第4話 警察の捜査

五十嵐勝利(12)が行方不明になり、母親が霊能者である木村冴子と出会う10日前、警察署では会議が開かれていた。


では、これより怪奇事件について会議を行う。


まず、これまでの経緯をまとめる。

被害者は五十嵐勝利さん、12歳の男の子だ。

居なくなったのは自宅マンションの1階。エレベーター付近である。

日付は、2021年10月4日の午前7時13分。

その証拠品がマンションに設置されていた監視カメラの映像だ。これを今一度、見てくれ。

会議室に設置されていた前方のスクリーンにその映像は音声付きで映し出された。


見ての通り、勝利さんは助けを呼ぶでもなく、消えている。

ここまでは良いか?


そこへ一人の男が手をあげた。


横田 あの?ちょっと良いですか?消えた。とゆうのが、どうして良いものか。


すると、米沢とゆう刑事が、話し出した。


人が突然に消える。とゆう事は手品とかでも使われたりしています。詳しくはこれからですが、鏡を使った錯覚などを使ってですね~。なので、犯人はこれらを利用したのではないか?と私は考えているのですが?


横田 なるほど!だとすると犯人は相当に手が込んでますね?

だって僕なら、監視カメラを壊すなり外すなりをしてから誘拐しますし。それに誘拐をしたら何だかのアクションがあっても良いかと。


周りの刑事は、二人の話しを聞いてあーだこーだと話し出した。

そこを会議を仕切っていた刑事課の課長が頭をかきながら、止めた。


静かに!その線はあり得る。

もし、手品の要領で、何かをしたのなら、痕跡があるはずだ。米沢くんは、それを調べてくれ。


米沢 はい。


横田 そんな手の込んだ仕掛けをわざわざするかな~?何の目的もないのに。


と、まだ若い横田がボソボソと言っていると隣に座っていた刑事が声をかけてきた。


まぁまぁ、色々な線で捜査をするのは普通だろ?お前さんは別のやり方でやったら良いんだよ。なっ?


横田 はい。


それから1週間後、警察署に木村冴子が訪れていた。


はじめまして。お電話をした筒井探偵事務所の木村です。五十嵐勝利君の件について。証拠品を見せて頂きたいのですが。


刑事課へ訪れると中は騒がしくなり、刑事課の待合いにはどこかの夫婦がうつむいて座っていた。


そこへ浅井とゆう刑事が、声をかけてきた。


どうぞ、こちらへ。


取り調べを受けるような小さな部屋へ案内されると女性の警察官がお茶を出してきた。


そして、すぐに浅井はテレビを付けるなり話し出した。


はじめまして。浅井と言います。筒井さんからは、だいたいを伺っています。

これ、見たら驚きますよー。


ニコニコしながら、一緒にテレビを見始めると、画面を指さしながら、丁寧に説明をした。


冴子 なるほど!


見終わると冴子は、ため息をふっーと、一つ漏らした。


浅井 どうですか?ウチもこんなケースは初めてでして。

どうか、お力を貸して頂きたい。


冴子 良く調べてみないと分かりませんが、多分?警察では解決が難しいかもです。


浅井 と、言いますと?


冴子 いや、何と言うか、霊的な現象?と言いますか。


浅井 あー、なるほど!いえ、私個人はそうゆうのを信じますよ。

ただ、もし、そうなら、確かに警察の管轄外ですね?

しかし、お子さんが行方不明なのは事実なので、そこは事件として我々も必要があります。捜索願いも出てますから。


冴子 とゆう事で、アタシが呼ばれた?


浅井 そうです。木村さんは、そうゆうのにお詳しいと聞いています。なんでも実家が神社だとか?


冴子 はい。父は神主をしていまして。子供の頃から人が見えない物が見えてしまいます。


浅井 それで、映像から何か見えました?


冴子 はい。エレベーターが1階に着いて扉が開いた時、扉の先に白い光が見えたのが分かりますか?あ、それと男の子の手元。何かを持っています。


浅井 えっ?

もう一度、映像を見直した。


浅井 いや、自分にはサッパリ(苦笑)


冴子 やっぱり!分かりました。コチラはコチラで調べて情報を渡します。なので、浅井さんもアタシに分かった事を教えてくれませんか?


浅井 分かりました。


冴子 うん。では1つめの情報をお渡しします。赤井村、ご存知ですか?


浅井 あ~、北の方の。


冴子 はい。あそこでも似たような事があったんですよ。1年前に。話しによると、もっと以前からあったみたいですが。


浅井 へー。そういえば、僕もテレビで見た事があったかも!3人目の時に話題になってましたよね?


冴子 はい。3人目は結婚を間近に控えた20歳の女性です。


浅井 なら、コチラは村の駐在所から情報を集めておきましょう。木村さんの事は話しても大丈夫ですか?


冴子 はい。お願いします。


冴子が、そう言うと浅井と名刺交換をした。


そして、お辞儀をすると、警察署を出た。













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