第12話

「「ああ…終わった…」」

といつものように、口に出してしまったが、今日は、三葉も同じようだ。

「ちょうど終わったのか?」

「はい…というか、みんな帰ってしましたね」

「俺にとってはいつも通りだ」

「そうなんですか…」

「それじゃあ俺は帰るぞ」

「お疲れ様でした」

ゲームトークをするほどの気力もなく、ぐったりしているので、すぐに帰ることにする。

今日は、遅くなってしまった…もう、1時をとっくに回っていた。

早く帰らないとな。

夜は冷えるな。まだ、秋が始まったばかりと言えど、夜は格段に寒かった。今日は、10度を下回ると、天気予報で言っていたが本当だったのか。

「やっと着いた…」

ドアを開ける。いつもだったらここで「おかえりなさ~い!」と深夜とは思えないくらい元気な声で迎えに来るのだが今日はないらしい。

そんなのんきなことを考えながら、部屋に入ると、柚葉が倒れていた。

息が上がり、咳をしていた。

「大丈夫か!?」

すると、柚葉は目を開け、「大丈夫です…」とだけ呟いた。

急いで、家に置いてあった風邪薬を飲ませて寝かせる。

「とりあえず今日は寝てろ」

「はい…本当にすみません…」


なぜ、体調を崩してしまったのか。そんなことは、言われなくても分かる。

だが、そんな自嘲している暇も今はない。

とりあえず、家にあるもので何かを作らないといけないな…

「よし。おかゆにするか」

とりあえず、急いで米を炊いて…それから調味料も…


「ふぅ…意外と時間がかかったな。」

普段料理をしない俺には、少し難しかったらしい。

スマホで調べると、『簡単!30分未満でできる!』と書いてあったが、結局一時間かかってしまった…

何でそんなに、時間がかかったのだろうか。

まあいいか。とりあえず、もう少し冷めるまで待つか。


「おーい大丈夫か」

「ん…」

「もう少し後から、作ればよかったか…」

そう思い、立ち上がろうとした。

「私のせいで…ごめんなさい!許して…!だから…」

いきなり柚葉が叫びだしたのだ。

寝言だろうか。

だが、その内容があまりよくないようだ…

ここはそっとしておくべきなのか?

「お…兄ちゃん?」

「ん?」

「あ。こ、浩平さんですよね。はは…」

「どういう…」

その瞬間、頭に激痛が走った。

「うぅ…」

何かが思い出せそうな…

「え。」

もしかして…柚葉は…

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