第18話 特徴12:合言葉は、「一生懸命」!

 無能の合言葉は、ズバリ、これ。

 本来の「一所懸命」じゃないよ。


 一生懸命。


 もう一度、言う。

 「一生」懸命!

 これぞ、無能の合言葉。


 ためを思えば免罪符。

 一生懸命という合言葉を述べれば、これまた、免罪符。

 相手を思う気持ちさえあれば、内容なんかなくても、相手のお役に立てなくても、免罪されるのです。

 ~実際はそんなことないのだけど、そういう認識なのね。それがまた、無能の無能たるゆえんなのでありますぞ。


 いえいえ、この言葉、決して、そんなレベルじゃありません。

 相手のためを思ってなどといっても通用しない局面においても、最後の望みというか、奇跡をつなぐための、世にも素晴らしい合言葉なのですよ。

 泣き落としなんて野暮なことまでしなくても、この言葉、機能するのです。

 もう、預金残高がなくてもじゃんじゃん買い物できる、「魔法のカード」並の効果が、この言葉には期待できるのですよ。

 というか、そのくらいの魅力ある言葉なのですよ。

 ただし、無能限定ですけど、ね。


 わしには、そんなもの通用するわけないやろ。

 そんなこともわからんのか、ボケ!


 というわけでね、この魔法の言葉、「一生懸命」について。


 わしら、何だかんだで、仕事していかなあかんのよな。

 その仕事というのは、効果が見込まれねばならん。

 売上であれ、そうでなくてもそれに代わる何かがいるわけや。

 何より、自分もそうだけど、それ以上に、相手さんの利益が大事。

 ~ちょっと、きれいごとかもしれんけど。


 でな、そのためには何が必要であるかは大事よね。

 基本、駄目でしたでは駄目や。

 もちろんそのこと自体はダメでも、他の面で成果があれば話は別。

 だけどここでは、そんなさじ加減にかかる話は除外しておく。


 まあそのね、結局のところ、上手く行こうが行くまいが、こういう言葉を述べる人間は、正直、そういうことは、本音としてはどうでもいいのだろうね。

 だけど、それを述べてはさすがにまずいので、予防線。

 主観というのは第三者をして立証しえないところあるから、そこに着目。

 というか、そんなところまでは考えている形跡がないのも確かだけどさ。


 何はともあれ、「一生懸命」!

 必死に、自分なりに、「一生」懸命!

 そう。一生!懸命!

 一生懸命やりさえすれば、あとは、もう、仕方ない。

 逆に言えば・・・、

 一生懸命やりさえすれば、結果なんかどうでも、いいのだ。

 それで人が傷ついたとしても,気の毒だけど、しょうがない。

 なんせ、こちらは、「一生」、「懸命」に、やったのだから。

 それを汲んでいただきたいものですね。


 それも汲まない、汲もうともしない、まして無能呼ばわり・・・。

 そんな人は、有能なのかもしれないけど、冷たい人だなぁ・・・。

 せめて、気持ちだけでも、汲んでよ~。

 「精一杯」やったんだからさぁ~。


 ってか?


 あ、少しオマケ。

 その「一生懸命」の姉妹語には、「精一杯」ってのもあるよ。

 どちらも、第三者には立証不能。

 単なる、やりましたポーズの言い訳言葉。


 またぼちぼち、その辺についても論じて参ろうかね。

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