第59話 高校時代に入手した『パーマン』資料の話

 一話空いたが、高校時代に入手したパーマン資料やグッズの話をしたい。

 高校生になり小遣いも増えた私は、当時まだ市中に残っていたパーマンのおもちゃや資料本を集めていた。『藤子不二雄ワイド』放送中は少ないながら新作グッズも発売され、私は空飛ぶパーマン1号にプロペラを付けて飛ばすおもちゃや、何種類も発売されたかるた、当時出回り始めた「水絵」の塗り絵などを購入した。


 以前紹介したデパートの古本市で購入したパーマン資料も大切にしていた。アニメパーマンのシナリオを数本入手したが、私はこのシナリオと本編を比べて見ることによって、脚本家のシナリオがそのままアニメになるわけではなく、絵コンテや演出の手が入って改変されることが多いことを知った。現在カクヨムで連載している『君はゴーディアンを知るか』も、本編解説パートはこの視点で解析することで深掘りしていくスタイルを取っている。


 余談だが、私が入手したシナリオには「吃驚」という初めて見る熟語があり、私は勝手に「きっきょう」と読んでいた。「びっくり」と読むことを知ったのは大人になってからだった。


 『藤子不二雄マガジン 月刊UTOPIA』も古本市で購入したものの一つだ。かつて運営されていた公式ファンクラブの会誌で、当時単行本未収録だった作品の再録や、読者のお便りで構成されていた。私が入手した号は『パーマン バードマンがやって来た!!』の公開直後で、映画の感想記事や設定資料が掲載されていた。ちなみに公式ファンクラブとはいえ、藤子アニメのレビューや感想は辛めなのが当時の雰囲気をうかがわせる。

 また裏表紙ではかつて藤子不二雄(藤子不二雄A)が執筆していた連載マンガ『マスクのXくん』の再録が行われていた。普通の男の子が宇宙人から「ちえと力のマスク」をもらい活躍するという内容で、『パーマン』のルーツとも言える内容にたいそう驚いた。本作も現在では単行本化されている。


 アニメ『パーマン』再放送のチェックとして重宝していたのが『ビッグ・コロタン18 藤子TVアニメ6大ヒーロー大集合』昭和62年(1987年)初版だ。『6大ヒーロー』とは『ドラえもん』『プロゴルファー猿』『忍者ハットリくん』『パーマン』『怪物くん』『オバケのQ太郎』である。

 中には本編のフィルムコミック再録や設定資料、全国版での放送リストなどが掲載されていた。見た回にチェックを入れられるようになっており、私は『アニメージュ』の放送リストや再放送で得た情報から各回の脚本家をリストに書き込んでいた。私の脚本家へのこだわりはここから始まる。


 古書店で入手したアニメ雑誌の『パーマン』や安原義人関連記事を切り抜き、A4のスクラッププックファイルに貼り付けるというのもずっと行っていた。ここで投稿者として見ていたパーマンファンの一人と、私は後年ネットで知り合うことになるのだが、その時が来たらまた語らせていただこう。


 次回はラジオ番組の話を予定している。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る