第9話 特徴6:群れさせることにも目がない
前回は群れることを無暗にしたがる手合いについて論じたが、今回は、そうして群れさせる手合いについてメスを入れて参る所存である。
群れることに目がないのはまあ、個人の自由という側面もあるが、群れさせることとなると、人が絡んでくる分、性質が悪くなります。
そらあんた、そうでしょう。
本来群れる必要のないものまで群れさせるわけですから、ねえ。
さてさて、なにゆえに群れさせることに目がないのかと言えば、まあ、無能なりの「保険」をかけているようなものなのね。
一人でいることに耐えられない。
一人で何かをじっくりと、確実にやっていくことができない。
とりあえず、人がいたら、気休めぐらいにはなる。
ならば、群れよう。
ついでに、群れさせてやろう。
そうすれば、相手も寂しくなくて済むだろう。
ま、この程度の浅知恵ですな。
それこそ、私が幼少期を過ごした、その時代の養護施設(現在の児童養護施設)の状況というのはまさに、そのレベルのものでした。それまでもそんな調子でやれていたからというのもあるのだろうが、そういうことをして群れさせようということには、まさに、血道を注いでいるような感じさえもみられましたね。
そうすることで、自らの「指導」がうまく行っているように思える。誰かがどこかに行ってしまっていない状態よりも、みんな一緒にその辺にいて、群れ合ってくれていれば、目も行き届くし、そこでふれあいかじゃれあいよろしく、もとい、仲良く(わっはっは)過ごしてくれていたら、自分の責任も問われないし、仕事をしているという実感もわく。
まさに、「仕事シテル、ってカンジ」!
って、か?
しかし、そんなものは所詮、目先の目くらまし。
将来どのように生きていくべきか、そんなことがどうせまっとうに論ずることのできるだけの情報もなければ、能力もないのだから、いずれどこかで化けの皮、はがれますよ。まあ、はがれる前から、わしは見抜いておったけどな(あたぼうよ)。
そんな中でも、最悪にひどかったのは、これ。
「ここ(施設)を出たら、おまえら3人でアパートを借りて共同生活をして・・・」
などと、無責任な理想論を、その職員は述べてくれました。
そしてそれに加えて、家制度の出来損ないの家庭論を並べてもくれたのう。
これから独り立ちして真剣に生きていかねばならぬと、大学受験に向けて勉強していかねばならん立場の者に、何という言い草か?!
これで社会福祉とか、笑わせるなよと思ったね。
この者に限らず、いずれ結婚して家庭を築けばすべて解決するかのように思ってモノを言っていた人物は、存外、いたねぇ。いずれにせよ何にせよ、そんな人間たちのホザく「家庭論」などに、聞くべきものなどあろうはずもなかったわな。
大体、家族を持つのヘチマのの前に、まずは独り立ちして自ら食っていかねばならん。最悪、生活保護を受ける、でも、そこは結局、同じことなの。
それを家族がどうこうのゴミのような論理を並べて、もとい、美辞麗句で取り繕ってみたところで、何の意味もない。
その結果のあまりな話も、いくつかわしの耳にも入っておるが、ここではあえて、述べないでおこう。
~あ、でも、今準備中の次作で、その顛末の物語を一節掲載したからね。
後に、ある学習塾関係の大先輩が、こんなことをおっしゃったのよ。
あんたを救うのは、もはや、宗教レベルの救済しかない。並のアドバイスなど、それこそあんたの言う「クソの役にも立たん」以外の何物でもなかろう。
ってね。
つまり、家族を持てば、そしていずれ子どもでもできれば、疲れて家に帰ってきても家族の笑顔に癒されて・・・、程度の解決策など、クソの役にも立たないばかりか、他者をも不幸にするのがオチってこと、その先生は見抜かれていたってことや。
このくらい見抜ける人こそが、真に「有能」というのである。
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