4,コウモリモドキへ猛攻を
グレイスは今、同じくバイトのシャーロットと話していた。
「おはよう、グレイス。今日は早かったんだね」
「ビル、元気?」
「元気だよ」
「でも、今日の客、結構面白いよね」
「そりゃそうよ。ピエロ2人って前代未聞。まあ、注目はバレンタインメニューが
どれだけ売れるかだよね」
「正直そんなに売れない気が・・・・・」
「ただいま!!!!おお、シャーロット、来たのか!!」
「そうで~す。マスター、おはようございま~す」
帰ってくるのが少し遅かったかな。なんの話をしていたのだろうか。
「ああ、注文聞いてきた。ひとまずカレカノジュース1つだ。グレイスは少し
休んどいてもいいぞ。悪いがシャーロット入れて、持ってってくれ」
今日のマスターはやけに疲れていた。
結局のところ、トウモロコシはすぐに採れたので私がカレカノジュースを運ぶ
ことになった。トウモロコシは意外と強く、D-3に住んでいる人からもらった。
それを今育てているのだ。実際、そこら辺の元畑にもトウモロコシらしきものが
生えていた。それはシャーロットが絞って『ノンカフェイン!!モロコシコーヒー』
をつくるのだ。このコーヒーはトウモロコシを絞って出てくる液90%とカボチャの
液を10%混ぜたコーヒーだ。液は意外とサラサラしていてコーヒーにピッタリ。
少しトロっとしているところはカボチャの影がある。それがあれば砂糖もいらない。
「お待たせしました。オリバーさんご要望のカレカノジュースでございます。
追加の注文はいかがでしょうか?」
「はい!!私、『意外とちょうどいい美味さのHOTパン』にします」
「了解しました。ジャムにしましょうか、バターにしましょうか」
「ジャムで」
「了解しました」
ここは遠いので早く移動しようと思い、コウモリとなって屋台へ戻った。
グレイスは休憩中にさっき追跡してきた一行を探していた。気づかれないよう、
コウモリ姿でだ。さっきの一行は少し怪しげがあり、なんか嫌な感じがあった。
「なあ、あいつこの先無理やり服でも脱がさねぇか心配だぜ」
「その前に、キスから行くんじゃねぇか?」
(いたー!!!!!!って、いきなり変な話しないでくれる?)
そこにはさっき見かけた人間モドキと狼男、コウモリモドキが中腰でカフェの
植え込み風インテリアに隠れていた。
カシャカシャ
誰かが閃光のごとく速さでシャッターを切っている。フラッシュしてるの、
気づかないのだろうか?
って、あいつやったな?あの本家コウモリの前でコウモリを装るコウモリモドキめ!
グレイスはコウモリモドキの野郎に襲い掛かった。まずは耳を噛んで、次に鼻に
引っ付いて噛みつこう・・・・・と思ったがその前にコウモリモドキが反撃した。
「何こいつ何こいつ何こいつ何度けどけどけどけどけ離せ離せ離せ・・・・・
ウワァァァァッッッッッ!!!!!!!!!!動いた動いた早くどっか行け早くどっか行けもういい飛べ飛べ飛べ飛べ飛べ飛べ飛べぇぇぇ!!」
うるせぇ野郎。グレイスの小さなコウモリの身体なんぞ、破裂してしまいそうな
絶叫だ。マジでムカつくんだけど。
ガブッ
「いてぇいてぇいてぇいてぇ痛い痛い痛いイタイイタイ※§%*@⇔♯×∞〆」
今度こそ音波で吹っ飛ばされそうになったが必死に耐えた。
もう少しコウモリモドキの顔をもぞもぞと歩くと―――
「アァァゥゥゥゥゥ」
バタン
グレイスはコウモリモドキをあっさりと倒してしまった。
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