第7話武闘派の秘密結社現る

  青龍が森に行っている間、 白虎はエルフ達を連れて村に帰っていた。 門の近くにいた兵士たちはエルフ達をある所に連れていった。


「ただいま〜」


  白虎はクタクタに疲れていた。


「おかえり~ 」


 麒麟が出迎えてきた。


「あー疲れた…」


 白虎は近くにあった木箱に寝転んだ。


「お疲れ」


 朱雀が温かいココアが入ったティーカップを二つ持ってきた。


「ありがとう! 」


 白虎がそう言うと、 朱雀は白虎にティーカップを渡した。


「あれ? 蛇之は? 」


 朱雀は白虎にそう聞いた。


「エメちゃん探しに行った」


 白虎はココアを飲んだ。


「どうしたの? 」


 朱雀は白虎の顔に顔を近づけた。


「私も探したかったな~て」


 白虎は顔をそむけた。 すると朱雀は白虎の頬にキスをした。


「もうそんな事言わないで~嫉妬しちゃいそうだから…」


 朱雀は少し不満そうな顔をした。


(そうはならんやろ…)


 麒麟はそう思いながら、 優しく見守った。


「おーい」


 玄武が手を振りながらこっちに向かってきた。


「お! 来た来た」


 麒麟は玄武に手を振った。


「色々あってな…」


 玄武は近くにあった木箱に座った。


「何してた? 」


 麒麟は玄武にそう聞いた。


「殺害した兵士の事で話し合ってた」


 玄武はため息をついた。


「玄武さん!!」


 アーサーが書類を片手に持っていて、 フードを被った男を引きずりながら、 玄武の所にやってきた。


「どうした!? 」


 玄武は立ち上がって、 アーサーの所まで近づいた。


「祖父がまとめた物です」


 アーサーは男を離して玄武に書類を渡した。


「その書類、 俺が預かっとく」


 麒麟がそう言うと玄武は書類を麒麟に渡した。


「それとこのような人物を捕らえました」


 アーサーはフードを被った男の髪を掴んだ。


「そんな持ち方するな! 」


 玄武はアーサーを注意した。


「すいま…」


 アーサーは玄武に謝ろうとした瞬間、 堡塁の上に見慣れない服装の人間が二人いた。 その二人の服装は黒地に深緑色のドラゴンのシルエットと西洋の城の様なシルエットが描かれた外套を着ていて、 黒いズボンを着服していて黒いスポーツシューズを履いている。 一人はアホ毛が生えた白髪ショートの女の子で、 もう一人は黒髪ノーマルで屈強な男性だった。 それを見たアーサーはその場から動けなかった。


「アーサー! そいつを離せ! 」


 玄武がそう言った途端、 アーサーは手を離し、 麒麟はフードを被った男を蹴り飛ばした。 するとフードを被った男は一旦倒れて、 立ち上がった。 そして城壁にいた人間はそこから飛び降り着地した。


(なんだこいつら…)


 麒麟は二人の様子を伺う。 すると屈強な男性が右腕を上げ、 掌を広げた。 男性の掌に乾留液の様なものが徐々に集まり、 巨大な手裏剣のような物になりそれをフードを被った男に投げつけた、 するとフードを被った男は一目散に逃げたが時すでに遅し。


 フードを被った男は真っ二つになって、 左側から先に前に倒れて、 右側は後ろに倒れた。 切られた断面から大量の血液がドバドバと出てきて、 小腸、 大腸が押し流されるように出てきた。 それを見ていたアーサーは青ざめて、 玄武と麒麟、 白虎は真顔で見ていて、 朱雀は興味津々で近寄り色々と観察し触ろうとした。すると、


