失敗作供養・異世界もの~最後は現実世界に戻って強制終了~

シカンタザ(AI使用)

失敗作供養・異世界もの~最後は現実世界に戻って強制終了~

まえがき

初めて異世界ものを書いていましたが、あまりにも酷い出来であったため予定にしていた1万文字に行く前に終わらせました。

反面教師として目を通したいというのでしたら、このまま読み進めてください。


前編・異世界に転生するまで


佐藤直哉19歳、普通の大学生だ。大学の講義を受けたら寄り道もせずに帰った。

「さてと」

PCに文章を入力する。作家を夢見て小説投稿サイトに小説を投稿している。異世界が舞台のものが多い。だがなかなかウケない。投稿した小説のコメントには

「面白くありませんね」

「設定が安易でつまらんなあ」

などと書かれている。直哉はそのコメントに対して

「そうですか?結構面白いと思うんですけど?」

などと反論する。自分でも面白いと思っているからだ。しかし誰も共感してくれない。反論したせいで言い争いとなってしまうこともしばしばだ。匿名掲示板で自分が利用している小説投稿サイトの話題を扱うスレッドは見ないようにしている。サイトのアカウント名でSNSもやっていない。

今度投稿する小説の第1話は自分にとって会心の出来だった。コメントをチェックするとまたもや辛辣なことが書かれていた。

「この程度のストーリーなら誰でも思いつきますよ。あなたプロを目指しているんでしょう?もっとオリジナリティのある作品を書いてください。これではアマチュアですらないですよ」

