第109話 母方の祖父母の葬式について

 メイルゲームの話をしばらくしてきたが、今回は母方の祖父母のお葬式の話をしたい。


 母方の祖父母の家は福島県になるが、私が就職してから帰省することはほぼなくなった。ただし、就職後しばらくして祖父母は相次いでガンで亡くなり、私は自宅で行われた葬式に出席した。


 祖父の時か祖母の時か忘れたが、葬式が終わった後、自宅の二階に伯父たち親戚が上がり、参列者は庭に出るよう促された。しばらくして、ベランダから懐紙に包まれた小銭が降ってきた。伯父たちはこの小銭を撒くため二階に上ったのだ。私もいくつか拾ったが、中には十円玉が入っていたと記憶している。


 ネットで調べてみると、この風習は「せん」と言われ、昔は日本各地で行われていたが、現在では減っているという。お金を籠に入れて振りまいたり、お金の代わりに菓子を撒くところもあるという。

 私が「撒き銭」のあるお葬式に出たのはこの一度きりである。


 母方の実家の菩提寺は自宅から車でしばらくいった山の中にあった。見晴らしのいい山の中腹にある墓地で祖父母は眠っている。


 祖父母の家には現在も伯父夫妻といとこである孫一家が暮らしている。増築や修繕したものの、Googleマップで見る限り昔の雰囲気が残っている。昔は木製の大きな車庫があったが、アルミのカーポートに建て直したようだ。

 私が好きだった家の近くの神社は、東日本大震災で鳥居が倒れ、奥に新しい鳥居が建てられている。東日本大震災の時には孫一家が私の実家に避難したこともあったが、幸い被害は少なかったようだ。近隣では震災復興後に新しい公園もできており、これからも自然の中で穏やかに暮らせるようにと願ってやまない。


 3人きょうだいの長女である伯母も同じ市内の嫁ぎ先で健在、伯父夫妻も元気だ。末っ子の母共々、長生きしてほしい。

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