第12話 狐の神様

実家へ帰省した冴子は、そこで、亡くなった祖母に出会い霊魂と話した。

そして、父の木村修一から昔話しを聞いた。


そこへ狐神様が姿を現した!


冴子と狐神が初めて出会ったのは、冴子がまだ、4歳の頃であった。

山奥にある神社で育った冴子は友人と遊ぶ事よりも祖母や霊魂と遊ぶ事が多かった。

その日も、いつものように、神社の庭先で遊んでいると、少女が近づいてきたのだ。


少女 あなた、ここの子?


冴子 うん。あんた、だーれ?


少女 アタシは狐じゃ!ほれ、耳を見たら分かるだろ?


冴子 じゃ、おばけ?


少女 まぁ、似たようなもんだな笑


笑った顔は、とても可愛らしく、冴子にはとても悪い者に見えなかった。


その後は、良く二人は庭先で遊ぶようになり、祖母も、そこへ話しかけてきたりもした。


祖母 おや、どこの子だい?


冴子 おばあちゃん♪あのね、この子、狐のおばけなんだって!


少女は、丁寧に祖母へお辞儀をした。


祖母は、少女に近づき手を頭に乗せると急にひざまづき手を合わせた。


祖母 こ、これは狐神様!孫が大変に失礼な事を!


少女 よいよい♪お前に似て霊力がかなり高いの!この子は。名は何と言う?


祖母 冴子です。


少女 冴子か。よろしくの冴子


冴子 うん。あんた、狐さんなの?


少女 まぁ、元々はね。


祖母 冴子、この方はね。ずっと昔から、この地に住んでいる狐神様なんだよ。神様のお一人じゃ。


冴子 ふーん。じゃ、コンちゃんね♪


祖母 こ、こら、冴子!


少女 コンちゃんか!良いの♪それ♪


冴子 ねー、コンちゃん、また来る?


それから、冴子の遊び相手は、この狐神様になった。

一人っ子の冴子は、まりつきや、なわとび、かくれんぼに鬼ごっこと、古風な遊びばかりコンから教わったが、毎日が楽しい日になった。



そして、帰省した冴子に話しかけてきたコンは、神殿に来るように話し、冴子は向かった。


コン 冴子、大人になったな♪


冴子 コンちゃんは変わらないね♪


コン まぁね。これは仮の姿だからの♪


冴子 そうだったんだ!それで、なーに?


コン うむ。先程の修一との話しだがな、と、その前に、冴は神について、どの程度を知っている?


冴子 うーんと確か、星と生命を創り出した全知全能の神様が社長で、その下に自然の神様の四神様がいて、その下に動物の姿をした12神様がいるのよね?確か、会社みたいになってたから、覚えてるわ♪


コン うむ。その中間に特神様がいる。そして、その神の中にも、人間に都合の良い神と悪い神がいる。

例えば、人が貧乏神と名付けた神や、死神だな。

しかし、人の思惑とは違い、天界では、どちらの神も星のバランスを保つのに重要な仕事をしているエリートクラスの神様だ。

アタシのような下っぱの12神とは格が違う。


冴子 そうゆうもんなのね♪奥深いわ♪じゃーさ、あの地図は誰がばらまいてるのよ?


コン それはな、四神様に会うたら分かる♪常葉が、言うていたであろ?


冴子 あー、おばあちゃん!樹海に行けって!


コン うむ。そこへアタシも同行しようと思う♪


冴子 本当~?♪百人力だわ♪


コン それは、言い過ぎじゃ笑


冴子 だって、昔は玉藻って呼ばれてたんでしょ?

玉藻ってさー、人の世界では、超有名人なんだよ?


コン ま、まぁな苦笑 そんな怖い時もあったやも知れん。

わ、若かりし時の何とやらじゃ!


こうして1日は実家でゆっくりして、帰省して3日目に樹海へ向かった。





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