第3話
依頼のあった村へ行き、目に付いた村人へ声をかけて返ってきた言葉がコレだったんで僕たちは揃って顔を見合わせた。
こんなに歓迎される覚えは無いぞ。
困惑している僕たちを他所にその人は自分を村長だと言い張った。
立ち直りが一番早かったリーシャさんがとりあえずというように言った「話を聞かせてくれる?」という言葉に村長は二つ返事で自分の家に案内してくれた。
僕たちはちょっといいお茶を貰いつつ村長さんの話を聞く事にした。
「ここから少し行った所に魔神が住み着きまして、幸いにも私どもを無差別に襲うという事はなかったのですが、その代わりとして生贄を1人求められまして」
「ここから少し行った所に魔神が住み着きまして、幸いにも私どもを無差別に襲うという事はなかったのですが、その代わりとして一つ要求されまして」
「それが生贄ってわけね」
「ええ、村人全員が食べられるよりは、と村で話し合って相談した結果、一人差し出す事になった次第です」
「ふーん、それが今年?」
「いいえ、それは去年の事になります」
「は?」
「あー失礼、という事は今年も一人出すと?」
受け答えしていたリーシャさんが呆けたのでファストくんが確認すると村長さんはさも当然のようにあっさりと「ええ」と答えるのでリーシャさんに火が着いてしまったようだ。
「つまり、なに?一人で済んだから今年は無いとでも思ったわけ?」
身を乗り出して詰め寄るリーシャさんに村長さんは目を白黒させてしまう。
「ふっざけんじゃないわよ!!あんたひとの」
「ちょっちょっとリーシャさん落ちつきましょ?ね?ほら、外に…」
僕は慌ててリーシャさんを宥めて外に連れ出して残った二人にあとを任せる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます