第3話 暴食地獄へと堕ちた王と民衆。2 ちぎられるドワーフと羽を失ったハーピィ
暗黒時代に武器製造で酷使されていたドワーフたちはジャンヌに保護を願い、ジャンヌは無条件にドワーフ達を受け入れた。
その後ジャンヌらの活躍により戦争が終わると争いの元になる武器製造が禁止される。
しかし、戦争の道具は高く売れて儲かる。金が入れば好きな酒も女も抱けるため一度覚えた快楽を再び得るためドワーフたちは戦争を望み、他の種族たちに協力してジャンヌを追い込んだ。
ジャンヌがブオウに反旗を翻すためひそかに武器を作らせていると適当に作った武器を証拠に出し、処刑時には石を投げジャンヌの体にいくつものあざを作った。
ジャンヌが処刑されてからは、武器を大量に生産して売り酒や女を手に入れた。だが、戦争の火種を作り自ら平和を壊してしまったドワーフたちは巨大豚に調理されようとしている。
「このぉ!! 食われてたまるかぁ!!」
血の気の多いドワーフたちは瓶が開くと、巨大豚の指を攻撃する。力自慢のドワーフたちが蟻のように指にまとわりついて斧やハンマーで攻撃するが豚の皮膚には傷一つかない。
「っ~~っ~~」
豚はまとわりつくドワーフたちにいらつき、水槽の中に腕ごと突っ込みドワーフたちはおぼれた。普段から武器を作るために山にいるためウンディーネやエルフと違い水に対しての抵抗が低いため、深い水槽の中でどんどんドワーフたちが溺死していく。
「げほぉ!! ぐ、ぐるじぃ!!」
溺死して動かなくなったドワーフたちをトングですくいあげ、一体、また一体と一口サイズにちぎられる。
「これは悪夢だ…そうだ、これは夢だ…」
人族だけでまとめられた瓶の中でブオウが力なくつぶやいた。平和、平和とうるさく唱えるジャンヌが邪魔になり、ちょうどジャンヌを陥れ聖女の座を欲した女と手を組んで処刑を実行した。
暗黒時代はジャンヌが人々を導き、民の反逆することなくブオウは常に甘い汁をすすってきた、ジャンヌの名を出せばこっちに有利な条約が結べて他国から利益をかすめ取れる。身に着けた宝石や女も山のようにあり、ジャンヌには内緒だった。
だが、地獄に落ちたジャンヌはブオウの実態。そして、家臣らが不正をしている事などすでに知っている。そして、ここにいる全員の魂が決して天国へ行くことはない。
次に豚はハーピィの瓶に手を出す。彼らの翼は飾りや薬で高額で売れるため奴隷商人や不正な貴族に狙われやすい。ドワーフと同様に保護したジャンヌだが、ハーピィを乱獲している黒幕がジャンヌだと偽の噂を聞きつけ、ブオウやドワーフ達が出した偽の証拠を信じてしまいジャンヌに対して「この裏切り者」「悪魔め」と鋭い爪でジャンヌの体を傷つけた。
豚はハーピィ入りの瓶の蓋に分厚い針を刺した。
「う、うぁぁぁぁ!!!!」
ハーピィたちは瓶の底に密集して、蓋を貫通して中に入ってきた針から身を遠ざける。もしかして串刺しにするのか? と恐怖におびえるが、針の先から緑の煙が流れハーピィたちの体に異変が起きる。
一枚、また一枚と綺麗な羽が抜け落ちていく。調理で羽が邪魔になるため、毛抜きガスで綺麗だったハーピィたちは全身の毛が抜け落ち、無残な姿に変わっていく。
「いやぁぁぁ!! 羽!! 私の羽がぁぁぁ!!!!」
綺麗な羽をもち、空をかけていた種族たちは体中つるつるになり飛ぶことができなくなった。さらに、今度は赤い煙が流れて足の鋭い爪が解けてとどめに、黄色い煙を流されるとハーピィたちは動かなくなった。
「たす、け、でぇ…」
黄色い煙はしびれ薬で逃げる方法も反撃する武器を失った小鳥たちは網の上に置かれていく。無抵抗となり網に乗せられたハーピィらは、最初のウンディーネ達同様にカリッカリッとよい音を立てて、何千度もの油で揚げられる。
「ぐぃぃぃぃ!!!! あづぃぃぃ!!!!」
羽が抜け爪が解けて逃げることができないハーピィ。
カリッと良い音を立ててハーピィの揚げができた。
先に調理されウンディーネやエルフの肉が盛り付けられた皿にハーピィのから揚げが置かれる。
「く、くるなぁぁ!!!!!」
「いやだぁぁぁぁ!!!!!」
ハーピィたちの無残な死にざまを見て発狂した叫びが上がる中、巨大豚はブオウら人族が入った瓶へと手を伸ばす。
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