第89話 フジテレビの深夜番組、テレビ番組雑誌の話

 1988・89年当時、私がもう一つ熱心に見ていたのがフジテレビのいくつかの深夜番組だった。

 まずは毎週土曜日 23:00~23:30に放送されていたとんねるずの婚活合同コンパ番組『ねるとん紅鯨べにくじら団』。長弟がとんねるずファンだったこともあり、一緒に見ていた。視聴者参加型の婚活番組は本作以前にもあったが、「ねるとん」という略語で合同コンパそのものを示すほどのインパクトを残したのはとんねるずの参加者いじりの力だろう。ウィキペディアによれば、自己紹介で二股ではないことを確認できる「恋人いない暦○年」や二人きりで親密な男女を表す「ツーショット」という単語も本番組発祥だという。


 当時のフジテレビは『JOCX-TV2ドゥー』という深夜枠で様々な番組を流しており、いくつかの番組は客間の2台目のテレビでリアルタイム視聴していた。もちろん親たちは寝ているので音量は絞っていた。

 中でもお気に入りだったのはダウンタウン等若手芸人が出ていたコント番組『夢で逢えたら』。当初はローカル番組だったが、私が視聴し始めたのは全国番組になり放送時間が早くなった1989年以降だと思われる。

 ある一年をテーマに当時のヒット曲や映像を流す『19XX』も環境映像的で良かった。


 1990年から始まった『カノッサの屈辱』も好きな番組だった。タイトルになっている歴史用語とは関係なく、仲谷昇扮する教授がメディアやアイテム等の歴史を歴史上の事件になぞらえて講義するという内容だ。パロディがはまることもあれば、無理くりなこともあったが、どんな風にこじつけるのか楽しみながら見ていた。


 他には短大卒業後がメインになるが、ビートたけしとたけし軍団の番組『北野ファンクラブ』、翌週開催されるイベントをネタにレギュラー芸能人がベットする『TVブックメーカー』、後に22時台に移動したニッチなネタのクイズ番組『カルトQ』、超能力兄弟が主人公のドラマ『NIGHT HEAD』、西洋甲冑姿のコスプレ軍団を駒にして芸能人がリアル軍人将棋対決をする『征服王』、片山まさゆきの麻雀マンガをアニメ化した『スーパーヅガン』等、毎週見ていた番組もたくさんあった。


 深夜番組等、ふだん見ていないテレビ番組を知るきっかけはテレビ番組雑誌が多かった。当時は様々な会社がテレビ番組雑誌を発行しており、私も発売日の水曜日にはコンビニで立ち読みしていた。ただし、購入していたのは連載コラムが充実していた『テレビブロス』のみだった。脚本家のインタビュー連載をしていた『週間テレビ番組』も『パーマン』に参加した脚本家を取り上げた回は残してある。


 次回は安原義人ファン活動の話を予定している。

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