第1章【3】meet急展開
僕が好きな人が五月だということを知っているのは、弘樹だけだった。
その日放課後、僕と弘樹が一緒に電車に乗っている時に弘樹は藤本さんのことを話し始めた。
「五月ちゃん転校しちゃったな。なんで転校したんだろうな。」
弘樹も僕と同じことを考えてた。
沈黙が続く。
「ごめん、そんなのわかんないよな。悪いことした。」
弘樹。こいつはほんとにいいやつだ。僕は、またそう思った。
そんな、話をしているうちに僕は最寄りの駅に着き、電車を降りた。
家に向けて駅のロータリーを歩いる時だった。
「あれっ、西川くん?やっぱり。」
あっ。
つい大きな声が出てしまった。
僕に話しかけてきた人は、藤本さんだった。
久しぶりですね。
すぐには、どうして転校したのかを聞く勇気は僕にはなかった。
「西川くん。今から、一緒にご飯でも食べに行かない?」
はい。
僕は、間違えてすぐに「はい」と答えてしまった。僕の中には、どうして藤本さんのような人が、僕をご飯に誘ってくれたのか分からなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます