第135話 土浦のTRPGサークルでの想い出 その1

 今回からしばらく、土浦のTRPGサークルでの想い出を語りたい。

 私を紹介してくれたマスターの本職はマンガ家で、主に18禁雑誌に執筆していた。仕事が忙しいのでなかなか参加することはなかったが、他のメンバーも魅力ある人々で、私のこともすぐ受け入れてくれた。

 サークルの会場はメンバーの一人の家だった。きょうだいが家を離れた後、二階の二間をつなげて自室として使っていたのだ。会場宅のメンバーは就職して横浜で働いていたため、彼が帰宅できる日に合わせて月2回ほどのペースで6人ほどのメンバーが集まっていた。

 メンバーは皆男性で、土浦近辺に住んでいたため自分の車で来ることが多かった。私は免許こそ取ったものの車は持ってなかったので、横浜から土浦まで鈍行列車で通っていた。土曜の昼に土浦に行き、セッションを夜通しして朝仮眠し、日曜の晩に帰宅するということが多かった。


 セッション中の食事はコンビニで買い出したり、車で土浦やつくばへ外食に行った。土浦ではモール505(第73話参照)に入っていたステーキ屋、つくばではサークルメンバーの一人が家族とやっていたお好み焼き屋によく行った。深夜に食べたくなったときには、当時珍しかった24時間営業の牛丼屋に行ったりした。

 近所のコンビニは当時茨城県に進出していたローカルコンビニ「スパー」で、メンバーの一人が生ハム好きでよく買っていた。私はここで初めて生ハムを食べた。

 日曜のお昼には、会場宅の母親が皆にチャーハンやサラダなどを作ってくれた。毎回押しかけてくる我々にもいつも愛想良く接してくれ、本当にありがたかった。


 時には、金曜の晩にメンバーの一人が会場宅のメンバーを迎えに車で土浦からやってきて、一緒に私の住むアパートにも迎えに来てくれた。三人乗りでアニソンのテープなどをかけながら首都高、常磐道を通って土浦へ向かう。時にはセッションが延びて電車では帰るのに間に合わないときもあり、横浜へ二人を送ってもらうこともあった。

 夜の首都高で湾岸線の明かりを見ながらのドライブは、松任谷由実の「埠頭を渡る風」や国武万里「ポケベルが鳴らなくて」のカップリング曲「もっと わがままなあなたでいて」を思い出させた。


 次回は実際のセッションについて語りたい。

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