第6話 TV番組の想い出
我が家では夕食中のTVが一時禁止だったことは後に述べたが、夕食後は母親と子どもたちでトランプの7並べをするという時期もあった。母親としては子どもたちと触れあう時間を作りたかったのだろうが、お陰で夜8時台の番組はほとんど見ていなかった。
そんな中でも家族で毎週見ていたのはNHKの『連想ゲーム』『クイズ面白ゼミナール』、TBSの『クイズ100人に聞きました』などのクイズ番組や、フジテレビの『家族対抗歌合戦』、テレビ朝日の『暴れん坊将軍』テレビ東京の『大江戸捜査網』などの時代劇だった。夜10時以降は寝る時間ということでTVは見られなかったが、親が見ていた『必殺仕事人』シリーズは殺しのテーマが聞こえてくると子ども部屋から耳をそばだてていた。
母親が台所で夕食を作っている間はTVを見てもおとがめ無しだったので、当時再放送されていたアニメ番組を見るのが常だった。『ママとあそぼう!ピンポンパン』の終了後もアニメ再放送枠になったので、『マジンガーZ』等、未見のアニメを楽しんでいた。もちろんリアルタイムで放送していたアニメも多く、藤子アニメやタイムボカンシリーズ、名作劇場やNHKの30分アニメなど、様々な作品を見ていた。
一方、特撮作品は再放送もあまりなく、リアルタイムで見ていたのは戦隊シリーズや不思議コメディシリーズだった。ウルトラシリーズは早朝に再放送枠があり、寝ている親を尻目に起き出してTV局の映像テストから始まる画面を弟と見ていた。夏は見終わるとそのままラジオ体操に向かったものだ。
子ども時代から私の好きなTVクリエーターをあげると、藤子不二雄、笹川ひろし、浦沢義雄、皆数多くの作品を見てスタイルが染みついている方々だ。
実写ドラマはあまり見ていなかったが、子ども向けの『ケンちゃんシリーズ』『あばれはっちゃく』『刑事犬カール』などは覚えている。
近年はソフト化やCS放送、配信等で様々な作品が見られるようになったが、放送当時から再放送された形跡がなく、もう一度見てみたい作品もある。ローラーゲームのブームを受けて作られた外国アニメ『スピードローラー猛レース』や、ことわざを学ぶアニメ『まんがことわざ物語』等である。
我が家に二台目のTVが来たのは小学校6年頃。モノクロのポータブルTVだった。たまたまNHKで再放送されていた『ひょっこりひょうたん島』を見たのを覚えている。
このポータブルTVの真価が発揮されたのは帰省のドライブ中だった。我が家は高速が混まない時間帯ということで大みそかの紅白歌合戦中に帰省するのが常だったが、ドライブにポータブルTVを持っていき、紅白歌合戦を映したのだ。ジュディ・オングが『魅せられて』を歌っていた。
ただしポータブルTVの活躍時期は短く、後に改めて二台目のTVを購入することとなった。我が家にビデオデッキが導入されたのは中学生以降なので、ビデオデッキにまつわる話は改めて語りたい。
学校でも道徳の時間などでTVを使っていたが、基本は観音扉付きのケースにしまわれていたと記憶している。
帰省先ではチャンネル権がなく、普段見ない番組を見るのも貴重な経験だった。たまたま見た『西部警察』が刑事の誰かの殉職回だったり、地方局で普段見られないアニメの再放送を見ても続きが見られないのが残念だったりした。
次回は帰省や旅行時の話をしたい。
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