第8話 玩具地獄へ堕ちた奴隷商と孤児院の大人 4 続く爆殺ごっこ、いじめごっこ

「院長!! ここからだしてぇぇ!!」


「痛い!! いたいよぉぉ!!」


「たすけぇ、たすけぇ…」


「なんでもするから、だしてぇぇぇ」


「いじめなぃでぇぇぇ!!!!! いい子にするからぁぁぁ!!!!!」


 生前、拷問され売られていく子供達が入れられた檻の前で、ジンバイは子供達の悲痛な叫びを無視して奴隷商の頭かしらから金貨が入った袋を受け取る。


「ちょうど、新作の爆弾に使いたいガキが欲しかったからなぁ」


「そうですか」


 頭かしらの機嫌を損ねないように返事を返す。お互いに人身売買と言う危険な綱渡りを歩く相棒だが、爆殺好きの頭かしらの機嫌を取らなければいつ自分が爆殺されるかわからない。


 まともな食事を与えられず、暴力や性的虐待で肉体も精神もすり減った子供達に向けジンバイは「まぁ、せいぜい死ぬまで遊ばれるんだな。死ぬまで」と悪意の笑みを見せ告げジンバイはそのまま奴隷商たちの元から立ち去った。



 場所は変わり、地獄のジャンヌ孤児院。


「「よ~し~いっぱい、はぜるぞぉぉぉ!!」」


「「はぜるぞ~~」」


「「かやく♪ かやく♪」」


 奴隷商が入れられたおもちゃ箱に火薬が入れられる。


「やめろぉぉぉ」


「もう痛いのはいやだぁぁぁ」


「いあだぃ、あづぃぃぃ…」


 何百回も爆殺された奴隷商たち。何度も生き返り怪我が治るが、爆発の衝撃で体が引き裂かれ焼かれた痛みは心に残り精神が崩壊した。


 どんなに子供たちに命乞いしようが、謝罪をしようが爆発による快楽を覚えてしまった悪魔たちは、花火の感覚で奴隷商たちの爆殺を楽しんでいた。


「あぁぁ、いやだぁぁぁぁ!!!!!」


 子供達に爆発の快楽を教えてしまった頭かしらは頭上から降ってきた火薬を振り払った。爆殺される側になり。爆弾と火薬がトラウマでわずかに臭いを嗅いだだけでも失禁してしまうほど重症化した。


「いだぃ、あづぃぃ…やめてぐれぇぇぇ!!!!!!」


 頭かしらの悲痛な叫びを子供達は地獄耳で聞いていたが無視して大量の火薬を箱に詰め、巨木マッチに火をつけて。


「「「はぜろぉぉぉ!!!!!」」」


 大爆発を起こし箱がかけらもなく引き飛んだ。だが、子供達が爆殺に飽きたとしても奴隷商たちは次の残虐の遊びが永遠続くだけだった。


 ジンバイとマザーのお仕置きが何日も続きやっと終わっておもちゃ箱に返された。だが、ジンバイにはもう安息は決して訪れない。


「てめぇ!! ジンバイ!! このクソ野郎!!」


「あんたのせいで、こんなことになったんじゃない!!」


「しねぇぇぇぇ!!!!」


 針のお仕置き後、生き返ったジンバイはおもちゃ箱の中でリンチにあっていた。かくれんぼで犠牲になった4人や、ネジで殴殺して生き返った者は殴る蹴るでボロボロのジンバイに怒りをぶつけた。


「や、やべろぉ、ま、までぇ…」


「てめぇのせいだろが、なんとかしろぉぉぉ!!!!!」


「俺たちをここから出すように、あの化け物たちを何とかしてこいよぉぉぉ!!!!!」


 ジンバイの悪行を聞いた他の大人達も制裁に加わる。ジンバイやマザーに支配されていたとはいえ、自分も子供達を使い甘い汁をすすっていたのを棚に上げて罪から目をそらす彼らも同じ外道である。


 一方ですでに精神崩壊して箱の隅っこで倒れているマザーは放置されていた。マザーにも制裁は加えられたが、どんなに殴り痛みつけても無反応なので放置されていた


「「あれ~~いんちょうせんせい、いじめられてる?」」


 子供たちがおもちゃ箱を覗いた。子供の声に恐怖におびえる声が広がった。


 ジンバイのリンチをやめ、大人達は箱の隅に逃げる。ボロボロで傷だらけのジンバイは子供達に向け叫んだ。


「「だ、だずげぇ…ごご、がら、だじでぇぇぇ…」」


 檻に入れられた子供達と同じ悲痛の叫びをあげるジンバイ。「いじめられてるんだぁ、痛い!! いたいよぉぉ!!」と、化け物の子供達に折れた右腕を震えながら伸ばした。


 お仕置きの針刺しが終わってから一度も箱から出されず、大人達から裏切り者、悪魔と罵声と暴力から逃れるため子供達に助けを求めた。


「そ、そうだぁ、いまがら、おままごとしよう!! 泥でもゴミでも食べるからぁぁ、なんでもするから出しくれぇぇぇ!!!!」


 暴力から逃れるため残虐の遊戯を自ら選んだ。だが、子供達は首を横に振る。


「「いやだぁ、はこからださない」」


「「いいんちょう、うそついたからきらい!!」」


「「もう、あそんであげない」」


 化け物の子供達からも見放され、ジンバイの私刑が決まった。


「「それじゃ、いじめごっこだぁ~~」」


「「ぼくたちみてるから」」


「「これつかって」」


 箱の中に人形用のスプーンやフォーク。ジンバイが使っていたネジなど硬い物が入れられた。大人達は入れられた硬い物をそれぞれ手に持ちジンバイを囲む。


「は、はぁっ!? ま、まてっ!? 」


 逃げ道を絶たれて、絶望に涙を浮かべ再度助けの声を上げようとして、


「「まぁ、せいぜい死ぬまで遊ばれるんだな。死ぬまで」」


 奴隷商に売り渡した時のジンバイのマネをした数秒後。おもちゃ箱から硬い物で殴られ、何度も生き返り、その都度なぶり殺しにされたジンバイの絶望の声が上がる。


「「いじめごっこのつぎは、なにしようか?」」


「「たたかいごっこ? ばくさつごっこ?」」


 子供達は次の残虐遊戯の話をして楽しむ。


 ここは、玩具地獄。子供の未来を弄んだ大人達が永遠に弄ばれる地獄。


 虐待されて売られた子供達の憎しみから生まれた怪物が大人を残虐な遊びで未来永劫苦しめる。

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