「待て! 触るな!」


 アホ毛が生えた白髪ショートの女の子が朱雀を止めた。


「どうして? 」


 朱雀はアホ毛が生えた白髪ショートの女の子にそう聞いた。 すると死体が一瞬で黒く変色し崩れ始めた。


「まぁそんな感じですね。 あっ申しが遅れました私はクロコと申します」


 屈強な男性はそう言いながら一礼した。


「私はダイヤよろしくね! 」


 アホ毛が生えた白髪ショートの女の子は左手を振りながらそう言った。


「あなた達は一体…」


 アーサーは震えながらそう言った。


「私たちは秘密結社関雷雨」


 ダイヤはジェスチャーをしながらそう言った。


「関雷雨ってあの…」


 アーサーは固唾を飲んだ。


「知ってるのか? 」


 麒麟はアーサーにそう聞いた。


「噂でお聞きしたのですが、 秘密結社:関雷雨、 各国を敵に回した無法者アイドルの集まりで全員同じ服装をしていますが、 最高幹部には六芒星ヘキサグラムの模様が入った物を身に着けており、 四名はコードネームを名乗っているとの事です」


 アーサーは麒麟にそう返答した。


「へぇー」


 麒麟はボソッと呟いた。


「てか何であんた達ここに来たの? 」


 白虎は二人にそう質問した。


調査に来ました!コンコンコーン!


 ダイヤは狐のような行動をした。


「日本語で喋って! 」


 ツッコミを入れる白虎。


「日本語? 」


 アーサーは小声でそう言った。


「日本語知らないの? 」


 玄武はアーサーにそう聞いた。


「はい…この言語は大半の国や地域では使えるのですが…逆に翻訳しないといけない地域もあります」


 アーサーは玄武にそう伝えた。


「俺たちが居た世界だったら、 英語と日本語とハルキバニア語だけだからな~」


 玄武は上を向いてそう言った。


「ハルキバニアてどこだよ! 」


 ツッコミを入れるダイヤ。


「じゃあお前どこ出身なの~? 」


 麒麟はダイヤにそう聞いた。


「アローペークス」


 ダイヤは自慢げにそう答えた。


「いやどこだよ…」


 麒麟は少しがっかりした。


「伝令! 先ほどドワーフの集落が襲われたそうです! 」


 一人の兵士が麒麟に向かってそう言った。


「タイミング悪いな…」


 麒麟はジェスチャーをした。


「私たち先にドワーフの所に行ってきますね」


 クロコはそう言うと、 何かまじないを言おうとしたが、


「ちょっと待て…こちらからも二名を送る…」


 麒麟はクロコを止めた。


「わかりましたでは…お先に…ダイヤ行きましょう」


「オーケー! お前の鎧はまだ大丈夫か?」


「大丈夫ですよ、 問題ありません」


 クロコがそう言った瞬間、 二人は転移と叫んだ、 すると二人は一瞬で消えた。


「玄武、 アーサー二人とも頼んだ! 」


 麒麟はそう言うと、 二人の方に手を当てて、 転移と小声でそう言うと、二人は一瞬で消えた。


「朱雀は東に行ってくれ何か嫌な予感がする」


 麒麟がそう言うと、 朱雀は肩甲骨辺りから赤い翼を生やして東の方に向かった。


「白虎。 お前は豪邸に戻ってくれ」


 麒麟がそう言うと、 歩いながら豪邸に戻った。


(頼んだぞ蛇之…)


 麒麟は空を見上げた。


 その頃青龍とエメラルドは、


「とりまエメ…動きたいから下りて…」


 青龍がそう言うと、 エメラルドはすんなりと下りた。 そして青龍は起き上がった。


「とりまこれでも着とけ」


 青龍はエメラルドにベンチコートを渡した。 するとエメラルドはベンチコートを着て、 匂いを嗅ぎ始めた。 それを見た青龍は少し困ったような顔をした。


「エメちゃんお兄ちゃんにそんな事しちゃダメでしょ」


 青龍はエメラルドに注意をする。


「NO!」


 エメラルドが駄々をこねる。


(変な事言ったら、 殺されるかも…こいつチェーンソーで人殺してたからな…)


