第158話 『スーパーロボット大戦』シリーズの話 その11

 2008年9月25日、ついに『スーパーロボット大戦Z』が発売された。もちろん私も家電量販店で予約して購入した。

 ゲームが始まると、CGで作られたSDサイズのロボットが敵と戦うOPアニメムービーが流れ、水木一郎のタイトルコールが響き渡る。私にとっては『スパロボα外伝』以来のバンプレスト本家据え置き機スパロボということで、ゲームの進化に驚くことがたくさんあった。

 『スパロボZ』は戦闘アニメでも大きな進化をしていた。基本三人一組の小隊プレイで、三タイプのフォーメーションで敵チームとの相性が変わる仕様だった。かつては小隊を組むのにコストがあり、主人公機体ばかりの小隊は組みにくかったそうだが、コストがなくなったため自由に組めるようになった。

 また、空を飛ぶ機体と地上のみの機体がいるため、地上から空中への攻撃や、空中から地上への攻撃時にモーションを変えるという手間のかかる仕様を初めて実装した。機体の中には、特定の位置への攻撃時に武器演出が変わるという凝った物まであった。


 しかし私にとって最大の問題は、『宇宙大帝ゴッドシグマ』がどのシナリオから参戦するかということだった。スパロボは最初のシナリオから全ての参戦作品が揃っているわけでは無く、オリジナル主人公を中心にして仲間を集めていくというのが定例だった。

 私はネットで速解きプレイをしている人などの情報などを集め、女性主人公のシナリオの方がゴッドシグマの登場が早いことを知った。『スパロボZ』は男性主人公が荒廃した世界の地球からスタート、女性主人公が『Zガンダム』の地球から『ガンダムSEED DESTINY』の地球に転移するというスタートで、『ゴッドシグマ』や『宇宙戦士バルディオス』などのスーパーロボット作品が同じ世界にいる設定だった。

 スパロボは基本的に初参戦作品のシナリオを多めに取り上げることが多い。『ゴッドシグマ』もアニメの第一話にあたるシナリオ再現から、パイロット三人が合流しゴッドシグマに合体するまでの流れを丁寧に扱っていた。男性主人公側での登場は多元世界成立後、男女共通ルートの初合体面となる。ドットで作られた三体のロボットが合体し、三人の声優が合体コールの「トリニティチャージ!」を叫ぶ演出が入るのには感動した。


 しかし、戦闘シーンを見ても安原義人の声がいつもと違うという感想は覆せなかった。ネットで攻略情報などを調べているうちに、本作では一部のキャラクターの声がおかしくなっているという感想を複数から入手した。

 検証動画を確認するため、私は当時新興メディアだったニコニコ動画に初めてアクセスした。安原義人のジュリィを始め、複数のキャラクターの音声が実際より低めになるような音声レートのミスが起こっているのではないかというのだ。中には、女性キャラクターが老人のような声になっていたりと、テストプレイをすればすぐに気づくような台詞もあった。

 この音声ミスはネットでは「声バグ」「音声バグ」などと呼ばれ広まったが、バンプレスト側から公式の声明は出なかった。

 今回のようなミスがなぜ起こったのか、一つの可能性として、本作が予定通りに発売することを優先したのではという説がある。これまでのスパロボでは、よく発売予定日から遅れていたが、『スパロボZ』以降はほぼ予定日通りに発売するようになったからだ。

 なお、50万個以上売れた『スパロボZ』は後にベスト盤が発売されるが、「声バグ」と指摘されたデータはほぼ直っていたので、バンプレスト側も認識はしていたことが確認できた。このため、現在でもベスト盤は中古市場での人気が高い。


 次回も『スパロボZ』の話の予定だ。

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