第28話 無能にとっての「現実を考える」
無能にとっての「現実を考える」こととは、果たして、どんなものでしょう。
要は、何もしないで、自分の言うとおりにしてくれたらいい。
そうしてもらうことが、現実なのだそうです。
わしにはよくわからんけどな。
内容なんか二の次。
調査能力も不要。
何か努力?
そんなもの、プログラムぐらい、組んでくれますって。
自分の先輩か上司か誰か、他の「先生」と呼ばれる人が、ね。
それに従って生きていったら、いいじゃない。
難しいこと言わなくたって、いいじゃない。
そのうち世の中でたら、もっと厳しいんだってば。
こんな温室みたいなところとは、違うんだから。
で、私のお仕事、今年度で、終り。
終わったから、サヨウナラ。
お元気で・・・。
・・・・・・
そして、それから2年後の春以降の、ある時のおはなしに。
・・・・・・
なんだか、私が言っていた「現実」、否定し切られるような行動を起こして、彼は、実績を作って、私のいた元職場を去っていったみたい。
でも、もう、すんだことじゃない。
私の責任じゃ、ないわよね。
あとは野となれ、山となれ。
あ、もう、なっているわね。
あの頃の上司や先輩が、その「ツケ」を負えば、いいんじゃない?
だってわたしぃ~、もう関係ないもん。
彼、私の元上司たちを散々に無能呼ばわりして罵倒したみたい。
私? もう辞めてます。元職場とは、何の関係もないもん。
関係ない・・・、でしょ?
彼、大学も出てそれなりの仕事をしているって、聞いた。
大検をとって現役で大学に行けて、よかったね。
私のおかげって感謝しなくてもいいけど、懐かしく思ってくれているかな?
覚えてくれているかな?
ちょっと、相手視点に立って書いてみました。
まともに論評するのも馬鹿馬鹿し過ぎて、ね。
今思い出しても、心底虫唾の走るお話である。
だがこれが、私の高校時代といわれる時代に接触した無能なとある20代前半の若い女(=養護施設職員の、とある保母)の、「現実」であった。
実際にこのようなことを彼女が後に述べたわけでもないし、何より大学合格後一度も会っていないし(ひょっと彼女?な人とは、何度かすれ違ったけどね)、こちらから探して会う気もないし、相手もそうだろうな。
まあ、わしに感謝されているなどとはゆめゆめ思ってもいないだろうが、まさか、全否定されるような罵倒を受けるとも、思ってないだろう。
そしてまた、こうして私が著述業の道に入り、彼女をモデルにした人物を、批判的というよりむしろ否定的といっていいほどの論調で扱っていることなど、夢にも思っていないだろう。
ああ、あんたのような無能な職員に出会えてなめ切った態度をとられたおかげで、今こうして、ええ思いができているわな。
オンドレのほざいておった、大好きな「現実」って言葉を、今、熨斗(のし)つけて、たんまりたまった利息もつけて、返してやるよ。
これは、私が「お世話になった」馬鹿ねえちゃんへの、ツケ(=不法行為的言動に対する慰謝料)の回収なのです。
現金化できるものでもないし、また、そんなことをするのが妥当とも思わないのでね、裁判には、馴染まない。とはいえ、これは一種の「自力救済」かもしれない。
でも、これは民事・刑事両面において禁じられている「自力救済」じゃ、ねえよ。
日本国憲法の認めた「表現の自由」の行使だからね。
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