 青龍は焦り始めた。


「とりま服着させてお願いだから…」


 青龍はそう言うと、 上着を着服した。


「さて…ここにはもう用は無いし帰るか! 」


 青龍は帰ろうとしたが。


「もうちょっとここに居たい…」


 エメラルドはもじもじしながらそう言うと、 青龍はエメラルドの頭を撫でた。


「はぁ…しょうがないなぁ」


 青龍は苦笑いをしながらそう言った。 するとエメラルドは嬉しそうに笑って、 ガイドストーンと注射器を拾いその注射器でガイドストーンの液体を吸引し、 自分の左腕の関節に部分に打ち込み注入する。 するとエメラルドはその場で泡を吹きながら気絶した。


 それを見た青龍は気絶したエメラルドを荒い息を吐きながら抱きしめる。 数秒後、 エメラルドは目を覚ました。


「おい…大丈夫か!? 」


 青龍はエメラルドにそう聞くと、 エメラルドは頷きキスをした。


「龍さん大変です! 黒い鎧を着た兵士が襲撃してきました! 」


 ベリンが叫びながら青龍の所に戻ってきた。


「ベリン! 避けろ! 」


 青龍はベリンに向かってそう叫んだ、 すると奥の方からナイフがベリン目掛けて飛んできた。


  青龍は目にも止まらぬ速さでベリンの所に行き、 掌でナイフを受け止めた。 その際、 青龍は多少出血した。


「全然痛くない…」


 青龍はそう呟くと、 刺さったナイフを抜いた。


「まぁこんな感じ」


 青龍の傷はグチュグチュと音を立てて再生した。


「いや凄いな…」


 ベリンは驚いた。 青龍の圧倒的な再生速度に。


「おいお前…」


 エメラルドの右手に青白い電撃のような物が集まってきた。


「やっほー! 」


 ベリンの後ろから関雷雨の服を着ていて、 白地に黒線で六芒星が小さく書かれた、 小さいリボンを左上側に着けたショートボブで薄紫髪の目を持つ女が赤い液体が滴った袋を三つ持っていた。


「びっくりした! 」


 ベリンは普通に驚いたが、 青龍とエメラルドは震えていた。 そしてエメラルドの電撃も収まった。


「あんた一体ナニモンだ! 」


 青龍は震えながらそう言った。


「私、 関雷雨のパスト! 未知数赤ずきんの方がいいかな?」


 女がそう言うと、 ベリンは震えあがった。


「関雷雨の最高幹部!? 」


 ベリンは震えながら大声でそう言った。


「君 何で知ってるの? 」


 パストはベリンに笑顔で近寄った。


「噂で聞いたことあります! 」


 ベリンは青ざめた。


「なーんだ噂か~それも仕方ないか」


 パストは少しがっかりした。


「関雷雨って何? 」


 エメラルドはベリンにそう聞いた。


「噂で聞いただけですけど…関雷雨はかなりの手練れの集まりと聞きました。」


 ベリンがそう言うと、 パストは嬉しそうに頷いた。


(一応あってんだな)


 青龍はそう思った。


「どうして関雷雨の方々がここに? 」


 青龍がパストにそう聞くと、 パストはその場に座った。


「じゃあ話すから全員座って! 」


 パストがそう言うと、 その場にいた全員は座った。


「何人か連れて遊び狩りに来た 」


 パストは人差し指を立てながら、 右目をつむった。


「ここ…何かあったのか? 」


 青龍がそう言うと、 パストは深刻な表情をした。


「簡単に言うと、 戦争を起こそうとしてる輩がいるからじっくりとぶち殺す事になってね!」


 パストがそう言うと、 三人は青ざめた。


「どうやって滅ぼすんだよ…」


 青龍は焦っていた。


「私が連れてきたとメンバーが何とかしてくれる! 」


 パストは目をキラキラさせた。


「てかそんな事より、 あいつらどうにかしないと! 」


 ベリンがそう言うと、 青龍は立ち上がってチェイン達の所に行こうとしたが、 パストが止めた。


「向こうの方は始末したよ~ 」


 パストは袋からに生首を取り出した。


「何で持ってるの? 」


 エメラルドはパストにそう聞く。


「非常食!」


 パストは生首を掴んだまま上下に振った。


「いや腐るから塩漬けにしとき。」


 青龍がツッコミを入れる。


「てかあいつら大丈夫ですか? 」


 ベリンがパストにそう聞くと、 パストはキメ顔で親指を立てた。


(大丈夫てっ事ですね…)