「これは酷い。チートすぎるだろう。こんなの読んで誰が喜ぶんだ?頭おかしいんじゃねえのか?」

「そもそも敵役が弱すぎませんか?なんですかあの雑魚っぷりは。」

「こんな設定だと読者が離れるだけだろ。」

「どうせ書くなら異世界モノではなく現実世界を舞台にしたものの方が受けると思いますよ。」

「現実感がなさすぎですねえ」

「主人公最強はいいとして、ヒロインは何者なんだ?強すぎるぞ」

「ヒロインの容姿をもっと詳しく描写しろ」

「ヒロインが可愛くない」

「ヒロインがうざい」

「戦闘シーンの描写不足」

「主人公の性格が悪い」

「設定の説明ばかりで飽きた」

「展開遅すぎ」

「ご都合主義過ぎる」

「世界観がつまらない」

「キャラの個性がない」

「戦闘シーンをもっとしっかり書け」

「お前の作品を読んでいる暇はないんだよ!消えろ!」

「もう読む価値もない」

「二度と小説を書くな」

「クソみたいな作品を書きやがって」

「低俗なゴミ」

「読みたくなかった」

批判ばかりが溢れて直哉は怒りのあまりこう返した。

「そこまで言うなら自分は面白い小説書けるんですかね?」

「ほならね理論来たwwwwww」

「創作者として恥ずかしくないの?」

「嫌ならやめたら?」

自信作は散々な結果となり、直哉は断筆した。1週間後、改めてコメントをチェックすると

「いろいろ否定的な評価がされてますけど、私は面白いと思います。続きを読みたいです」

という新着コメントがあった。それを見て再び執筆してみる気になった。第2話は主人公が伝説の剣を手に入れる話だ。

主人公は伝説の剣を手に入れて、仲間達とともに冒険の旅に出かける。その後はその旅の途中で出会う人々との交流も描く予定だ。

第2話を投稿するとまたもや批判的なコメントが多く寄せられた。

「設定の説明が長い」

「話がつまんねえ」

「もっとテンポよくしろ」

「説明多すぎ」

「キャラが多いからまとめろ」

「文章力皆無だなあw」

「この程度なら小学生でも書ける」

「この程度の設定なら誰でも思いつく」

「チート過ぎる」

「面白くありませんね」

「もっとオリジナリティのある作品を書いてください。」

「現実感がなさすぎますね」

「こんな設定だと読者が離れるだけだろ。」

「こんなん誰でも思いつきますよ。」

「チートすぎる」

「ヒロインが可愛くない」

「ヒロインがうざい」

「戦闘シーンの描写不足」

「もっとオリジナリティのある作品を書いてください。」

「主人公の性格が悪い」

「ご都合主義過ぎる」

「世界観がつまらない」

「あああああ!!」

直哉は発狂し、PCの電源を切ってその日は寝てしまった。

大学に行っても批判コメントを思い出す。校内にいる学生も自分のことを馬鹿にしているんじゃないかと思うようになる。

「あれ見て。佐藤君よ。」

「あいつまた変なこと書いて投稿してたんだって?」

「俺見たよ。チートとかハーレムとかばっかりでつまらなかったわ。」

「ほんとそれ。」

「あんな小説投稿サイトなんか見るんじゃなかったぜ。」

「そうだね」

言っているはずのない言葉が脳内に響く。

「そんなこと言わないでくれ。」

「俺はただ、小説を書いているだけなのに。」

「なぜみんな俺を否定するんだ?」

「誰も理解してくれないんだ。」

「誰もわかってくれない。」

「もう、どうすればいいのかわからない。」

心の中で呟きながら直哉は黙々と講義を受けていた。

家に帰ると直哉は小説を執筆していた。散々な評価だけど、書くことは好きだ。1話を褒めてくれたあの人が2話にも好意的なコメントをくれた。期待に応えたい。PCに文章を打ち込んでいると部屋がぐらぐらと揺れているのを感じた。

「地震?」

速報が流れてないか調べるがどこにも地震の情報が出ていない。

「気のせいだったのかな?」

そう思い、小説を書く作業に戻ろうとしたらモニターが光り輝き、体が吸い込まれていった。

「うわーっ!」


後編・異世界編

「は!?」

気づいたとき、直哉は異世界にいた。異世界に来たとなればまずヒロインとの出会いだろ、と思い直哉は街に入り、人気のない通りの様子をうかがった。

「やめてくださいよ!本当に!」

1人の金髪碧眼の美少女が男3人に絡まれていた。マジ!?ここで助ければお付き合いできるじゃん!っと直哉は助けに行った。

「おいやめろ!」

男3人に勝てる気満々だった。結果、瞬殺だった。

「あ、ありがとうございます」

「あーはいどういたしまして……」

「私はエリシア・ヴィレントです」

「俺は佐藤直哉です」

「え?…………まさかあの?」

「はいそうです」

「すごい!!本物ですか!?」

「まぁそうですね」

「握手してください!!」

「いいですよ」

「きゃーー!!!」

「何?俺って有名人なの?」

「だって、預言書によれば、この世界を救いに現れる者の名が佐藤直哉なんです。それにさっきの男3人を素手で瞬殺したあの強さ。間違いない!あなたこそ救世主です!」

直哉は異世界転生で手に入れた圧倒的なパワーに酔いしれた。

「じゃあ、ここを統治する人のもとに案内してくれる?俺が世界を救うから」

「はい。改めまして、私はエリシア・ヴィレントです。この世界の人間側の王の長女です」

「へぇ……それで?」

「それでとは?」

「なんでそんな人がこんなところにいるわけ?」

「それは夢枕に預言書を書いた聖者が現れ、ここに来るように告げられたからです」

「ふーん」

「ではついて来てください」

「ちょっといいかな?俺のことを呼ぶときは『直哉』でいいよ」

そして直哉は謁見の間に連れてこられ、玉座に座っている人物の前に連れていかれた。その人物は黒髪ロングで長身、眼鏡をかけており、いかにも仕事ができますという雰囲気を醸し出していた。

