第47話 文芸部の夏合宿の話、『続・バード星への道』の話

 高校二年生になり、文芸部にも後輩の一年生が入ってきた。なお、合唱部の掛け持ちも続けており、週に二日の活動日は部室に通っていた。

 部室では相変わらずお茶をしながら語り合うという毎日だったが、文化祭用の文芸誌制作にかこつけて夏合宿をしたいという話が持ち上がった。幸い顧問の許可も取れ、私たちは校内で夏合宿を行うこととなった。


 宿泊場所は敷地の奥まった場所にある木造の一軒家だ。コンクリートの校舎の奥にこんな場所があるとは全く知らなかった。もしかしたら最初の中学校の時の平屋のように、宿直室として使われていたのかもしれない。

 夕食は校内の炊事室でお決まりのカレーを作り、お風呂も校内のシャワー室で済ます。顧問は自宅に帰ったため、生徒のみで一軒家に宿泊することとなった。

 この日は確か水戸市内で毎年行われる夏祭り「黄門まつり」が行われており、微かに喧噪が聞こえていた。合宿と言っても小説を書くでもなく、UNOやトランプ、部員の一人が持ってきたアニメ雑誌付録の『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』台本を使ってアフレコごっこをして遊んでいた。

 私は例によって家の内部を見学しながら、ここでの昔の暮らしぶりを想像していた。

 文芸誌は無事完成したが、合宿は結局この一回のみで終わった。


 一方、パーマン二次創作の方も『パーマン・パラレルワールド・ストーリー・シリーズ』Vol.4『続・バード星への道』執筆に取りかかっていた。本作は小学校時代の林間学校で行った山中湖近くの青木ヶ原樹海が重要な舞台になっている。

 また、タイトルに「バード星」とあるとおり、本作ではアニメ・原作では複数の設定があるバードマンの故郷、バード星の設定固めのため、地球近辺の恒星系について調べた。結果として連星軌道の観測情報のある「はくちょう座61番星」をバード星として設定するが、これは原作・アニメとも違う独自設定だったため、後の二次創作では改めて設定し直すこととなる。この設定は中学時代には固まっており、同時期に書かれたオリジナル作品『せ・ん・ぱ・い!』の「連星コンビ」に影響を与えている(『カクヨム』リライト版タイトルは『俺たち「連星コンビ」』)。


 また、本作では地球にバードマンが7人赴任していたという設定を追加し、オリジナルのバードマンキャラを出すという暴走を始め、いよいよ二次創作展開に拍車がかかることになる。


 下書きを終え、ノートに清書を開始したのは1987年6月なので、夏合宿より先に書き始めていたことが分かる。87年8月末に清書は終了した。


 次回は高三時代の文芸部について語りたい。

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