第53話 映画館や学校で見た映画の話

 予告と少し違うが、今回は映画館等で見た映画の話をしたい。


 我が家では映画館に行く習慣がなく、小学校時代にアニメ映画『じゃりン子チエ』を見に行ったのが唯一の経験だったことは前に述べた。私が二度目に映画館で映画を見たのは中学三年生の時、卒業祝いとして学年で映画鑑賞に行った時だ。当時水戸駅北口の銀杏坂近くにあった映画館でシャーロック・ホームズの学生時代を描いた洋画『ヤング・シャーロック』を鑑賞したのだ。話も面白く楽しい映画だった。


 高校卒業直後、私は三度目の映画館での鑑賞をすることになった。アニメ映画『機動警察パトレイバー the Movie』を見たいというHちゃんとSちゃんに誘われたのだ。

 本作は1989年7月に上映されたが、1990年4月上映作品である実相寺昭雄の特撮映画『ウルトラQ ザ ムービー 星の伝説』の併映作品に選ばれ、初めて水戸の映画館で上映されたのだ。当時水戸の上市うわいちにもいくつか映画館があったが、上映していたのは京成百貨店の向かい側の通り沿いにあった映画館だった。


 『ウルトラQ ザ ムービー 星の伝説』は特撮と言っても古代伝承等がテーマの地味な作品だった。『機動警察パトレイバー』はアニメは未見だったが、OVAやTV版の主題歌等は当時私が聞いていたラジオ関西のアニソンラジオ番組『青春ラジメニア』でかかっており、『機動警察パトレイバー the Movie』のイメージソングである笠原弘子「約束の土地へ」や川井憲次作曲のED「朝陽の中へ」もここで先に聞いていた。

 『機動警察パトレイバー the Movie』はコンピューターウイルスという最先端のテーマと犯人の足取りを足で地道に調査するというパートのコントラストが印象深かった。しかし、クライマックスでどうしてもトイレが我慢できなくなった私は中座し、戻ってきた時にはED「朝陽の中へ」がかかっていた。

 「約束の土地へ」は現在でも好きな曲で、カラオケDAMで歌うと気合の入った『機動警察パトレイバー the Movie』本篇ダイジェスト映像が流れるのでお気に入りである。


 高校時代、印象に残っている作品がもう一つある。『ローマの休日』だ。三年生の卒業直前時期、視聴覚室で映画鑑賞をするという時間があり、『ローマの休日』がかかったのだ。名前こそ知っていたものの、私は初めて『ローマの休日』本編を鑑賞した。そして、アニメ『パーマン』でパーヤンがお忍びで町に出た王女様をかくまう482話(DVD版準拠)「パーヤン大阪の休日」が本作のパロディだということがようやく分かったのだった。


 私がカクヨムコン8用の新作として発表した短編『「UFOクレープ」の休日』は、自作『俺たち「連星コンビ」』の前日譚であるが、『ローマの休日』のパロディでもある。本作のヒロイン枠であるローラ・エラミスが大企業のお嬢様ということから、普通の高校生である京極きょうごく定満さだみつと出会わせるためにお忍びというモチーフを使わせてもらった。さしずめ「ローラの休日」である。

 次回こそは学校の授業の話をしたい。


「UFOクレープ」の休日

https://kakuyomu.jp/works/16817330651239168179



 

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