれていた。
「んじゃいっくよー! フェーズワン! 」
ルキナがそう言うとその魔法陣から大量の赤い液体が噴出、 液体を浴びて変身する。 ルキナを変身させた後、 赤い液体と魔法陣は静かに消えた。
変身したルキナの特徴はサバンナモニターと言うオオトカゲに先端が尖っている黒色の角と蝙蝠の様な翼を付け足したような感じだった。全長 15m。
「どう? 似合ってる? 」
ルキナは口を使わずテレパシーで二人にそう聞いた。 ルキナのテレパシーにはエコーがかかってる。
「バイバイ、 ルキナ」
泣きながら手を振るエメラルド。
「私! 生きてるよ!」
ルキナはツッコミを入れた。
「チッ!」
エメラルドは舌打ちをした。
「お姉ちゃん今舌打ちしたよね!」
「やんのかゴルァ!」
ブチギレるエメラルド。
「こんな所で喧嘩すんな!」
青龍が会話に割り込む。
「とりあえずルキナ! お前の背中に乗せろ! 」
2人はルキナの背中に跳び乗る。
「いいぞ! 行け!」
青龍がそう言うとルキナは走り出す。 それを森の中で見ていた狼はニヤリと笑いながら3人を見ていた。
(あの男ただもんじゃないな…ククク……コイツは俺の獲物だ……)
不敵な笑みを浮かべながら3人を追う狼。
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