「父上、預言書に書かれた救世主、佐藤直哉殿です」

「おお。よくぞ参られた!私は……」

「はいカットー!!!」

「えっ?」

「今の声誰だよ!お前ら2人とも棒読みすぎんだろうが!もっと感情込めて喋れや!」

「しかし、台本には……」

「うるせぇ!ここはこうだろうが!ほらもう一回やってみろ!」

「はい」

「どうした?救世主様よぉ?ビビッてんのか?」

「ビビるわボケェ!!!」

直哉は渾身の右ストレートを目の前の人物に繰り出した。

「グハッ!」

殴られた男は後ろに倒れ込んだ。

「「国王陛下!?」」

周りにいた男たちが倒れた男の元に駆け寄った。

「なにすんじゃコラァアアア!!!」

今度は後ろで控えていた男が殴りかかってきた。

「オラァッ!」

だが、直哉はその拳を掴み取り、背負い投げをした。

「ウギャアッ!」

「うわあああっ!」

周りの連中が騒ぎ始めた。

「おい!あいつらはどこ行った!?」

「わかりません!」

「探せ!」

「見つけ次第殺せっ!」

「ちげぇねえ!!」

「ヒィイイッ!!」

エリシアが悲鳴を上げた。

「逃げましょう!」

2人は逃げ出した。

「待てやゴラァアアア!!!」

3人の男達が追いかけてきた。

「なんで俺だけこんな目にぃいいいっ!!」

それから2時間後、2人は城のバルコニーに出て一息ついていた。

「君が合わせたのは国王じゃなかったのかよ?」

「私が本当の国王だよ」

目の前に白装束を着た女性が現れた。

「誰だ!?」

「私の名前は神奈月琴音」

「神様か?」

「そうだよ。女神だよ。そして国王でもある」

「エリシアの母親なのか?」

「そうです。処女懐胎により私を身ごもったのです」

「へぇー……」

さすがは異世界だなーと妙な感心をした直哉。

「この世界の魔王を倒せば世界を救ったことになる。そしたらエリシアを連れて現実世界へ帰って幸せに暮らすがいい。2人は両想いなんだから」

「話が早いっすね……。で、魔王ってどこにいるんですか?」

あの山の中が魔王の住処だ。城下町で仲間を集めてから倒しに行けばいい。エリシアは回復魔法が使えるから。

「はい」

直哉とエリシアは酒場に行った。そこにいたのは、

ガタイのいいスキンヘッドの男、長い髪をポニーテールにしている女、無精髭を生やし、片目を隠している男がいた。

ガタイのいいスキンヘッドの男「あんたが救世主様かい?俺はゴードン・バニングス、職業は格闘家。よろしくな」

長い髪をポニーテールにしている女「あたしはマリー・スティリオー、剣士。よろしく」

無精髭を生やし、片目を隠している男「俺はエリック・パルード、魔法使いさ。よろしく」

「直哉、3人はこの世界で最も強いと言われている人たちよ!」

「そうか!よろしく!」

日が暮れてきたので宿屋で一泊してから魔法のもとへ行くことにした。

そして山に行き、道中の魔王の部下たちを倒し、ついに魔王との戦いが始まった。

「よく来たな救世主よ!我は魔王!貴様にはこの世で最も残酷なことをしてやる!」

「はいカットー!!」

「えっ?」

「だからセリフが違うんだよ!もっと気持ちを込めて言えよ!」

「しかし台本には……」

「うるせぇ!ここはこうだろうが!ほらもう一回やってみろ!」

「はい」

「どうした?救世主様よぉ?ビビッてんのか?」

「ビビるわボケェ!!」

直哉は渾身の右ストレートを目の前の人物に繰り出した。

「ウガッ!」

殴られた男は後ろに倒れ込んだ。

「「国王陛下!?」」

周りにいた男たちが騒ぎ始めた。

「待てやゴラァアア!!」

3人の男達が追いかけてきた。

「なんで俺だけこんな目にぃいいっ!!」

それから2時間後、直哉たちは山のふもとについて一息ついていた。

「あれは魔王じゃなかったのかよ?」

直哉が困惑しながら話す。

「私が本物の魔王だよ」

目の前にいたのは黒髪ロングの女だった。

「誰だ!?」

直哉が叫んだ。

「私の名前は神奈月豊音」

「魔王か?」

「そうだよ。魔王だよ。そして女神の妹でもある」

「お前を倒すことで世界が救われることになるんだが……それでいいのか?」

直哉が問うと

「私はこの世界に生まれてからずっと女神であり魔王として生きてきた。でも本当はお姉ちゃんみたいに人間と仲良くしたかったの。」

そう言いながら豊音は自分の胸に手を当てた。するとあたりが輝き始めた!

