第15話


「ふう、こんな所か」


周りのコボルトを集めて剥ぎ取りをしていると彼女が僕の服を引っ張る。


「ねえ」


「なんですか?」


「村の方角が赤いんだけど…」


「え?」


そう言われてみれば赤いような…


「あ、ああ…」


他の皆も言われて気付いたようだ。


「燃えてるように見えるのは私の見間違いかしら」


「燃えてんな」


たしかに村の方向が赤く、黒煙が立っている。あれは火事だろう。


「まずくない?」


「走るぞ!!」


ファストさんの珍しく焦った声で我に帰った僕たちは戦闘後の一息もそこそこに村へ駆けだす。


「ああもうっどうしていつもいつも!」


「お前に言われると重みが違うな」


「笑いごとじゃないですからね!」


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