第39話 キンモクセイの花、青焼きコピー、小説の草稿、イラストについて

 私はキンモクセイの香りが好きだ。1980年代にはトイレの芳香剤に「キンモクセイの香り」という商品があり、トイレを連想する人も多かったようだ。しかし、花は小さいけれども香りで存在を主張するキンモクセイのように生きられればいいと思った私は、中学二年生の時に書いていた大学ノートの日記の表紙に「キンモクセイの花のように」と書き込んだ。

 日記の1ページ目にはいつか書こうと思っていたパーマンたちの子ども世代二次創作の文章として「キンモクセイの花のように生きたい」という台詞の入った文章を書いた。『ドラえもん』24巻を読んで大人になった星野スミレの登場に驚いたこともこの日記に書いてある。


 大分記憶が曖昧だが、私が図書委員会のメンバーだった時、給食時の校内放送として「シートン動物記」の話を朗読したことがあった。この時本を借りる代わりに学内の青焼き(ジアゾ式)コピー機で朗読で使うページをコピーしてもらったのが、私がコピー機に触れた初体験である。小学校時代からガリ版用の透写紙は使っていたが、青焼きコピーは物珍しかった。朗読が終わった後、私はコピー紙の裏をメモ用紙にして再利用した。


 パーマン二次創作の草稿を授業中に書いていたことは前に語った。授業中はルーズリーフに書いていたが、中間テストの余った時間にも問題用紙の裏に草稿を書いていた。この草稿を自宅でノートに清書するのだ。最初は普通の大学ノートを使っていたが、巻を重ねるにつれて、ノートにも凝りたいと思い、文房具店でファンシーノートを購入した。大体一冊では終わらないので、同じ装丁のノートを色違いで3冊ほど購入していた。


 私は絵が苦手だが、無謀にも小説用ノートの余ったスペースにイラストを入れたり、授業のノートにキャラクターのカットを描いたりしていた。だが、授業用のノートにそのまま絵は残しておけない。コピーも気軽に出来ない時代だったので、私が編み出したのは大きなトレーシングペーパーを買ってきて、カットを写し取るという物だった。写し取った絵は色鉛筆で着彩して楽しんでいた。


 次回は高校受験の話をする予定だ。

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