 ベリンは少し安心した。


「どんな感じだったの? 」


 青龍が二人にそう聞くと、 パストは普通に話した。


 ===


  少し前の事、 ベリン達は森の近くに誰かいないか散策していた時、 偶然兵士と鉢合わせてしまった。


「お前ら! 反乱軍だな! 我が剣の錆にしてくれようぞ! 」


 五人の兵士たちがベリン達に襲い掛かってきた。 するとベリン達は、 戦闘態勢に入り、 攻撃を開始した。


「遅いな…」


 ベリンはそう呟くと一人の兵士を鎌で心臓を貫いて殺害し、 エリスは死角から入り兵士の首を剣で切断、 そしてチェインは兵士の攻撃をかわし、 まず剣で腕を切り落としてからの腹を裂いて殺した。


「トーゴ行くぞ! 」


 オルキデアはトーゴにそう言うと鎖鎌を振り回し、 兵士が射程範囲に入った瞬間、鎖鎌で喉を搔っ切って、 隣の兵士の視界をトーゴから逸らし、 恐ろしい速さで視界を逸らした兵士の後ろに回り込み、 真っ二つ切り裂いた。


  兵士を殺した後、 ベリン達は深呼吸をした。


  奥の方から、 黒い鎧を着ていて、 槍を持った騎士が一人と剣を持った男の冒険者が二人現れた。


「ベリン…龍さんの所に行け…早く! 」


 チェインはベリンを青龍の所に行くよう促した。 するとベリンは「死ぬなよお前ら」と叫んで森の中に入って行った。


「行くぞお前ら! 」


 チェインがそう言うと、 全員一斉に飛び掛かった、 エリスとチェインは黒い鎧を着た騎士に攻撃を仕掛けたが、 鎧が硬かったので弾かれてしまい、 騎士は思いっきり槍を振るい、 チェインの腹を切りつけたが内臓は出なかった、 そしてエリスの顔を切りつけた。


((こいつらを死なせるわけにはいかない! ))


 トーゴはチェインを回収し少し離れて、 オルキデアはエリスを回収し少し離れた場所に置いた。


「終わりだ小僧共…」


 騎士は止めを刺そうとするが、 後ろからパストが急に現れた。


「何だお前? 」


 一人の冒険者がパストにそう聞きながら、 パストに襲い掛かったが、 襲い掛かった冒険者の首が急に捻じ切られたのだ。 その光景を目撃した冒険者はやけくそになりパストに襲い掛かったが、 その冒険者は腹を貫かれそこから内臓を引き出され、 果実をもぎ取る様に首を引き抜かれる。


「貴様…関雷雨の…」


 騎士は慎重にパストに攻撃をしたが、 パストは瞬間移動して騎士の頭を掴みゆっくりと捻じ切る。


「大丈夫? 」


 パストはチェイン達に近づき回復魔法でチェインとエリスを回復した後、 城壁に囲まれた村に転移させた。


 ===


「という感じ」


 パストは笑顔でそう言うと、 青龍は土下座をして感謝した。


「二人に頼みたい事があるんだけどいい? 」


 パストは青龍とエメラルドにそう頼んだ。


「巨頭ォていう廃村があるんだけどそこに行ってくれない? 」


 パストがそう言うと、 二人はお互いの顔を見て頷いた。


「この子と城壁に囲まれた村に戻っとくね! 」


 パストはベリンの肩に手を当て、 瞬間移動した。 そして青龍とエメラルドは巨頭ォに向かった。

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