第35話 合唱部入部のこと
今回からしばらく、中学校時代の部活動について語りたい。
中一の秋に転校した私は、前の中学校で入っていた演劇部がなかったので、代わりに合唱部に入った。元々歌うことも好きだったし、小学校時代にクラス対抗の合唱コンクールがあって合唱の面白さも知っていたからだ。二年生になったタイミングだったろうか。
合唱部は校舎三階の端にある音楽室で行われており、音楽準備室が部室代わりだった。ちなみに、別棟のメインで使われていた音楽室は吹奏楽部の部室になっていた。いざ入部する段になって尻込みして座り込んだ私を、合唱部の同級生が引きずって音楽室に連れて行った。
入部した私は、どのパートに入るか決めるため、ピアノに合わせてオクターブを上げながら歌った。判定は「メゾソプラノ」。アルトとソプラノの中間だ。大体の合唱曲はソプラノがメインパートなので、メゾソプラノはハモり担当となる。ただし歌っている間にかなり音域が広がったので、現在ではソプラノやアルトもある程度カバーできるようになっている。
私の中学校は吹奏楽部強豪校だったが、合唱には特に力を入れていなかった。合唱部顧問の音楽教師は女性で、赴任してから合唱コンクールで入賞することを目標にして精力的に指導していた。放課後部室に集合すると、まずは腹筋を鍛えるための上体起こしから始まる。足を他の部員に押さえてもらいながら交互に行い、終わるとピアノの周りに集まり発声練習をする。その後各パートに分かれて課題曲を練習し、ある程度覚えると合唱して調整するという流れだ。
合唱部の大きなイベントは、NHK全国学校音楽コンクールの地方大会だった。コンクールには課題曲と自由曲があり、Wikipediaにある各年度の曲紹介を見て確認したところ、中二の1984年度は「ひとみ」、中三の1985年度は「ミスター・モーニング」を歌ったことを思い出した。しかし、高校生の課題曲の中にも歌った記憶がある曲が多数あり、顧問が難しめの曲を積極的に取り上げていたことが分かった。「ひとつの朝」「わが
特に印象に残っているのはコンクールの自由曲として歌った「
次回は部員たちとの絡みを取り上げたい。
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