「なんだこれっ!?」

「これが私の本心よ!あなたになら話せると思ったの」

光が収まると、そこには黒いドレスを着た女神の姿があった。

「私を倒して!」

「わかった」

直哉は全力で殴りかかった。

「ウグッ」

殴られた豊音がよろめいたところをすかさず直哉は蹴り飛ばした。

「グハッ」

倒れたところにさらに追い打ちをかけようとした時、

「ちょっと待ってください!!」

声の方を見ると、エリシアが立っていた。

「どうした、エリシア?」

「本当にその人を殺すんですか?」

「殺すさ、こいつを倒せばみんな幸せになれる」

「本当にそうなんですか?私にはできません!」

「エリシア、これは俺たちの問題だ。君は関係ない」

「関係あります!だって私たち両想いじゃないですか!」

「エリシア、それは君の思い込みかもしれない」

「そんなことありません!!それに私、知ってますから。勇者様は魔王のことが好きってことを」

「なにっ!?」

「エリシア!何言ってるの!?」

「豊音おばさん、隠さなくていいんだよ?勇者様も素直になって」

「……」

「……」

見つめあう2人。先に口を開いたのは直哉だった。

「ごめん、俺は君とは付き合えない」

「どうしてですか!?」

「俺はエリシアが好きなんだ。エリシアだって俺のことが好きだろう?」

「はい」

「俺はエリシアと一緒に生きていきたいんだ」

「嬉しいです!」

抱き合う2人を見ていた豊音は、

「あーもう!そういうのは他所でやってよね!」

「なんだよ、お前も俺のことを好きなんじゃないのか?」

「誰があんたなんか好きになるもんか!」

「じゃあなんでここにいるんだよ?」

「そりゃ魔王を倒したら願い事が叶うっていうじゃん?」

「はぁー」

「ため息つかないでよ!」

「まあいいや、とにかく魔王を倒さないとな!オラァ!」

ドゴォ!直哉の渾身の右ストレートが豊音の顔面をとらえた。

「うぎゃああああああああああああああああ!!!!!」

豊音は倒れた。こうして世界は救われた。

「佐藤直哉様、万歳!」

城で記念式典が開催された。

「よくやったな直哉!」

「琴音、これでよかったのか?」

「いいんじゃないか?それよりこれからどうする?」

「そうだな、とりあえず世界を救えたし、ゆっくりしようかな」

「じゃあさ、今度こそ私と結婚しようよ」

「またそれか、でもしょうがないな」

「え、どういうこと……?」

エリシアが困惑の表情を見せる。

「ふっふふふふふふ、ようやく気づいたか」

直哉が不敵に笑う。

「そうだよ、俺たちは……すでに愛を誓いあっていたんだ!」

「はぁっ!?」

「ふふ、やはりこうなる運命だったのだ」

琴音がほほ笑む。

「ちょっ、ちょっと待てよ」

その場に割り込んできたのは直哉×エリシア派の男だ。

「エリシアがかわいそうだろ!」

「うるせぇ!」

直哉の渾身のアッパーが男の顔に決まった。男は地面に倒れこんだ。

「直哉!やりすぎだぞ!」

琴音がたしなめる。

「ふんっ、こいつは琴音を傷つけたんだ。当然の報いだよ」

「そうだな。だが少しは手加減してやれ」

「仕方ねぇな」

直哉は渋々拳を収めた。

「ちょっと待ってください!」

今度はエリシアの声だった。

「私と直哉の結婚を認めないなんておかしいですよね?」

「残念ながら俺は琴音と現実世界へ戻って結婚して家庭を設けて幸せに暮らすんだ」

「ひどい……」

泣き崩れるエリシア。

「お前はエリシアと結婚しろよ!」

さっきの直哉×エリシア派の男がまた来た。

「引っ込んでろ!」

直哉の強烈なパンチが男の腹に入った。

「グハッ」

男は倒れた。

「全く、邪魔ばっかり入りやがって」

直哉が吐き捨てるように言うと、後ろから声をかけられた。

「そう怒るな」

振り向くとそこには豊音がいた。

「豊音!?」

「お前らがこの後現実世界で幸せに暮らすからこうしてお祝いしに来たのに」

「お前は俺に倒されたはずじゃ……?」

「倒されてやるわけないじゃん。あんたが油断した隙を狙って逃げたんだよ」

「ちっ、汚い奴め」

「なーんとでも言いなさい。私はこの世界で生きて行くって決めたの。今度は魔王じゃなく人間のために働く女王としてね」

「そうか……こっちの世界のことは頼んだぞ!」

こうして、直哉は琴音を連れて現実世界に帰った。


完(あまりにも酷い出来なので強制終了)

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