本作の主人公、ツバサは自分に誓いを立てます。その内容は作者によるキャッチコピーをご覧願います。その願いは叶わないかに思えますが……幼い頃だって、大人たちの様子はきちんと見えていました。幼児特有の万能感だと言われようとも、後から見てもきちんと当たっていることもあります。文体も、現実の幼子とは違うかも知れませんが、主人公の幼さと小説としての読みやすさを折衷した一人称で安定しています。大人たちをきちんと見ていた幼い頃の想いを貫く。その強さと尊さを味わえます。