第3話 霊能者

警察の初動捜査が開始された頃、勝利の母は探偵から紹介された霊能者を家へと呼んでいた。


はじめまして。霊能者をしています、木村冴子と申します。


見た目は40歳前半くらいの女性が深々と玄関先で頭を下げた。


霊能者のイメージと言えば暗い感じで服装は地味な感じがあるが、木村冴子はスーツでビッシリときめていて髪の毛は茶髪。どうみても普通のOLのような感じだった。


そんな女性だった為、勝利の母も緊張が少し緩んだ。


今日は、ありがとうございます。どうぞ、お入りください。


そうして、ソファとテレビがある部屋へ案内し、冴子に飲み物を出した。


二人は軽く自己紹介を済ませて、世間話しから入り、本題である依頼の話しをした。


あのー、人が突然に消えてしまう~!なんて事、信じます?


勝利の母が恥ずかしそうに聞いてみた。


はい。信じます。

とゆうか、今回の依頼はそれですよね?アタシ、ある村の調査もしてまして、そこでも似たような事が起きているんですよ!でも、サッパリ分からなくて笑


可愛らしい笑顔で、母の緊張を見事にほぐした。

それから冴子は続けた。


いわゆる神隠し!だとアタシは思っているんですけど。

ただ、実際にその現象を見るのは初めてなんです。今回は映像に残っていて、凄いです!


母 そー?ですか。そ、それで、ショウは?


ご心配なく、まだ生きています。いや、死んではいません。


母 ?と、とにかく生きているんですね?


冴子 はい。ただ、このままだと本当に死んでしまうかもしれません。


今までとは違い、冴子は真剣な顔で話し出した。


母 ふざけないで!なんで、なんでウチの子なのよ~泣


冴子 お母さん、落ち着いてください。勝利君は帰ってこれる可能性もありますから!


母 それは?


冴子 素人の人に説明をするのは難しいんです。人は死後、どうなると思いますか?


母は背中を撫でられ、少し落ち着いて質問に答えた。


母 分かりませんが、天国に行く?ですか?


冴子 それが、一般的です。けど、アタシ達が知っているのは、この世界に似た世界に一旦は留まる。とゆう事なんです。


母は何が何やら分からず頭の中を整理していた。すると冴子は紙とペンをカバンから出して絵を書き出した。


 今、アタシ達がいる生きている世界がココです。で、天国と呼ばれる場所がここにあるとします。


今世界と書かれた丸い円の上に線を引っ張り上に天国と書いた。

それを母はマジマジと見ながらうなずいた。


それで、天国と今世界の間に留まる世界があるんです。ここをアタシ達は狭間世界と呼んでいます。そして、狭間世界は今世界と見た目は全く同じです。

つまり、勝利君は、ここにいると思います。

ここまでは、分かりますか?


母は困惑していたが、絵を見ながら、何となくで理解をした。それを見て冴子は続けた。


あと、狭間世界は時間の流れがとてもゆるやかでして、今世界の1日が1時間なのです。

つ、つまり、生きている世界で1日経つと勝利君のいる世界では1時間を経過した事になります。


母 うーん。それで?


冴子 はい。狭間世界の時間で3日経つと、死か生か?の選択がなされます。つまり、こちらでの3ヶ月間が限界と言われています。


母 じゃ、勝利が居なくなって今で約1ヶ月だから、あと2ヶ月が限界って事?


冴子 はい。


母 それで、アタシ達に出来る事はあるんですか?


冴子 あとはアタシ達に任せてもらえませんか?お母さんは祈ってあげてください。


冴子は笑顔で、そうゆうと金額が書いてある用紙を母に渡した。


母は下を向きながら、しぶしぶうなずいた。


冴子 こちらは成功をした時だけで大丈夫です。


母 で、でも!アタシも一緒に捜したいんです!じっとなんか出来ないよ


冴子 お気持ちは分かりますが。危険ですから。力の無い人が霊界に関わるとお母さん自身の命に関わりますし。ね?


母 アタシは死んでも良いの!それが母親なの!


冴子は困惑したが、仕方なく涙する母親の提案に条件つきで、同意をした。









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