第27話 特徴18:目先「だけ」が、現実。

 無能にとっての現実というのは、テメエの目先で見え、考えられることだけ。

 ただ、それだけ。

 それは、テメエの目先のほんの少しの情報というか、聞きかじり程度の判断材料程度を見てか見ずか、そんな程度のものでしかないのだけど、それで、現実を知った気になって、判断する。

 それはもちろん、テメエ本人やそこらにとどまっているうちは、わしも文句を言うつもりもねえ。それで不利益をこうむろうが、そんなものは自己責任でよろし。

 とはいえ、それを人に向けだされたら、それは早晩、つまり即ち遅かれ早かれ、必ずや大問題を引起こしかねません。

 そうなると、ことはテメエだけで済まなくなってくるからね。ことそんな場面にまで及んだ段階では、そこから目を背けようとも耳をふさごうとも、無駄。


 ところでなぜ、無能はそんないい加減な姿勢で生きられるのか?


 特に何も考えず、群れ合う中で、流されて生きているから。


 わしには、そうとしか思いつかん。

 自ら何かを求めて真剣にやるという姿勢が、無能には見られん。

 テメエだけなら、まあええ。

 それを、人に押し付けごかしてこられたあかつきには、たまらんぞ。


 そういうわけで、その「現実」とやらをテーマに、次回あたりから論じて参る。

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